マイナ保険証の義務化許すな 戦争国家化へ全情報ひも付け

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週刊『前進』04頁(3266号02面04)(2022/10/24)


マイナ保険証の義務化許すな
 戦争国家化へ全情報ひも付け


 河野太郎デジタル相は10月13日、現行の健康保険証を2024年秋で廃止しマイナンバーカードと一体化すると発表した。カードの事実上の取得強制・義務化に激しい怒りが噴出している。カード義務化は全個人情報をひも付けて支配・動員する戦争国家化への大攻撃だ。国葬粉砕の勝利に続き岸田政権打倒へ闘おう。

国葬に続き噴出する怒り

 「マイナカードは任意じゃなかったのか」「法律違反だ」——河野の会見直後から自治体の窓口に住民の抗議・問い合わせが殺到。医療現場はもとよりSNSやマスコミでも反発と弾劾の声が拡大し続けている。
 「やり方が国葬と同じだ」という批判があふれる一方、マイナンバー制度それ自体についても「政府に一方的に情報を握られる」「個人の資産、病気のことを知られたくない」、さらに「徴兵制に将来的に使われる不安」が出され、「廃止すべきは保険証ではなく、マイナカード」という声が上がっている。まったくそのとおりだ。
 安倍国葬を粉砕する闘いは階級攻防の新たな情勢を開いた。岸田政権の支持率は2割台に下落。追い詰められた岸田は中国侵略戦争のための大軍拡と戦争国家化へ、より強権的・絶望的に突進しようとしている。そのための保険証廃止によるマイナカードの取得義務化だ。しかし岸田の戦争と強権の政治に、誰もが声を上げ行動を始めた。保険証廃止・マイナカード義務化の阻止へ断固闘おう。

徴税から徴兵に至る攻撃

 岸田はマイナカードの事実上の取得義務化で個人情報保護の留め金を外し、医療記録、学歴、預金額や資産、年金収入、図書館の貸出履歴、医師・看護師、教職の資格、運転免許証などあらゆる情報をマイナンバーに名寄せ(統合)・ひも付け(関連付け)して、国家が掌握・監視することを狙っている。それは徴税の徹底から徴兵・徴用(戦争動員)・徴発にまで至る、全てを戦争のために動員していく改憲攻撃そのものであり、まさに戦時下の「国民総背番号制」だ。
 16年のマイナカード制度発足から取得は低迷。マイナポイントの「まき餌」にもかかわらず、普及率は10月11日時点でやっと56%。「利便性」の宣伝にもかかわらず「情報漏えいなどマイナンバー制度への不信に加え、政府に個人情報を握られるのでは、という拒否感が大きい」ことが語られている。住民の意思が端的に示されているのだ。それゆえのカード取得義務化への踏み切りである。怒りはさらに燃え上がる。

11・6大結集で岸田倒せ

 医療崩壊が深刻化する現場から怒りが噴出し、全国の医療団体・医療労組は直ちに保険証廃止反対を表明した。マイナカードのICチップは5年ごとに更新が必要であり、紛失による再発行時は(1カ月かかるとされる)手続き完了まで受診は全額自己負担となる。医療情報とのひも付けは保険料負担に見合った給付に抑える「社会保障個人会計」制度導入の土台となる。「皆保険制度の基盤となる健康保険証を人質に取るようなやり方」への批判が噴出し、10・16都立病院独立行政法人化反対デモでもマイナ保険証反対のコールが沿道の共感を呼んだ。
 マイナンバーは徴税強化と社会保障費削減の議論から始まった。18年公表の総務省・自治体戦略2040構想はデジタル化とマイナカード活用、非正規職化と民営化による職員の半減を提言。「国の形を変える」戦争国家化・労組破壊と社会保障解体の大攻撃だ。
 しかしそれは怒りの先頭に立つ労働組合の闘いで粉砕できる。資本主義擁護の立場から連合・自治労本部はマイナンバー制度を推進してきた。しかし全国の労働組合はカード取得に対し当局から「強制ではない」という言質を引き出してきた。戦争動員を拒否する労働組合の闘いが戦争国家化を阻む。岸田打倒・階級的労働運動再生へ11・6労働者集会に大結集しよう。
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