焦点 中国共産党大会 侵略戦争に台湾軍事統一で対抗

週刊『前進』04頁(3267号03面03)(2022/10/31)


焦点
 中国共産党大会
 侵略戦争に台湾軍事統一で対抗


 10月16~22日、第20回中国共産党大会が北京で開かれた。直後に開催された中央委員会で習近平が異例の3期目の総書記継続となったほか、習に忠誠を誓う李強(上海市書記)などで固めた政治局常務委員(トップ7)が決定した。習近平の一強支配体制の確立と永久政権化とも言える3期目への突入、これまで以上に徹底的なスターリン主義強権支配体制の確立である。だがこの異様な独裁権力の継続・強化は、中国共産党の、世界革命の放棄と「一国社会主義」建設というスターリン主義としての本質と、その歴史的破産を如実に示すものにほかならない。

国際反戦闘争への敵対

 今大会は第一に、米中対立が非和解的に激化し、米帝による中国の体制的転覆・解体を狙った中国侵略戦争への突進がすでに始まっている中で開催された。
 米帝は2008年からの世界大恐慌突入下で自ら経済大国化させた中国が、米帝の世界支配を揺るがす存在に転化する中で、この中国を唯一最大の打倒対象とした新たな世界戦争へと踏み込んだ。それは最末期帝国主義の延命のための、世界市場と勢力圏の暴力的な再分割戦への突入であり、ウクライナ戦争もその一環として展開されてきた。とりわけこの夏以降のペロシ訪台、台湾政策法の上院外交委可決は、台湾の中国本土からの分離と米帝支配下への半植民地的な取り込みを露骨に狙い、台湾海峡をめぐる軍事的緊張を一気に高めた。
 この中で開かれた中国共産党大会は、米帝による政治的経済的、軍事的重圧のすさまじいエスカレーションに対して中国人民の立場に立って立ち向かおうとするものでは全くなかった。逆に、世界革命を投げ捨てて帝国主義との「共存」を求めるスターリン主義の反革命性と、その本質的な無力性、破産をさらけ出したのだ。
 習近平は政治報告で台湾統一は「必ず実現しなければならない」とし、そのために必要なら武力行使も辞さない、対米戦争に備え大軍拡も行うと宣言した。帝国主義の中国侵略戦争に対して、戦争阻止への決起を全世界の労働者階級人民に呼びかけてともに闘うのではなく、スターリン主義官僚支配体制防衛のための反人民的な軍事的対抗に拍車をかけたのである。これ自体が国際反戦闘争への裏切りであり、許すことはできない。

スターリン主義体制への労働者の反乱に恐怖

 大会は第二に、帝国主義経済とリンクした中国経済の高成長が終わりを迎え、経済的社会的な矛盾の大爆発が始まった中で開催された。不動産市場の低迷、地方財政の破綻、消費の縮小、ゼロコロナ政策=都市封鎖による人流・物流の停止が続き、青年の失業率は20%に迫っている。中国スターリン主義による支配の土台であった経済発展が完全に行き詰まったのだ。これは中国における「一国社会主義」建設の最後的な破産、とりわけ鄧小平以来の「改革・開放」路線の歴史的な破産である。
 習近平による強権支配の強化は戦争と経済危機の中から湧き起こる労働者人民の反乱を暴力的に抑え込むことが核心だ。だが中国人民の習近平体制打倒の革命的決起は不可避だ。すでに「封鎖はいらない、自由が欲しい」「独裁国賊の習近平を罷免せよ」の横断幕を掲げた決死の闘いが報じられている。この闘いと連帯し、日本での中国侵略戦争阻止、自国帝国主義打倒の闘いを強めよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加