2・23集会主な発言 世界戦争を実力で止める

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週刊『前進』04頁(3284号02面01)(2023/03/07)


2・23集会主な発言
 世界戦争を実力で止める

(写真 参加者は「戦争反対」のボードを一斉に掲げ、ウクライナ戦争への参戦を狙う岸田政権打倒へシュプレヒコールを上げた【2月23日 東京都港区】)

基調報告

戦争推進する自国政府への労働者の反逆と内乱が戦争を止める真の力だ
 改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人/弁護士 森川文人さん

 2月15日に三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地に対して夜間の強制執行に踏み切った成田空港会社を弾劾します。これは成田空港軍用化のためのあからさまな国家暴力による攻撃であり、許すことはできません。徹底抗戦し逮捕された仲間3人の早期奪還を実現しましょう。
 ウクライナでの戦争が始まって1年。1千万人以上の避難民、数十万人の双方の死傷者。停戦のきざしはまったくなく、むしろ日本を含む各国の軍事支援により、新たに戦車やミサイルなどの兵器が注ぎ込まれ、戦争はますます激化・拡大しています。核戦争に行き着く勢いです。「あらゆる戦争に反対する」という声は「ロシア・プーチンの侵略戦争反対、まずはロシア侵攻を非難せよ」という声にかき消され、「もっと武器を」と叫ぶゼレンスキーを英雄のようにたたえ、ウクライナ軍への軍事支援こそが正義であるかのように誘導されています。
 この戦争は「ロシアの侵略に抵抗するウクライナの人々の自由と民主主義のための闘い」なのでしょうか。私たちはただそれを信じ、もしくは黙認していくしかないのでしょうか。
 それは違う。戦争が始まって以来、日本を含め世界の帝国主義国は、ウクライナ戦争を利用して軍事費をさらに増額し、排外主義をあおって軍備拡大にかじを切っています。アメリカを中心とする軍需産業の株価は市場最高値を記録。食料とエネルギー価格も急騰し、アメリカ・フランス・イギリスの石油メジャー5社は軒並み過去最高益を上げています。
 誰のための戦争か、誰が得をする戦争かは明らかでしょう。「祖国防衛」や「民主主義のため」というのはうそです。私たち民衆・労働者階級に戦争に動員され、殺し合う理由はまったくありません。領土も権益も私たちのものではない。労働者に領土も国境もありません。
 では、私たちは無力か。それも違う。権力が最も恐れているのは私たちの力です。黙っていることは戦争に協力することであり、やつらの思うつぼです。
 今、必要なことはアメリカ、ヨーロッパ、中国、そして日本における労働者階級としての反戦闘争であり、戦争を推進し支援する自国の政府に反対し打倒する実力闘争です。私たちは戦争を止めることができる主体なのです。
 私たちが求めているのは「この戦争前」の世界ではありません。そんな資本主義の「平和と秩序」なんて取り戻したくない。それは私たちにとっては格差・貧困が究極的に拡大した世界であり打倒の対象です。
 電気代・ガス代をはじめ物価が上がっても賃金は上がらない。それにもかかわらず軍事費を2倍にして軍需産業に注ぎ込み、さらに軍需工場の「国営化」までしようとしている。そしてG7サミットの議長国として参戦し、中国に向けてミサイルを配備する、それが日本政府です。
 各国の帝国主義政府も軍需産業に税金を注ぎ込み、ミサイル・戦車を世界にばらまいている。この資本主義の政府、自国の政府をそれぞれ打倒する国際連帯が私たちの反戦闘争です。
 私たち民衆・労働者階級はどの国の支配者の立場にも立ちません。国策である戦争に反対することは、国家に対する反逆であり、内乱でしょう。いいじゃないですか。国家が私たちと対立した存在であることがくっきりしてきた時代です。「戦争前夜」は「革命前夜」です。戦争反対のために反逆すべき時です。自国政府打倒の革命で戦争はなくせる。仲間を増やしましょう。手を伸ばし続けましょう。
 私たちは「労働者の団結した力で戦争・改憲を止めよう! 新自由主義を終わらせよう!」と3労組共同アピールで訴える動労千葉・関西生コン支部・港合同と共に、労働者階級の反戦闘争として国際連帯を11月集会で実現しています。
 この自分たちの力を自覚し、軍事化推進をたくらむ国会を労働者民衆で包囲する国会闘争に打って出ましょう。世界の人々と共に。頑張りましょう!

