新年労働者座談会

週刊『前進』05頁(3275号02面02)(2023/01/01)


新年労働者座談会

(写真 22年5月22日、改憲・戦争阻止!大行進が主催し東京都内で闘われた日米首脳会談粉砕闘争で、全学連と共に青年労働者がスクラムデモを貫徹)

(写真 東京・日比谷での11・6労働者集会。関西生コン支部弾圧など戦時下の労組破壊と対決し、闘う労働運動を再生して侵略戦争を阻む決意を固めた)

労働運動を甦らせ中国侵略戦争阻む 労働者階級を根こそぎ組織する

出席者
鉄尾竜二さん  JR
小林啓史郎さん 郵政
志川隆一さん  自治体
滝 幸恵さん  教育
速水亜希さん  医療・福祉
楠山直行さん  金属

反戦闘争で激動情勢を切り開く

 ウクライナ戦争が始まり中国侵略戦争が迫った22年、安倍国葬粉砕などの反戦闘争は情勢を切り裂き、11・6労働者集会は階級的労働運動を甦(よみがえ)らせ戦争を阻止する展望を示した。その先頭に立った労働者同志に、闘いの課題と23年の決意を語っていただいた。(編集局)
 ----22年、反戦闘争を軸に闘ってつかんだ手応えはどうでしたか。
 速水 22年は5月の沖縄闘争と日米首脳会談・クアッド首脳会合粉砕闘争、8月ヒロシマ、9月国葬粉砕闘争から11月労働者集会に上りつめていった。1年すべてが反戦闘争。そうでなければ職場闘争も前進しないし、毎回毎回の闘いで自分が問われ、つかんだものも大きかった。
 楠山 5月反戦闘争を実力闘争として闘う決断がなかったら、後はいかなかった。あのときはスクラムデモが必要と自分も思った。中国侵略戦争のための戦争会議にコールだけのデモでいいのか。結構シビアな問題でしたが、革共同8回大会があったから、党自身を変革しなければいけないという真剣な議論ができた。
 鉄尾 5月の反戦闘争を闘いぬいて動労千葉は6月の定期委員会で新・戦争協力拒否宣言を出しました。動労千葉の心意気を示す大事な取り組みで、またピンと背筋が伸びた。これを絶対貫徹すると強く決意し直しました。国葬反対闘争で感じたのは、労働者の中にある深い怒り。非正規職の問題とか生活苦とか。その怒りの先頭で闘ったことは大きかった。特に全学連や青年たちの実力闘争は、階級闘争を甦らせる大きな力になると思いました。
 滝 この闘いができたのは、2022年の「前進」新年号論文で中国侵略戦争の切迫をきちっと措定して、反帝・反スターリン主義の綱領に立ちきって現代世界をとらえたから。それがなかったらウクライナ戦争も正しくとらえられなかった。
 楠山 中国侵略戦争という規定がベースにあり、その関係でウクライナ戦争を見る。ウクライナ戦争を単独で見ず、みんな、自分で考えた。
 鉄尾 11月集会に向けて2月に出した呼びかけ3労組の共同アピールで、労働者の国際連帯で東アジアでの戦争を絶対に止めようと訴えた。韓国・民主労総との連帯もそこが核心です。その決意が根底にあるからきちんとした路線と方針が出せた。ウクライナ戦争も、アメリカが台湾海峡をめぐり中国と激突する前にロシアをたたくということだった。
 楠山 党から方針が出されるのを待つのではなく、自ら考え闘っていくのが8回大会のあり方。実践的な方針を自分自身がつくるんです。

