反戦の怒りで国会包囲を 軍拡・戦争進める岸田倒せ

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週刊『前進』04頁(3285号03面01)(2023/03/15)


反戦の怒りで国会包囲を
 軍拡・戦争進める岸田倒せ

(写真 改憲・戦争阻止!大行進の3月3日の金曜国会闘争。全学連を先頭に戦争翼賛国会を徹底弾劾し、反戦闘争の爆発へ闘うことを誓った)


 大軍拡予算案を衆院で通過させた岸田政権は、さらに防衛財源確保法案、自衛隊法改悪案、入管法改悪案などの戦争国家化のための反動法案を今国会で成立させようとしている。だが、岸田の大軍拡と戦争への突進は、何ら人民の「承認」や「支持」を得たものではない。そればかりか戦時下で生活破壊が進む中、侵略戦争のために大増税と社会保障解体を進める岸田政権に対して怒りの声は充満している。

「反撃能力」保有へ予算強行
自衛隊の「台湾有事」参戦狙う

 岸田政権による安保政策の大転換は、自衛隊が米軍と一体化して中国侵略戦争を遂行することを目的としたものだ。そのための空前の大軍拡予算案は、野党の総屈服に助けられて衆議院で「粛々と」採決され年度内の成立が確定した。
 岸田は、野党から「反撃能力」について質問されても「防衛上の問題であり、説明を差し控える」「専守防衛からの逸脱ではない」と繰り返し、審議時間を稼いで予算案の衆院通過へこぎつけた。だが重要なことは、岸田が1月30日の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」の際に「反撃能力」を発動できると答弁したことだ。日本が直接攻撃を受けなくても、それどころか日本への攻撃の「兆候」や「着手」すらない段階でも、政府が「台湾有事は日本の存立危機事態」と認定すれば長射程ミサイルで中国を攻撃することが可能となるというのである。まさに先制攻撃そのものだが、このようにして「台湾有事」に自衛隊が参戦する仕組みは、2015年成立の安保関連法ですでに規定されており、岸田が保有を狙う「反撃能力」とはそのための手段にほかならないということだ。
 ところが立憲民主党や日本共産党はこれを何ら追及できない。政府・与党の主張する中国脅威論に同調し、排外主義と祖国防衛主義の立場に立っているがゆえに、岸田を追い詰めることもできない。現に「台湾有事」を想定した日米共同演習が頻繁に繰り返され、南西諸島のミサイル基地化が急ピッチで進められているにもかかわらず、国会では「専守防衛の逸脱にならないか」「国際法違反とみなされるおそれはないか」などといった「おしゃべり」を続けるのみだ。そこには、戦争と大軍拡に反対する労働者人民の声、とりわけ南西諸島の「戦場化」に抗する人々の切実な声など何ら反映されていない。
 3月6日の予算委員会では元陸上自衛官の自民党議員・佐藤正久が質問に立ち「国民の防衛意識の高揚、自衛隊員への感謝を表すため『防衛版ふるさと納税』『防衛寄付』の検討を」と財務相、首相に迫った。戦前の半強制的「国防献金」運動は国民の戦意高揚、戦争動員のテコとなったが、その復活を狙っているのだ。佐藤はまた、ウクライナへの多連装ロケットシステム(MLRS)の発射機・弾薬の供与を提案し、「岸田首相はぜひキーウ訪問を」と求めた。
 ここでも重大なことは、佐藤が「台湾有事」への日本の参戦を想定して武器・弾薬の相互提供を強調したことだ。だが、こうしたウクライナ戦争をもテコとした中国侵略戦争への策動が政府・与党によって推進される中、これに対して絶対反対で対決する議員は、国会内には一人もいない。
 「真の『国家』活動は舞台裏で行われ、各省や官房や参謀本部によって遂行されている。議会では、『庶民』を欺こうという特別の目的でおしゃべりをしているに過ぎない」(レーニン『国家と革命』)
 すでに国会は戦争予算と戦争政策を合法化、既成事実化していくための道具となっている。この翼賛国会を徹底弾劾し、大軍拡と中国侵略戦争を阻止する労働者階級人民の巨大な反戦闘争を、今こそ爆発させなければならない。

対米従属論で日帝を免罪する共産党

 本紙前号でも明らかにした通り、日本共産党はウクライナ反戦闘争と自国政府打倒の闘いに敵対し、祖国防衛主義・排外主義をむき出しにして、米帝と北大西洋条約機構(NATO)の側に立って戦争をあおっている。岸田政権の安保3文書に基づく安保政策の大転換については、「アメリカの戦争に日本を巻き込むもの」「アメリカの手のひらの上で岸田政権は踊っている」「いま必要なのは米軍事戦略への追従から脱却すること」と「批判」するのみだ(志位和夫委員長、1月1日付「赤旗」)。このような「対米従属論」は、日帝が日帝自身の死活をかけて中国侵略戦争を米日共同でやろうとしていることを見据えず、日帝を免罪するものでしかない。
 しかも共産党は、「対米従属やめろ」などと言いながら、安保・自衛隊の賛否は「野党共闘には持ち込まない」とし、この野党共闘のもとで「国民連合政府」が成立した場合には、「日本への武力攻撃に対しては安保条約第5条を発動して日米で共同対処する」とまで公言している。日米安保体制と本気で対決するつもりなど毛頭なく、すでに安保・自衛隊容認の立場へ転落しているのだ。
 「台湾有事」をシミュレートした戦略国際問題研究所(CSIS)のレポートが明記したように、米日帝国主義が狙う中国侵略戦争は「日本が要」である。この戦争を阻止する力は、何よりも日本における反戦闘争の爆発と自国政府=帝国主義打倒の闘いの中にある。軍拡・戦争国会を巨万の怒りで包囲する国会闘争を爆発させよう。4月杉並区議選で戦争絶対反対を貫く洞口朋子区議の再選をかちとろう。

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