戦争国会下の23春闘ストを 一律大幅賃上げへ実力で闘おう

週刊『前進』04頁(3280号02面03)(2023/02/06)


戦争国会下の23春闘ストを
 一律大幅賃上げへ実力で闘おう


 戦争国会粉砕の決戦下で23春闘が始まった。岸田政権の中国侵略戦争への突進は、労働者に命と生活の全てを差し出せと迫る階級戦争だ。戦時下の物価高騰で困窮が急速に進んでいる。戦争を阻み、労働者の暮らしと未来を開くのは労働組合の実力の闘い次第だ。団結を固め一律大幅賃上げへストライキに立とう。

戦時下インフレぶっ飛ばそう

 恐るべき物価高騰の嵐が生活を直撃している。ウクライナ戦争に始まる資源・原材料費上昇と、資本救済のための「異次元の金融緩和」によるすさまじい円安の結果だ。春闘はこの戦時下のインフレをぶっ飛ばす死活的闘いとなった。
 2月1日付日経新聞は、12月に主要な食品60品目の6割が前年同月比5%超上昇、10品目が10%超だったと報じた。東京の標準世帯の1月ガス代は37%、電気代は45%上昇。SNSでは数万円から10万円以上に激増した請求書の写真とともに「電気代エグい」「節電したのに上がった」と訴える投稿が相次ぐ。さらに東北、北陸電力など5社が4月から、東京電力も6月からの大幅値上げを申請。物価上昇で増えた消費税負担額は年間約8千億円に上るという試算もある。公共料金アップと消費税負担額の増大は事実上の増税だ。
 もはや買い控えや節約ではしのげない。実質賃金下落の一方、企業収益は軒並み過去最高を更新。搾取強化と貧困の強制、戦争をも食い物に肥え太る資本主義の本性は極まった。

「賃上げ」を掲げ雇用・賃金破壊

 岸田は施政方針演説で、「歴史の転換点」「防衛力の抜本的強化」に続けて「構造的な賃上げ」を表明。経団連2023年版経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)についてマスコミは「賃上げは企業の社会的責務と初めて打ち出した」と持ち上げた。しかし内実は、大軍拡への突進と物価高騰が労働者の内乱に至ることに恐怖する岸田と資本の大ペテンだ。
 それどころか経労委報告は今春を「円滑な労働移動」を第一とする「(構造転換の)正念場かつ絶好の機会」と位置付けた。「自社型雇用システムの確立」によって「解雇自由」を柱とする雇用・賃金・労働破壊に踏み出すことを表明したのだ。岸田もまた「能力向上支援、(従来の年功賃金でなく評価制度による)日本型の職務給の確立、......円滑な労働移動を進めるという三位一体の労働市場改革」を「構造的な賃上げ」の結論とした。

円滑な労働移動で解雇自由狙う

 経労委報告は「硬直的とされるわが国の労働市場を円滑な労働移動に適した形へと作り上げるべく社会全体で取り組む」とし、政府に「雇用維持型」から、離職・転職など「労働移動推進型」への移行を求めた。
 これまでも経団連は労働者保護規制を解体し労組破壊に使える「解雇自由」の社会に変えることを画策。賃金引き下げと一体の総非正規職化を進めるとともに、職務がなくなれば自由に首を切れる「ジョブ型雇用」への転換を提唱してきた。今やIT不況が顕在化し、アマゾンやグーグルなど巨大企業による万単位の大量解雇が始まっている。日帝・資本もこれに身構え、続こうとしている。「円滑な労働移動」とは大量解雇のことだ。
 この雇用破壊は賃金・労働の破壊と一体だ。報告は「解雇無効時の金銭救済制度」など違法解雇の合法化とともに、「有期雇用労働者の処遇改善」「中小企業における賃上げ」などと言いながら、最低賃金制度の決定方式の見直し、産別の特定最賃の廃止の検討を求め、一層の「過労死」を生む労働時間規制解体や裁量労働の拡大も掲げた。
 すでに「ジョブ型」が導入された日立では一つの職務に6段階で200以上の区分を設定、これに「査定によるランク移動で降格・賃下げも」という声が上がり、富士通では「職位格下げで月1万5千円の賃下げだ」、NECで役割・責任の評価の不満も出るなど怒りが噴出している。

国と資本の手先連合を打ち倒せ

 1月20日、昨年の自殺者数が2万1584人で前年を577人上回り、中高年男性、失業者や年金生活者を中心に増えていることが厚生労働省から速報値として公表された。物価高騰下の失業と社会保障削減、困窮と孤立の中で死に追いやられているのだ。
 いよいよ闘いなしに労働者は生きていけないところにきた。戦争と貧困の根源である資本主義の打倒が現実の課題になった。
 1月23日、連合・芳野友子会長は経団連・十倉雅和会長と会談し「これまでの延長線上の議論にとどめることなく、労使が力を合わせて日本の未来をつくりかえるターニングポイントとすべきだ」と強調。十倉は「これほど目指す方向などについて一致したことは珍しい」と述べた。連合のベースアップ3%(プラス定期昇給分2%)要求は物価高騰下の「賃下げ要求」だとする批判もあふれるが、経労委報告はそれすらも「実態と大きくかい離」と否定し制動をかけた。
 しかし情勢の進行は岸田と資本の手先=連合の支配を打ち破る決起を必ず引き出す。全世界で戦時下の歴史的ストライキが闘われている。命と未来をかけて23春闘ストに立とう。労働者を分断する雇用・賃金破壊をぶっ飛ばし、一律大幅賃上げを勝ち取ろう。

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【経労委報告】
①第1は「円滑な労働移動」。社会全体で取り組む
②第2は「賃上げ」。だが「ベア3%」は実態とかい離
③連合と考え方は一致。「協創」する関係を目指す

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