労組の中で反戦を貫く

 ----労働組合の中で戦争反対の議論をどう組織しましたか
 滝 ウクライナ戦争が始まってすぐに組合員と戦争について議論しました。最初はいったんシーンとなったけれど、議論が始まるといろんな意見が出る。「戦争反対が大事なのはわかるけど、こんなにみんながくたくたになっている現場で、戦争反対を言っても聞いてくれませんよ」という声も出た。議論の過程ですんなり一致といかないときこそ路線的団結をつくるチャンスです。議論を通じてお互いに本質をつかみ取り、時代認識と路線で一致することに挑み続けないといけない。日教組本部の転向・屈服の中で「教え子を再び戦場に送らない」誓いが絵空事になっている今、過酷な教育現場の現状を職場から打ち返してきた組合が、目の前で始まった戦争と身をそらさず闘えるかどうか。それがかかった議論でした。教室で「プーチンは許せない。ロシア人はだめだ」という子に対して「戦争に反対しているロシアの人もいるんだよ」と返して排外主義と対決した組合員は「戦争反対が絶対必要」と声を上げました。「戦争に動員されるのはいつも労働者だから労働組合が戦争に反対するのは当たり前だと思う。組合として反戦闘争に立つべき」という発言が議論を活性化させた。一方で「今こそ平和教育が大事」という意見に「教育実践で現に始まった戦争と闘えるのか」と討論にもなりました。
 労働組合として正面から議論すると決断し、何度も議論を重ねたことが重要でした。「この戦争は誰が何のために起こしたのか、労働組合としてどういう見解を持ち行動するのか」という議論なしに職場闘争もないし組合員の団結も成立しない。逆にこの議論で一致できれば必ず組合員は反戦闘争に立ち上がるし、反戦闘争基軸の階級的労働運動を前進させることができるとつかめました。
 速水 11月に向かう過程で組織拡大を実現しました。その過程で「戦争反対と言わないと労組に入れないんですか」って言う労働者がいた。「いや、戦争反対と言わなくても入れる組合だけど、職場での新自由主義攻撃は戦争に突き進むための攻撃だから、労働組合として戦争に反対なんだ」とやんわり言った。だけどそれだけでは納得いかないって感じで。そこで先輩の組合役員が「労働組合は戦争に反対するものなんだ」って断固言い切ったら、はい、そうですかみたいになって。組合員を信頼するからこそ路線を曲げずに戦争反対とストレートに言い切るかどうかが問われました。
 ----11月労働者集会に向けた職場の組織化について聞かせて下さい。
 速水 11・6労働者集会は戦争を本当に止めるという労働者・労働組合の結集軸になる非常に集中した集会でした。苦闘だけじゃなく、元気の出る、解放感がある集会でした。
 鉄尾 11月集会は、あきらめないで闘う仲間がこんなにいると確信できる場になりました。3年ぶりに海外からも参加した。韓国の民主労総は、小なりといえど日本に闘う労働組合があり、困難な中で闘い続けていることに信頼を寄せている。それに応える闘いを23年はつくりたい。
 速水 今回は絶対に新しい人を組合員にして一緒に11月集会に行くんだと決めて臨んだ。21年の年末に解雇通知撤回闘争をやって、すごい闘いになって闘争は勝利したけれど当該もその後職場を辞めてしまう。こんなに闘ってもなかなか組合員が増えない。この新自由主義崩壊と戦争情勢で組合員を増やせなかったら終わりだぐらいの気持ちでオルグに踏み込んだ。そうしたら、この1年間の闘いを見ていた労働者が結集してきた。増やすだけでなく、3労組陣形のもとに医療福祉産別の階級的労働運動の潮流をつくり出したい。
 志川 戦時下の11月集会への国境を越えた結集がそのまま戦争を止める力になる。街頭で国葬反対デモを逮捕覚悟で闘った青年は職場で体制内執行部に反対して決起した。うちの組合大会では、会計年度任用職員制度に反対し解雇と闘えという代議員発言に対し、組合本部は答弁もしない。マイナンバーについて「戦争のための国民総背番号制には反対だ」と答弁したのに、後日の会議で「マイナンバー制度反対ではない」と答弁を翻した。他の自治体労組では闘う方針を提起した仲間の発言を組合機関紙から削除したという話も聞いたが、自治労・自治労連本部の立場は本質的に連合・芳野と同じ。現場の絶対反対の闘いで、どんどん彼らの化けの皮がはがれていく。
 楠山 うちは11月集会を党のメンバーをつくる闘いとしてやってきた。11月集会にオルグして、来た人と「前進」読み合わせのフラクションをし、メンバーをつくってきた。11月集会への結集運動の中で組合権力もとった。22年は青年の決起が重要だった。その青年は反戦闘争を闘う中で組合の青年部長を担うと決断した。そして、さらに若い青年を11月集会にオルグした。オルグされた青年は当日、コロナで来られなかったけれど、後で「前進チャンネル」で集会の様子を見せたら「すごい。こんなに集まっているんですか」って感動した。11月集会は青年を獲得できる。こういう青年たちは反戦闘争があったから出てきた。普通に職場課題をやって、それで青年が決起してくることはなかったと思う。
 速水 確かにそうですね。
 楠山 22春闘で、会社は「過去最大の赤字になり債務超過に陥る」と言ってきた。会社の危機だと言われて、執行部は反撃できず一時金は過去最低となった。春闘の敗北だ。このままでは資本と闘えなくなると思った。それを挽回(ばんかい)するには反戦闘争が必要だった。国家権力と対決する思想をつくり上げなければ資本にも勝てない。フラクで「前進」新年号や第29回全国委員会総会の学習をし、動労千葉の故・中野洋顧問の『甦る労働組合』の学習もした。そして組合の定期大会で反戦決議を上げ、反戦闘争を闘って11月集会への組織戦を展開した。その力があったから、11月の年末一時金闘争で赤字を振りかざす資本の攻撃を押し返した。春闘の後退を敗北と総括するのは結構大変だったが、そうしなければ前に進めなかった。反戦闘争で乗り越えたと言える。

