団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3274号04面04)(2022/12/19)


団結ひろば 投稿コーナー

(写真 「農地強奪を許さない」強制収用が狙われている市東さんの南台農地でシュプレヒコール【12月11日 成田市天神峰】)

市東さんの農地死守へ 

実力闘争こそ戦争止める道
 全学連副委員長 神野豊典

 今回、空港や国の狙っている強制収用を体を張って止める24時間監視に参加した。法的には強制執行がいつでも可能であるというのに、素朴に淡々と農業を営む市東孝雄さんの姿に何よりも心動かされた。
 社会を変えるため、戦争を止めるために何でもするべきだというのはもちろんだが、根本に権力と非妥協で闘いぬく覚悟とそれをどこまでも支援する陣形があってこそ、半世紀にもわたって戦争を止めた力が生まれたのだと実感した。市東さんの姿からはむしろ長年の闘いによって血肉化された反権力の意志を感じとり、参加したこちらが勇気づけられる結果になった。
 現在、他人を蹴落として生きることが賢いのだという新自由主義イデオロギー、戦争もやむなしという空気感が急速に広がりつつある。運動に対する弾圧も強まっているが、団結の力によって半世紀も国策を跳ね返してきた三里塚の闘いを見習い、実力阻止の中にしか戦争を止める道はないということを示したい。
 「実力闘争なんて支持されない」と吐き捨てて三里塚から逃亡していったあらゆる「左派」勢力が現在どうなっているか。戦争反対の声を上げないどころか、保身のために国や右翼にすり寄るありさまだ。
 だがそうするほど戦争の危機は増大していく。それに反比例して、本当に戦争を止める力はどこにあるのかが問われるなかで、三里塚の精神が再び巨大な大衆的決起をつくりだすときが必ず来るし、つくりださなければならないと感じた。
 反戦を掲げる学生は最後まで三里塚と共にある。

星野さんが眠る天神峰守る
 首都圏学生 A

 11月末から12月初旬にかけて、1週間ほど三里塚に滞在して泊まり込みを闘いました。現地は大変な賑わいです。天神峰現地には毎日新しい人がやってきて、数日泊まれる人も日帰りの人も、関東から来た人もより遠くから来た人も、学生も労働者も、みな同じ「農地絶対死守、軍事空港粉砕」の思いで闘っていました。
 国策であるがゆえの、国と空港会社のやり方の不正義性、対照的に市東さんと支援者たちの圧倒的な正義性が、社会の隅々からの共感と支持を集めているのです。決戦情勢にあって、現地の賑わいでそれを肌で感じました。
 座り込み中に、車で通りかかった人が車を停めて降りて手を振って「応援してます!」と言ってくださいました。拡張計画で立ち退きを求められている住民を含め、地域に根付く支持の声も大きくあります。援農では、私はほうれん草を収穫したり玉ねぎを植えたりしました。自分の手で植えた玉ねぎが、育って食べ物になるのが待ち遠しいという気持ちになります。
 また、天神峰の市東さんの畑には星野文昭さんが分骨されています。獄中44年間非転向を貫き革命をめざし仲間を鼓舞してきた星野さんの生き方は、国に殺されてなお今でも私たちを指導し続けています。星野さんの眠る天神峰を絶対に空港会社に取らせない!
 私はいったん都内に戻ってきましたが、年内にまた三里塚に行きます。全国学生は三里塚に集まろう! 私も新しい人を連れて行くように頑張ります。

平常通り畑に行く市東さん
 東京・派遣労働者 T

 12月3日に三里塚の座り込みに参加しました。私は三里塚に行くのが初めてで、自然豊かな土地に近代的で大規模な空港があり、不必要なフェンスで覆われている光景に違和感を持ちました。
 始めに全学連の方に、市東さんの畑や作業場、ビニールハウス、離れを案内していただきました。全学連や動労千葉など沢山の方のメッセージで壁が埋め尽くされていました。
 星野さんのお墓にも手を合わせました。改めて、この場所を強制執行などさせてはならないと私も感じました。やぐらにも登りましたが、市東さんは成田空港のど真ん中で日々闘っていることが伝わってきました。飛行機が間近で、騒音もひどかったです。飛行機は朝の6時から夜22時ごろまで飛ぶそうです!
 南台の広々とした畑で、大根やほうれん草、キャベツや白菜などの約20種類の野菜が有機農業でのびのびと育てられていました。無農薬なので野菜と雑草が共生している光景にはとてもビックリしました! この南台の畑の約半分も強制執行の対象とされていると知り、怒りが湧いて来ました。家だけ残されても、これでは生きていけません!
 私は農業のことはよく分かりませんが、土が大事なのは福島の原発事故の話でも聞きますし、市東さんが丹精込めて作った野菜を消費者に届けていることは畑から伝わってきます。農業を営む方の誇りや生業を、国策のために奪うなんて到底許せないと感じました。
 この緊急時に、市東さんが平常通り仕事に行く姿を見て、すごみを感じました。座り込みや泊まり込みをする仲間との信頼関係も感じました。座り込みでは、和やかな中にも緊張感がありました。そして、とても寒かったです。
 11月27日から10日間泊まり込みをしていた学生もいて、夜はさらに冷えると思います。ホカロンなどの差し入れや、紅茶のティーパックや粉末ココアなど、カンパも必要だと感じます。仲間から書いていただいた署名はとても喜ばれました。また参加したいです。

農地を軍事空港にさせない
 全学連 福田 薫

 三里塚の座り込みに参加し、援農と現地調査も行ってきた。
 現地調査では東峰十字路や岩山記念館などのこれまでの闘いの跡や、収用対象の天神峰農地一帯と南台農地を訪れた。そこでは半世紀以上にわたる三里塚闘争の歴史の重みを感じた。空港公団・会社と国家権力に対して労・農・学が連帯して闘い、今日まで空港の完成を阻んでいるということの偉大さ。不屈に闘ってきたからこそ、国家権力は必死になって潰そうとしている。三里塚こそ沖縄と並ぶ国家権力との闘い、反戦運動、階級闘争の焦点であり、まさに「平和の民の拠(よ)るところ」だ。
 畑には市東孝雄さんらが親子3代にわたって手塩にかけて耕してきた土が広がり、多種多様な野菜が育てられていた。私はらっきょうの草取りをした。農作業は楽ではないが、コンクリートの上で過ごす日々にはない解放感があった。大地と交わりながら作物を生産するという太古からの人間の営みが、燃料やタイヤのゴムの焼けるにおいのする滑走路の真横で続けられている。その農地を人間の生活とは全く相いれない軍事空港の土地にすることなど許されない。
 私という一人の人間は微力な存在だ。しかし、仲間とともに座り込みや援農に参加する中で、自分たちの団結が農地を守り戦争を止める力になっているという実感をつかめた。
 今回は短期間だけだったが、可能な限り時間を作って再び泊まりに行くつもりだ。周りの学生にも三里塚で起きていることを伝え、共に農地強奪阻止の闘いに決起したい。現地での闘いを通して労働者・学生・農民の力と実力闘争の可能性を感じてほしい。

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