国家権力や右翼と激突し体張って戦争に反対する
 杉並区議会議員 洞口朋子さん

 ウクライナ戦争開戦から1年を前にして、NATOもロシアも直ちにウクライナから手を引け、戦争は絶対反対という声を共に上げていきたいと思います。
 昨年3月、杉並区議会はプーチンのみを非難し、NATOやアメリカ、日本の戦争を問題にしないロシア非難決議を、私以外の全議員が賛成して上げました。今、ウクライナ戦争はウクライナ支援という名で日々、激化・泥沼化し、膨大な犠牲者が出ています。戦争を終わらせるために、何よりも自国の政府、米欧の帝国主義に対して、体を張って闘う時が来ています。
 台湾有事がことさらにあおられ、アメリカと日本が中国に侵略戦争を始めようとしています。反対と心の中で思っているだけでは戦争は止まらない。私たちの行動で世界を変え、戦争のない世界をつくる時です。
 今、全国で900以上の自治体が18歳や22歳の若者、さらには15歳の男子の名簿を無断で防衛省に提供しています。国のために死ねという現代の赤紙が始まり、自治体の労働者が動員されています。
 私は、この世界を変え、戦争を止める力は労働者の中にあると訴えています。
 杉並区には毎週のように全国から右翼が来て、「洞口朋子をたたき殺せ。洞口朋子は反戦デモをやめろ」とがなり立てています。これが戦争の本質です。国家権力や右翼と激突し、三里塚のように実力で闘う中に戦争を止める力がある。全学連の3人の仲間を取り戻し、共に闘いましょう。 

農地を奪っても市東さんの闘魂は断じて奪えない
 三里塚芝山連合空港反対同盟 萩原富夫さん

 ご承知の通り2月15日夜8時、国家権力・機動隊が天神峰に押し寄せ、われわれを排除し、市東さんの農地を包囲し、強制執行を強行しました。悔しい思いでいっぱいです。しかし、われわれは機動隊数百の夜襲に対し体を張って闘い、権力の暴挙を粉砕しました。
 前日の14日夕方に、15日に執行があるという情報を得て、深夜から態勢をとり、準備し、15日早朝から何度も何度も集会を重ね闘いぬきました。昼間の強制執行は完全に粉砕した。日の暮れたところで、みんなの労をねぎらい、よし、明日も頑張るぞと態勢をいったん解除した矢先のことでした。急を聞いて多くの人が駆けつけてくれました。
 夜中に強制執行。こんなことがありますか。市東さんは入り口で阻止線を張りました。そこには執行官は現れませんでした。機動隊の後ろでマスコミ向けに執行の文書を読み上げた。こんなの強制執行と言えますか。ただの強盗です。徹底的に弾劾します。
 今、農地は鉄製フェンスに囲まれ、建物はすべて撤去されました。本当に悔しいです。しかし市東さんは、やられたからにはやり返すという固い決意のもと、日々の作業に当たり、営農手段、ビニールハウス、物置の再建を仲間と共にやりぬいています。
 われわれは機動隊数百の壁に対して、バリケードを乗り越え、くぐり抜け、押し合い、引き合い、すべての力を振り絞って闘いぬきました。その先頭に立ったのが全学連でした。その日は本当に寒かったんです。気温が零度を下回る中、12時間の激闘を闘いぬいた全学連に、皆さんの拍手を送りたいと思います。全学連ありがとう。
 空港会社は市東さんの農地を奪ったかもしれない。しかし市東さんの闘魂を奪うことはできなかった。これが闘いの到達点です。この闘いは日本だけでなく全世界に知れ渡っています。
 ウクライナ戦争に対して、ロシアは撤退しろ、NATOも撤退しろ、これは絶対正しい方針です。戦争を許してはなりません。
 私たち反対同盟は体を張って農地を守り、農業を守り、戦争・改憲を許さない闘いを全力で闘います。市東さんの新たな闘いを支え、空港機能強化粉砕、軍事空港化粉砕に向かって、皆さんと共に闘います。