戦時の国家改造と対決

 ----中国侵略戦争がますます切迫する情勢をどうとらえますか。
 鉄尾 南西諸島のミサイル基地化とか、とんでもないことがされています。警鐘乱打がまだ全然足りないけれど、気づけばみんな決起する。敵の弱点は、戦前と違って労働者の同意を得られていないこと。昔は強制もあったけれど、労働者が積極的に戦争に同意し先兵になっていった。今、敵にはそうする力がない。その中で岸田は、中国との戦争に間に合わせようとなりふり構わず国家改造をしています。その一つにローカル線の廃止がある。私たちが問題にし、これを戦争に向けた国家大改造だととらえたことが重要でした。鉄道による軍事輸送についても、黙っていていいのかと、労働者の心に響く訴えをしなければいけない。鉄道コンテナで装甲車などをむき出しの形で運ぶのは、労働者をあきらめさせるため。労働者が反対の意思を示すことが絶対に必要です。
 志川 私の職場では会計年度任用職員への解雇攻撃が始まっている。当該は「もうこんな職場はいたくない」と言っていたけれど、「戦時下の自治体労働運動つぶしの解雇に対する闘いは戦争を止める闘いだ」という議論の中で「みんなのために闘う」と腹を固めてくれた。彼は長らく子育ての相談員の仕事をしてきたけれど、その業務が大きく変わろうとしている。相談業務は子どもやその親との人間関係が大事なのに、政府は子ども家庭庁のもとでの「プッシュ型支援」を打ち出した。これは医療・教育・保育のデータを一元化し、虐待を予測し介入するということ。虐待の根源の貧困・強労働は放置して、新たな差別と分断をあおるものにしかならない。戦時への国の転換の中で起きた非正規職の解雇阻止闘争は、社会変革の闘いです。
 滝 この時代に階級的労働運動を甦らせれば市民も地域から立ち上がる。動労西日本が10月に広島の三次でやった集会も、地域に衝撃が走り、JR職場から動労西日本への期待と団結を求める声が現れた。
 鉄尾 動労千葉の久留里線廃止反対の12・4集会も大成功しました。やるべきことが明確になった。闘いの主体は地元で生活している人たちです。その人たちが一揆のようにみんな出てきた。こういうコミュニティとコミュニケーションを無数につくることが大切です。木更津支部の総決起も重要でした。地域とともに労働組合があるべきだという意地を示し、集会を根っこで支えた。拠点職場があれば地域とつながれます。

