焦点 日本共産党100年講演 「暴力革命」を否定し権力に屈服

週刊『前進』04頁(3268号03面03)(2022/11/07)


焦点
 日本共産党100年講演
 「暴力革命」を否定し権力に屈服


 日本共産党は今年7月に「創立100周年」を迎え、志位和夫委員長が9月17日に「記念講演」を行った。これは党史を語る形で、彼らの帝国主義への屈服を自己弁護するものであり、世界戦争の時代のスターリン主義党派として生き残るための反革命宣言である。
 今日、帝国主義の危機と中国侵略戦争が切迫し、労働者階級の反戦闘争が巻き起こりつつある。全ての勢力が帝国主義の侵略戦争に絶対反対で闘うかどうか、ふるいにかけられている。この時、日本共産党はウクライナ戦争では米帝の擁護者となり、国会では全会派とともにゼレンスキー演説に拍手を送り、中国侵略戦争の切迫の現実を語らず、むしろ帝国主義の戦争準備を擁護している。当然のごとくこの講演では現下のこうした世界史的な重大情勢については全く言及されない。

人民の実力闘争に敵対

 志位がこの講演で一番強調していることは、「日本共産党の綱領路線は、『暴力革命論』との徹底した闘い、否定の中で形成されてきた」ということである。志位は1950年分裂と武装闘争路線を「最大の悲劇的大事件」と総括する。共産党は、ここから二度と武装闘争をやらないと誓い55年「6全協」と58年7回大会で宮本顕治体制を確立し、議会主義路線の61年綱領に至るのだ。志位はこの過程を振り返り、「武装闘争方針の否定こそが61年綱領を確立する出発点だった」と強調する。
 これは国家権力への屈服の表明であり、労働者階級人民の実力闘争を一切認めないという反動的路線だ。現に60年安保闘争では日本共産党は6・15国会突入闘争を頂点とする全学連の実力闘争を非難し、東大生・樺美智子さんの警官による虐殺を擁護したのである。その後一貫して彼らは闘いのあるところで必ず闘争の抑圧者、圧殺者として現れ、革命的闘いに敵対してきた。70年闘争では、文字通り武装反革命として左翼的党派、大衆に襲いかかってきた。恨み骨髄の反革命である。
 志位は、61年綱領と60年代「党勢拡大」を日本共産党の事実上の原点と位置づけている。これは実は、わが革命的共産主義運動が50年代末に日本共産党と決別して誕生した(59年8月革共同全国委員会結成)ことと対をなしている。70年安保・沖縄闘争を主導した革共同、その後の闘いを反帝・反スターリン主義を貫いて闘いぬき、今日、階級的労働運動路線のもとに闘う革共同を、日本共産党は絶えず意識し、これに敵対して彼らの反革命路線を築いてきた。
 今日の国家は資本家階級の独裁国家であり、暴力を独占した支配階級を労働者階級が実力で打倒してプロレタリア独裁権力を打ち立てることだけが、階級を廃絶し社会主義を実現する道である。志位はそれを全否定しているのだ。

ペテン的な「共産主義」

 志位は「(日本共産党は)終局の目標として、社会主義・共産主義をめざす革命政党である」とか「支配勢力による(日本共産党への)攻撃は、わが党が革命政党であることの証し」だとか言って、あたかも自分たちが日本帝国主義国家権力と闘う革命勢力であるかのように振る舞っているが、彼らの「共産主義」とは労働者階級が革命によってかちとるものではなく、いつか到来する「永遠の彼岸」でしかない。こんなペテンを許さず、怒りも新たに日本共産党スターリニストを打倒しなければならない。
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