全学連からのアピール

(写真 市東孝雄さんの農地への強制執行阻止の闘いで先頭に立った全学連が力強くアピール。実力で闘い、つかみ取った団結と自信が光った)

今も強い光を放つ強制執行阻止闘争
 全学連・京都大生

 私は2月15〜16日にかけて三里塚強制執行阻止の闘いに京都から駆けつけました。昨年末から座り込みや援農を通して国家権力と真正面から対峙(たいじ)し続ける緊張感と、そんな中でも明るく闘う三里塚の空気、50年以上続く闘争の歴史を体で感じとりました。
 私たち全学連は強制執行実力阻止を最先頭で闘って団結を広げてきました。機動隊と真正面からぶつかって一晩中続いた闘いは、1週間たった今でも私の中で強い光を放っています。
 3学生の不当逮捕は、学生の反戦闘争を圧殺するための攻撃です。それに勝ちぬく学生の団結と決起が、国家の思惑通りに事が進むことを阻んでいます。私たちは、反戦闘争を一掃するという国家権力のもくろみを粉砕しました。三里塚からの「軍事空港反対」「戦争反対」の声は一層強く鳴り響いています。
 そして三里塚闘争の勝利は、この集会にこれだけの労働者・学生が集まっていることに如実に示されていると思います。これこそが戦争を止め、社会を変えていく光そのものです。戦争反対・自国政府打倒の闘いを全国で大きく盛り上げ、私たちが主人公の社会をつくっていきましょう。

国会包囲する運動つくり岸田倒そう
 全学連副委員長 矢嶋尋さん

 今回の強制執行攻撃は、半世紀以上にわたり成田軍事空港粉砕・戦争絶対反対で闘われてきた三里塚闘争をつぶすことなしに中国侵略戦争はできないという国家意思の表れです。私たちは真っ向から立ち向かい、団結の拡大に転化させる大勝利をかちとりました。NAAの「円滑かつ確実な強制執行」とのシナリオをずたずたに引き裂きました。
 私は三里塚闘争を通して、闘えば必ず勝てるんだという実感を一層強くもちました。この三里塚のような闘いを首都の中心・国会でも巻き起こしていきましょう。大軍拡予算と戦争法案を必ず粉砕しましょう。
 私たち日本の労働者階級の反戦闘争が決定的に重要です。最弱の環である日本帝国主義を打倒することこそ、世界戦争を阻止して戦争のない新しい社会をつくっていく決定的な闘いです。私たちはオリンピックでも国葬でも、日帝の挙国一致体制づくりの攻撃をことごとく粉砕し、三里塚でも勝利しました。これこそが戦争を止める力であり、これまで止めてきた力であり、社会を根底から変える力です。共に国会を包囲する大運動をつくり出していきましょう。

ウクライナ戦争を終わらせる闘いへ
 全学連委員長 赤嶺知晃さん

 ウクライナ戦争開戦から1年になろうとしています。アメリカをはじめNATO各国が戦車供与を発表し、戦争はますます激化していこうとしています。
 ブルジョアメディアは特集報道で「ウクライナでは徴兵拒否は起きていない。戦争反対も誰も言っていない、これを見習おう」「G7で首脳がキエフに行っていないのは日本だけ」などと戦争をあおっています。絶対に許せません。
 こうしたペテンを打ち破って戦争を止めることが求められています。ウクライナとロシアの労働者は、一握りの支配階級であるゼレンスキーやプーチンの利益のためだけに殺し合わされています。「NATOもロシアもウクライナから手を引け!」の声を上げ、G7議長国として全面参戦を狙う岸田を倒しましょう。
 岸田は排外主義・愛国主義をあおり、増税や社会保障の削減も「戦争だから仕方ない」と国家総動員体制をつくって反戦の声をたたきつぶそうとしています。戦争を進める自国政府と闘い国際連帯を貫くことが求められています。全学連や大行進はそうした闘いをしてきました。三里塚強制執行との闘いに続いて18〜20日の沖縄闘争でも沖縄労働者民衆の怒りと深く結びつきました。今日のデモを力強く打ち抜き、ウクライナ戦争を止めましょう。

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