連合はもう死んでいる

 速水 そういう闘いが求められているのに、連合はもう死んでいる。
 楠山 連合には23春闘なんかやる気はない。5%賃上げなんて企業の業績からして無理だともう言っている。これが連合。芳野会長の出身単組のJUKI労組は、会社に屈服して春闘も秋闘もまともに闘えていない。あの思想だと労働運動なんか全然できない。組合が崩壊する。時代認識と路線を持つ党がなければ労働運動はできない。反戦闘争を闘わなければ労働運動はできない。「資本の危機だから協力しろ。国家の危機だから協力しろ」に対抗するためには、かなりイデオロギッシュな思想がいる。しかも今は戦時下だから。
 小林 JP労組新聞には「ロシアの軍事侵攻に苦しむウクライナ郵便労組の仲間を支援する取り組みをしている」と書いてある。ロシアと戦うウクライナの労組の支援を今後も続けるということです。戦争反対とは一言も言わない。JP労組は職場集会もやらない。民営化された郵政の職場は矛盾だらけ。郵政資本の攻撃はもうけがないからやられているし、3万5千人削減は人件費削減が目的です。これにおかしいと言わないJP労組は腐り果てている。そうみんな思っています。JP労組の中央本部を打倒して労働組合を甦らせることが一番の課題です。

万の部隊を動かす党に

踏み出せば怖くはない 小林
労働者はやる時はやる 鉄尾
闘いにこそ生きる希望 楠山

----階級的労働運動の再生へ、問われている課題は何でしょうか。
 滝 ウクライナ戦争に対する日教組本部の方針は「ロシア弾劾」と「ウクライナカンパ」だけ。激化する中国侵略戦争については一言も言わない。先日、組合本部の会議があり、日教組こそ中国侵略戦争に向けた一切の攻撃と先頭に立ち闘うべきだ、私たちは闘わない日教組本部に成り代わり、戦争のための国葬に絶対反対で街頭に打って出て闘った、今こそ日教組が中国侵略戦争絶反対の先頭に立つときだ、と訴えた。会議に参加していた他地区の組合員からこれに賛同の声が上がり、過半の参加者が本部のあり方に疑問を呈した。激化する戦争情勢への危機感が現場組合員の中にあり、これと「教え子を再び戦場に送らない」闘いの実践を通した訴えが、集まった組合員に響き、これまでにない意思が示されたのだと思う。闘いの旗がしっかり掲げられれば必ず教育労働者は立ち上がることが示されました。
 速水 日米会談・クアッド会合粉砕闘争の時から、私たちは万の部隊を動かす組織にならなければいけないと感じていた。これをつくるには職場で組合を組織するしかない。
 滝 民主労総は職場、産別から根こそぎ組織しているからロウソク革命もできた。私たちはその核心部隊をつくり、巨万を組織する力を持つ手前にいる。22年は間違いなくさらに一歩そこに近づきました。
 ----新自由主義の崩壊と戦争で労働者の意識も大きく動いています。
 小林 自分は6年前に、人事異動の内示が出されて、局長の前で拒否しますと言った。郵政始まって以来、誰もしたことがないことをした。今、闘わなければ労働組合が完全にだめになると思った。誰かがやらなければいけないという思いが一歩踏み出す原点になった。JP労組が何もしないことへの怒りもあった。当時、私は支部役員で、支部外への転勤はどう考えても不当労働行為。なのに拒否通告した次の日から、JP労組はそっぽを向いて、私と付き合うなと言う。転勤先でも危ないやつだと言われて。でも、それがどうした、ですよね。私は1対1000でも1対10万でも怖くない。
 速水 それくらいでないとね。当局には闘う労組が本当に怖い。21年の解雇通知撤回闘争のとき、資本が「能力不足だ」という「解雇理由証明書」を出してきたのに対し、試用期間でもすでに労働契約が結ばれていて違法解雇だ、パワハラ追い出しだと毎日現場でアジっていたら、他の職場から「教育能力のない管理者こそ解雇されるべきだ」と声が上がり、団交に非組合員の労働者も参加して圧倒した。現場の怒りが資本との力関係を変えた瞬間でした。でも、うちらは闘っているから展望があるけど、労働者は自殺するしかないような状況に追い込まれている。
 楠山 解雇されて自殺する人はいっぱいいるけれど、解雇撤回闘争をやって自殺した人はいないんです。闘うことが生きること。世の中に闘う組織がなく、闘いが奪われているから死を選ばざるを得ない。
 速水 介護保険制度の破産によって介護現場はすさまじい労働強化になっていて、加算をとって金もうけするために多忙化させ機械的に食事介助させる。「それは嫌だ。けれど自分は仕事に時間がかかるから、できない人間だと思われている」って言う労働者に、「ちゃんとした介護をすれば当然、時間がかかる。資本はそれを労働生産性がないと見るけれど、医療介護は資本の金もうけの道具でなく社会保障だ。誇りをもって仕事をしていいんだよ」って言うと、すごくうれしい顔になる。労働者は自分が主人公だと思えると、見ている世界が全然変わる。
 楠山 その希望をつくるのが党なんです。職場でも、社会主義社会とはどういうものかと聞かれます。資本主義では社長に対して労働者が責任を取らされる。でも労働組合は執行部が組合員に対して責任を取る。みんな会社組織やスターリン主義を見て、トップに対して責任を取らされるあり方を当然のように思っているけれど、そうじゃない。労働組合は組合員がすべてを決める。執行委員会に執行権はあるけれど決定権は大会にある。執行部はその決定の執行機関に過ぎない。この労働組合の中に新しい社会のあり方があると説明すると、それならいいなとなる。このコミューン的なあり方が新しい社会をつくるんだと話すんです。
 鉄尾 JRの新たな大合理化が始まり、動労千葉への攻撃の重圧の中で、どう闘いをつくっていくか、四苦八苦しています。でも組合員は開き直って明るく闘っていて、それに励まされる。重圧を感じるのは自分が勘違いしているだけだっていうことが結構ある。労働者はやるときはやると確信すれば職場は結構面白い。「競争社会はもうやめよう。団結し助け合って生きていこう、その力は労働者にある」とあっけらかんと訴えればいいのかなと思います。

