団結ひろば

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週刊『前進』04頁(3280号04面04)(2023/02/06)


団結ひろば

狭山現調に参加し決意新た
 奈良市従業員労組書記・解雇撤回闘争当該 吉谷宏子

 1月28日、初めて狭山現地調査に参加しました。
 戦争突入情勢の中、三里塚現地や大坂正明さん裁判の緊迫した攻防と一体で、全国水平同盟と関西労組交流センターが主催した企画です。昨年12月には全国水平同盟杉並支部・狩野正幸書記長を大阪に招いて狭山学習会も行われました。
 全国水平同盟・田中れい子書記長の案内で、関西をはじめ地元の埼玉、九州、東日本解放共闘の仲間など20人が熱気ある調査と意見交換を行いました。
 私は狭山闘争を闘い始めて25年。何度も狭山学習会、デモに参加し、その度に「国家権力による部落差別犯罪を許さないぞ!」と思ってきました。でも、現地調査に参加して一から知った気持ちになりました。「石川さんの真実のコース」「権力のでっち上げコース」を当時の状況を想像しながら実際に歩いた時、国家権力がこうやって部落差別を使って無実の石川一雄さんを殺人犯にでっち上げたんだ、ということを具体的に実感しました。私自身の体でわかった、という感じです。
 事件当日、石川さんの記憶で雨が降った時間と科学的証拠はピッタリ。「パチンコかい?」とあいさつした人もいる。石川さんと被害者の姿や声を「絶対に見てない・聞いてない」と証言した人も何人もいる。権力が「牛乳瓶」をでっち上げの証拠品にするのを断念したほど、当時も差別・分断を乗り越え無実を証明した決起がいくつもあった。いま攻防になっている万年筆のインクに関する下山第2鑑定は、覆すことのできない決定的な物的証拠です! 権力のでっち上げストーリーは明らかに破産しているのに、裁判所は今なお無罪にしない。その目的はただ一点、部落差別を貫徹することで労働者階級の団結をそぐことです。
 戦争や差別の時代を私たちの手で終わらせる! 今がそのチャンス! 狭山闘争を労働組合として闘う決意を新たにしました! 皆さん、共に闘いましょう!

弾圧への反撃は国境越える
 徳島・星野救援会 仙田哲也

 広島県警と徳島県警による、1月24日のAさん不当逮捕は本当に許せません。防衛費2倍化、敵基地攻撃能力のための国会と一体の戦時弾圧です。Aさん逮捕とともに、自宅への家宅捜索まで強行したのです。
 今、東京オリンピックの裏側にあった利権だらけのドロドロのやり取りが明らかになっています。いわんや、4カ月後に迫った広島サミット。核戦争にむけたどれほどドロドロの会議になるか、労働者民衆の側は肌感覚でわかっています。
 何十万人を焼き尽くす核兵器使用の駆け引きが行われるのは明らかです。
 今回の弾圧が、ウクライナ戦争、中国侵略戦争のための会談を前に、これと闘う勢力への弾圧だということは明々白々です。
 ところで、私たちが光を感じるのはもう一つの角度、労働者への弾圧に各国で闘いが起きていることです。韓国・民主労総に対する家宅捜索、さらには、一国社会主義の中国共産党政府に対して立ち上がった「白紙革命」のデモ隊13人が中国の春節期間に逮捕され音信不通になっていること、香港の労働者、ミャンマーの労働者に起きていること。これら、どの弾圧にも労働者民衆の側の反撃が起こり、国を越えてひとつながりに発展していく。蟻(あり)の一穴であろうと、相互にどんどん国際問題にしていこうという機運が起き始めています。
 意識的に「労働者は一つ」になろう。弱者救済ではなく、労働者階級には労働者階級なりの救援運動がある。その絆を深めていきたいと思います。不当逮捕弾劾! Aさんを即時釈放しろ!

反戦闘争が生んだ化学変化
 首都圏 磯野脇差

 1月29日の杉並区議選総決起集会に参加した際に出会った、ちょっとしたエピソードを紹介したい。
 早めに集会場がある最寄り駅に着いたため、駅そばのマックでコーヒーを飲んで落ち着いていた時のことだ。隣の席に座った、雰囲気からして中学生の男子2人組が「なんか周りうるさいな」「右翼と左翼がぶつかってるみたい」と話し始めたので、思わず盗み聞き。
 「左翼が『戦争が始まるからそれに賛成』(!)らしく、右翼がそれに怒ってるみたい」「政治めんどくせえな」「それな...そもそも右翼と左翼って何?」。そしてスマホで調べ始め、「なんか主張逆じゃね?」「あそこにいるの『極左・過激派』らしい」「社会主義って?」「『平等を目指す社会』だと」「え、いいじゃん」「まじ?」「え?」。そのあとは「ビッグマックうめえ」とか言い合いながらゲームの話に移った。空気を保つため、政治的対立をお互いに回避した感じもあわせ、昔を思い出すようでとてもなつかしかった。
 大事なことは、この戦時下に選挙をも焦点にして反戦闘争に私たちが挑戦したことで、ひとつの化学変化が人民の中に生まれた瞬間だったということだ。10分程度の会話だったが、帝国主義の流すうその洪水に負け、日和見に走る運動ばかりでは、こういうことを生み出していくことはできない。
 集会で、「高校生の時から関わっていた」という全学連の学生の「選挙の一票にならない中高生は無視される。洞口さんと、彼女と共にある運動はそうじゃない」という支持の訴えは、この経験の直後では、私には特に鮮明に響いた。反戦闘争を貫き、情勢を変えていこう。

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