新段階に入った米階級闘争 戦時下の鉄道ストを禁圧 二大政党制突き破る闘いへ

週刊『前進』04頁(3274号02面04)(2022/12/19)


新段階に入った米階級闘争
 戦時下の鉄道ストを禁圧
 二大政党制突き破る闘いへ

(写真 ボストンを訪れたバイデンに対して鉄道労働者と支援者が抗議【12月2日】)

 9月に続いて12月9日に予定されていた全米鉄道ストに対し、バイデン政権がなりふり構わず禁止立法を強行した。しかし、闘いはここからだ。米階級闘争は二大政党制を突き破って、労働者階級の利害を貫く運動の創成に向けた新たな段階に突入した。

鉄道労組の闘いに恐怖したバイデン

 9月の全米鉄道ストはバイデン政権の強制仲裁によっていったん中止させられたが、鉄道12労組のうち鉄道労働者の6割以上を組織する4労組が12月9日に再びのストを設定した。
 しかし、この不屈の闘いに追い詰められたバイデンは11月28日、今回のストを禁止する立法措置を発表。スト禁止法案は30日に下院、12月1日に上院で可決されるという異例のスピードで通過した。
 アメリカではこの間、鉄道現場を中心に階級闘争の激変が始まっていた。「鉄道労働者に病休制度を」の声は米社会の圧倒的多数になっていった。他産業の労働組合も鉄道労組に連帯し、多くの都市で地域ぐるみの闘争が実現した。
 一方で米下院は12月8日、2023会計年度の軍事費の大枠を決める国防権限法案を可決。軍事費は過去最高の約8580億㌦に達した。ここには、台湾に対して今後5年間で総額100億㌦規模の軍事支援を行うことも盛り込まれた。
 こうしたウクライナ戦争・中国侵略戦争情勢の中で闘われる全米鉄道ストが労働者階級人民全体を獲得するものになれば、戦争を革命に転化する巨大な展望が開かれる。だからこそ、米帝は全力を挙げてスト圧殺へ動いたのだ。
 アメリカの鉄道労働者数は、1人乗務化などで2018~22年に30%も削減されてきた。労働者は、24時間365日のうち9割の時間、電話があれば睡眠中でも自分や家族が急病でも、90分以内に出勤しなければ解雇を含む処分の対象となる。諸労組は団体交渉で「15日間の有給病休制度」を要求したが、バイデンは9月、7日間の病休さえ認めない協約案を提示した。

スト準備を通じて労組の枠こえ団結

 アメリカの鉄道資本は1990年代からPSR方式(精密スケジュール鉄道輸送)を拡大。トヨタをモデルに車両、資材、操車場などを「在庫」に見立てて極少化し、迂回(うかい)路確保もゼロ化するものだ。小さな故障や事故、自然災害などの際の運休期間は長くなる一方、鉄道会社は荷主の窮状に乗じて運賃を値上げできる方式だ。
 だからこそ、ランク&ファイル(現場労働者)の活動家集団である鉄道労働者統一委員会(RWU)は、鉄道労働者だけでなく労働者階級人民全体の利害のための闘いに勝利する展望を語って組織化を進めた。
 一方、労働運動の既成指導部は「民主党=労働者の味方」論を唱え、バイデンの案を組合員にのませようとした。こうした労組官僚と現場活動家との組織攻防の中で、12月の再度のスト態勢が構築されていった。
 今回、直接にはストに入らない8組合の現場組合員も含め、職場では全職種・全労組の労働者が一緒になってスト準備会議を開いた。1世紀以上続いてきた職能ごとの分断が乗り越えられたのだ。労働者たちは共にストライキ本部を設置し、各ゲートにピケット隊長・要員を配置し、電話センターを設置し、ストの予行演習をしていった。

資本家の政府倒す労働者党の建設へ

 今回のスト禁止立法は、「新たな案を作る余裕はない」として、9月にバイデンが提示した労働協約案をそのまま強制的に執行するというものだ。民主党「進歩派」の下院議員も左派のポーズを投げ捨て、バイデンの立法に賛成投票した。上院での「進歩派」による「7日間の病休制度導入」の法律案提出もアリバイ作りにすぎない。慣行上必要な5分の3以上の賛成票を確保できる可能性がないことは明らかだったのだ。
 現場の鉄道労働者は、怒りのエネルギーを鉄道資本との闘いの強化、ブルジョア2大政党に代わる労働者党の建設に向けようと呼びかけている。米帝足下でのこの闘いは必ず、ウクライナ戦争を終わらせ中国侵略戦争を阻止する巨大な力を生み出す。連帯し闘おう!
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