青年・学生の党つくる

組合員を党員にしたい 速水
解雇と闘い団結つくる 志川
組合員が革命望む時代 滝

 ----この時代に革命党に求められていることは何でしょうか。
 滝 戦争を絶対に止めるためには産別を超えた労働者の階級としての団結が必要だ、戦争反対とは戦争を必然とする資本主義をひっくり返すことだ。これが11月集会の高さです。11月集会に参加した組合員は、集会に行く前は「労働組合が強くなければだめですよね。資本家のやりたい放題ですもんね」「でも、社会主義はちょっと違うと思うんです」って言っていた。ところが11月集会の感想を聞いたら「敵の理不尽は仲間の団結を強め、その先に労働者中心の社会が来ると思う」って返ってきた。どうしようもない職場の現実、何より戦争だけは許せないという怒りから始まり、労働者が主体になってこの世の中を変えられるという展望を体感できるのが11月集会です。この確信をつかめば、自分が闘うだけでなく「あなたも一緒に闘おう」と呼びかけ職場を組織することが始まります。23年はそういう団結を一気に拡大することに挑みたい。
 速水 楠山さんはよく組合員を党にしていくと言いますよね。今までは全然わからなかったけど、22年の闘いでよくわかった。やはり組合員を党員にしたいって思うもん。今まではとりあえず組合員を増やせばいいと思っていたけど、22年は階級的労働運動を闘う中で党をつくると転換できた。そのためには地区党でも細胞でも路線で一致して闘わなければならない。一致したって言ってもずれていたりする。一人でやるのは簡単だけれど、みんなでやるというのは団結をつくることですよね。
 楠山 自分が全部やろうとしたらだめ。この時代にはみんなが動くつもりでいるから。

マルクス主義で武装し

 小林 そのためには自分が人の2倍、3倍勉強しなければいけない。
 速水 勉強は苦手な私が22年はマルクス主義の学習会をした。勉強しなきゃって思うようになって。勉強してから職場や情勢をとらえると、さらに攻撃の本質が見えてくる。
 楠山 勉強って闘うためにやると楽しい。速水さんは闘っているから勉強したいと欲したんです。
 速水 欲した欲した。自分が理論をつかんで闘わなければ、戦時下で社会保障も根こそぎ奪われる情勢の中では闘えないし、組合員も組織できない。『帝国主義論』を読んだら、新自由主義の崩壊が戦争に転化する構造もわかるようになった。

