2・12国鉄集会に結集を 裏切り深め大崩壊する連合 階級的団結甦らせ23春闘へ

週刊『前進』04頁(3279号02面02)(2023/01/30)


2・12国鉄集会に結集を
 裏切り深め大崩壊する連合
 階級的団結甦らせ23春闘へ


 国鉄闘争全国運動の2・12国鉄集会は「国鉄分割・民営化で不当解雇から36年 どないすんねん連合 甦(よみがえ)れ労働組合!とり戻そう団結!」を掲げて開かれる。連合は崩壊し、もはや死んだといっていい状態だ。23春闘勝利へ、階級的労働運動を甦らせる決定的な場として、2・12集会に集まろう。

インフレ率以下の実質賃下げ「要求」

 戦時下インフレはさらに激化し、労働者に襲い掛かっている。中国侵略戦争に突進する岸田政権は、大軍拡とそのための大増税を強行しつつある。23春闘は大幅賃上げを獲得して労働者人民の生存を守り抜き、戦争を絶対に阻止する決戦だ。この時に労働者の団結を解体し、その権利を資本に売り渡して、戦争を促進しているのが連合だ。
 23春闘は連合の崩壊を歴史に刻印するものになる。連合の賃上げ要求は「ベースアップ(ベア)3%程度、定期昇給分を含めて5%程度」というものだ。これでは物価上昇分にも満たない。昨年12月の全国消費者物価指数は前年同月比で4%上昇した。労働者の実感からすれば物価は2割も上がっている。ベア3%で賃上げ要求と言えるのか。
 経団連は各企業に「賃金引き上げに向けた積極的な対応」を呼びかけたと報道されている。だが、経団連の2023年版経営労働政策委員会報告は、連合が求める「5%程度の賃上げ」を、「2014年以降の賃金引上げ結果と比べて大きく乖離(かいり)している。……慎重な検討が望まれる」と拒否している。
 連合には、これに対抗する力も方針もない。1990年代半ば以降、春闘賃上げ率は高くて2%台、ほとんどの年はベアゼロか1%未満に抑え込まれた。日本の賃金は主要国中、最低だ。その現実をつくった元凶は連合だ。
 資本はこの機に一層の雇用流動化と成果主義賃金の徹底化に踏み込もうとしている。1月24日の経団連労使フォーラムで経団連会長の十倉雅和は、「長期勤続を前提とした制度・慣習」をやり玉に挙げ、「成長産業・分野への労働力の円滑な移動が労働生産性の向上に不可欠」と発言した。岸田も23日の施政方針演説で「リスキリング(学び直し)による成長分野への円滑な労働移動」と「日本型の職務給の確立」を「労働市場改革」の柱に打ち出した。それが「構造的な賃上げ」の前提だというのだ。連合はこれも容認した。
 連合の春闘方針は、「経済・社会の原動力となる『人への投資』をより一層積極的に行う」ことで「日本全体の生産性を引き上げ、成長と分配の好循環を持続的・安定的に回していく」というものだ。その視点は資本と同じだ。労働組合が「賃金は人への投資」と表明することは、「投資に見合った生産性向上に努めます」と資本に誓約することに他ならない。
 連合は「労働者の権利」という言葉を意識的に使わない。闘って労働者の生存を守る立場はそもそもない。だから連合は、最大の権利破壊である戦争にも反対しない。安保3文書の閣議決定に何一つ抗議せず、政府予算案については防衛費をまかなうための所得税増税に関して「精査を求める」と言うだけで、大軍拡自体は全面的に容認した。

国鉄分割・民営化に断下し連合倒せ

 1989年の連合結成は87年の国鉄分割・民営化なしにあり得なかった。国鉄分割・民営化は労働運動の主軸にいた国鉄労働運動を解体し、改憲と戦争国家化を推し進めるために行われた。その攻撃の尻馬に乗って、労資協調派は総評を解散に追い込み連合をつくった。彼らが労働組合の権力を握れたのは、資本や国家の力があったからだ。
 連合は一貫して「左右の全体主義を排する」という政治方針を掲げている。それは実際には、統一教会などの極右は容認しつつ、階級的労働運動を「左の全体主義」として排撃することを意味する。これにより労働者と資本家は対立する存在という労働運動の基本的な考え方は捨て去られた。
 連合をつくった労資協調派は、階級的労働運動の対抗物としてのみ存在意味があった。資本に対抗する本来の労働運動が力を失えば、資本にとって連合は無用なものになる。連合はまた、資本が生き残りをかけて強行する外注化・非正規職化や解雇自由化、成果主義賃金化を自ら推進した。資本の延命が連合の存在の大前提だからだ。だがそれは終身雇用制と年功賃金、企業内組合という連合自身の存立基盤も掘り崩した。
 今の連合幹部は、自分の力で労働者を右から組織して労組に君臨しているわけではない。階級的労働運動を目指して職場で労働者が立ち上がった瞬間、彼らはそれを押しつぶそうと必死になる。そのときにのみ彼らは「存在感」を発揮する。だが、その力は資本や当局、国家権力に依拠したものでしかない。
 連合は漂流し大崩壊している。そのことが「労組なき社会」や、形式的に労組はあっても労働運動がない現実を生む反動的な役割を果たしている。だが、安倍国葬に対する青年・学生を先頭にした実力決起は、国葬に会長・芳野友子を出席させた連合の本質を暴き、労働者人民が階級性を取り戻す突破口をこじ開けた。今国会をめぐる攻防を貫いて、これをさらに組織された力に練り上げよう。
 階級的労働運動再生の鍵は、連合結成の原点になった国鉄分割・民営化に断を下し、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への戦時型労組弾圧を粉砕することにある。23春闘勝利へ2・12国鉄集会に集まろう。
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