大坂裁判第7回公判 大坂正明同志は無実 「今まで会ったことない」 「殴打目撃」証人が完全否定

週刊『前進』04頁(3273号04面01)(2022/12/12)


大坂裁判第7回公判
 大坂正明同志は無実
 「今まで会ったことない」
 「殴打目撃」証人が完全否定


 12月2日に行われた大坂裁判(東京地裁刑事第4部、高橋康明裁判長)の第7回公判において、「大坂正明さんが機動隊員を殴打していた」ことを見たとされてきたAO証人が、法廷の場で「大坂さんを見ていない」「今日まで一度も会ったことはない」という決定的な証言を行った。
 AO証人は、沖縄返還協定批准阻止を掲げて闘われた1971年11・14渋谷闘争当時、高崎経済大学1年生で18歳。翌年2月2日に凶器準備集合、公務執行妨害などの容疑で逮捕され、同月21日に殺人罪で再逮捕された。AO証人自身は、殺人罪で起訴され懲役7年の刑を受け服役している。
 星野文昭同志の裁判では、自らの取り調べの時の供述を否定して、「星野さんは機動隊を殴打していない」と証言した。今回の証言では、検察側主尋問で大坂さんを現場で見たかどうか尋ねられ、「見ていません」と明確に断言した。
 検察官が作成した供述調書では、大坂さんについて①2日前に工学院大学で背の高いリーダー(写真で大坂さんと特定)を見た、②その男が、14日に中野駅や電車内で星野の隣にいて指揮をしていた、③神山派出所の先で星野、奥深山と一緒に走っている大坂を見た、④機動隊員が死亡した現場で奥深山と大坂が殴打していた、と供述したことになっているが、検察官の質問に対して、AO証人はいずれについても明確に「見ていない」と証言した。「過去の供述と本日の証言は違っているが、どちらが正しいか」という検事の尋問に対し、その都度、「今日の証言が正しい」とあいまいさなく証言した。
 検察官は「今日の法廷では、大坂本人がいるから、支援者が傍聴席にいるから、話せないのではないか」などと、言い逃れのための尋問を行ったが、AO証人は「それはない」と言下に否定した。
 午後は、弁護側の反対尋問が行われた。11・14闘争当時、AO証人は大坂さんに会ったこともなく、名前も知らなかったと明言した。大坂さんとは「今日の法廷で初めて会った」と証言したのだ。
 どうして大坂さんを見たと供述したのかを問われて、AO証人は「事件を反省して、知っていることを全部言わないといけないと思った。しかし、それだけでは反省したことにはならず、取調官の求めている内容の供述をしなければ終わらなかった」と述べ、「取り調べの中で記憶ではないことを言ってしまった。謝罪したいと思います」と真摯(しんし)に語った。
 そして、「検事も弁護士もなぜ記憶にないことを話したのか聞くけど、『取調室の中に入ってください』と言うしかない」と述べ、国家権力が全面的に支配する異常な空間での取り調べがいかに非人間的なものであるかを言外に告発した。
 前回公判のAR証人は、あくまでもでっち上げの供述を維持する態度をとったが、弁護側の反対尋問で、そのうそが全面的に暴かれた。今回は、AO証人本人が過去の供述、証言が全面的にうそであったことを自分から明らかにした。権力のでっち上げは明らかだ。大坂同志は直ちに解放されるべきだ。
 12月15日の裁判は、OT証人の健康上の理由で中止になった。次回12月20日は、デモ参加学生に対する尋問がビデオリンクで行われる。ビデオリンクは、防御権の侵害であり断じて許されない。
 大坂裁判は、圧倒的に勝利的に進められている。傍聴闘争を強め、大坂同志と一体で闘おう。
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