革命の展望つかむ年に

 ----23年の決意をお願いします。
 鉄尾 22年の成果は、かめばかむほど味が出るものでした。23年は1年かけて人との出会い、仲間との出会いをつくっていく。大切なのは相手の話を聞くこと、相手から話を引き出すことです。23年は国際連帯もさらに花開く中で、労働者がどう革命に向かっていくかが問われる。一番大事なのは拠点職場と職場細胞・地区党を一体的に建設すること。世界中で決起する労働者とわれわれは別ではないと確信して闘いたい。
 志川 会計年度任用職員の仲間の解雇阻止・撤回の闘いを、新たに結集し始めた仲間たちと一緒にやりぬきたい。労組として交渉する枠組みはなくても、実力で抗議し、その力で組合本部を突き上げる。今まで非正規職労働者を組織してもなかなかうまくいかないことの連続でした。しかし今、全労働者の利害を背負って非正規職労働者が決起しようとしている。正規労働者、組合員本体が自らの闘いとしてそれに応えて闘うことが勝負。必ずできる。自治体を戦争のためにつくり変える攻撃が激化しています。国は支配に組み敷く対象としてしか自治体労働者を見ていない。しかし、自治体労働者に住民の全矛盾が集中している。保育士の虐待が問題にされていますが、本質は人員不足と多忙化。なのに保育士の確保には予算を使わず軍事費倍増。こうしたことへの根源的な怒りが湧き上がってくる情勢です。
 小林 労働者の中には、先が見えないことからくる不安がある。不安は放っておくと無関心になり、戦争に動員される。民営化以降、職場で無関心の人が増えているから、私は職場でのビラまき宣伝行動を続けてきた。効果は出ている。今回、11月集会に興味をもつ人がやっと出てきて、チケットを買ってくれた。自分のしてきたことをみんなは見ていた。自分のような活動家を増やしたい。そうすれば職場も地区も変わる。自ら考え、知恵と勇気を出して希望を見出すことが大事です。
 滝 戦争の本質を反帝・反スターリン主義の視点から大衆的に明らかにし、職場闘争と一体で反戦闘争を爆発させれば、職場、産別に階級的労働運動の新たな拠点を次々打ち立てられる情勢です。そこから膨大な革命的労働者が生み出され、労働者が労働組合運動を通して自ら革命を求めるようになる。情勢をそう主体的に認識することが決定的です。コロナ下の2、3年、私たちは医療福祉を先頭に全産別ですごい決起をつくってきた。帝国主義戦争が始まったこのときのために革共同はあったし、激しい実践と議論を繰り返して反戦闘争を基軸とした階級的労働運動路線を確立してきた。23年、全国の同志たちとともに確信をもってこの道を進みたいと思います。
 速水 22年は自分たちの闘いで組織を拡大できる確信をつかみました。23年は労働者にこそ社会を動かす力があることが本当に実証される年になると思う。だからもっと組織化し、革共同を大きくして、プロレタリア世界革命に向かっていく。民主労総みたいに万の規模で労働者を動かす気位がないと、労働運動にも革命運動にも責任はとれない。革命の準備ってそういうことですよね。
 楠山 22年、学生戦線を先頭に実力闘争を復権させた。それが学生の隊列を増やしている。もっと増えれば確実に階級を動かす。学生が決起すれば青年労働者も絶対に決起する。学生が立ち、青年労働者は学生があれだけ闘っているんだからわれわれも闘うんだと立ち上がる。その時代が23年です。青年・学生の党はつくれる。そこに杉並区議選や高槻市議選も位置づける。階級的労働運動を甦らせ、広島G7サミット(主要7カ国首脳会議)を粉砕し、中国侵略戦争を絶対に阻止してプロレタリア世界革命へ。頑張りましょう。

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