日帝のウクライナ参戦許すな 岸田打倒!杉並決戦勝利へ G7広島サミット粉砕へ闘おう

週刊『前進』04頁(3288号01面01)(2023/04/03)


日帝のウクライナ参戦許すな
 岸田打倒!杉並決戦勝利へ
 G7広島サミット粉砕へ闘おう


 主要7カ国(G7)議長としての岸田のウクライナ訪問をもって、日本帝国主義は完全にウクライナ戦争の積極的推進者となった。日帝は敗戦帝国主義としての戦後的制約のすべてを取り払い、ウクライナ戦争―中国侵略戦争にのめり込もうとしている。その決定的な跳躍点として位置づけられているのが5月のG7広島サミットだ。この戦争会議を怒りの大反戦デモで包囲し、「ウクライナをこれ以上戦場にするな!」「核戦争やめろ!」の声を世界にとどろかせよう。帝国主義戦争の元凶である資本主義・帝国主義を打倒する巨大な反戦闘争をつくり出そう。4月杉並区議選での洞口朋子区議の再選勝利へ闘おう!

世界戦争引き寄せる岸田

 岸田のウクライナ訪問は、5月のG7サミットを対ロシア戦争のみならず中国侵略戦争―世界戦争のための意思統一の場として「成功」させるために、絶対不可欠の課題としてあった。首相が交戦国の片方を訪問し、戦地で国家元首と会談して支援を表明すること自体が、戦後の「平和国家・日本」という建前をもかなぐり捨て、「参戦国」として名乗りを上げるに等しい行為だ。岸田がゼレンスキーに贈った広島・宮島産の「必勝しゃもじ」なるものも、日露戦争時に日本軍兵士が戦勝祈願で宮島に奉納したことに由来するもので、「かつてロシアに勝った大日本帝国のように、ウクライナも必ず勝て!」という意味だ。
 岸田はロシア軍による市民の虐殺があったとされるブチャを訪れて「強い憤りを感じる」と述べ、ゼレンスキーとの会談では「殺傷能力のない装備品」3千万㌦(約40億円)分の供与を約束した。これは北大西洋条約機構(NATO)の基金を通じた軍事支援そのものだ。この場で、ゼレンスキーがオンラインでG7広島サミットに参加することも決定した。共同声明は「ロシアによる違法で不当でいわれのない侵略を最も強い言葉で非難」するとし、ロシアの侵攻は「欧州・大西洋のみならずインド太平洋やそれ以外の地域における安全、平和、安定への直接的な脅威」と強調。さらに「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障の不可分性」を強調し「台湾海峡の平和と安定の重要性」「東・南中国海情勢への深刻な懸念」を盛り込んだ。G7サミットでも、ウクライナに加えて「インド太平洋」を初めて個別の議題として取り上げ、中国包囲網を構築しようとしている。
 この声明発出を含めた全過程が、同じ日にモスクワを訪問しプーチンとの会談で「和平交渉」を提案した中国・習近平に対する激しい対抗としてあった。ウクライナを挟んで日帝とスターリン主義が対峙(たいじ)する構造が鮮明になった。日帝こそがG7を先頭とする帝国主義対中国・ロシアという構図をつくり出し、核戦争・世界戦争の危機を引き寄せているのだ。
 3月23日にはオースティン米国防長官が、州政府所属の軍隊である州兵が台湾軍に訓練を実施していることを明かした。同様に訓練を受けたウクライナ軍がロシアと戦っていることを挙げ、台湾にとっても「素晴らしい事例になる」と語った。台湾・蔡英文総統の訪米、マッカーシー下院議長との会談が事態をさらに激化させることは不可避だ。
 こうした第3次世界大戦の危機のただ中で、2008年の大恐慌をも上回る破滅的事態が帝国主義諸国を直撃している。08年以来の超金融緩和が生み出した巨大なバブルが、ウクライナ戦争―中国侵略戦争への突入過程において全面的に崩壊し始めたことが、帝国主義をさらなる戦争の激化へと駆り立てている。

全世界で巻き起こる闘い

 岸田・ゼレンスキー、そしてプーチン・習近平会談は、2003年3月20日のイラク戦争開戦から20年のタイミングで開催された。イギリス政府はこの日、ウクライナに供与する主力戦車「チャレンジャー2」の弾薬に劣化ウラン弾を含めると表明した。
 劣化ウラン弾は、英国防省が「数十年間使用してきた」と声明で弁明している通り、1991年の湾岸戦争、90年代のボスニア・コソボ紛争、さらにアフガニスタン戦争、イラク戦争などで米英軍やNATO軍が大量に使用し、子どもを含む民間人におびただしい被害をもたらした放射能兵器だ。帝国主義はまたも大地を放射能で汚染し、内部被曝によりロシアやウクライナの人民・兵士を生涯にわたって苦しめようとしているのだ。プーチンはこれに対抗し、直ちに隣国ベラルーシに戦術核を配備する方針を明らかにした。
 こうしてウクライナ戦争が核戦争に向かってますますエスカレートする中、広島サミットは帝国主義諸国の頭目が核戦争にゴーサインを出す場となろうとしている。「被爆地・広島」の名をもって核戦争への道を開くことなど絶対に許してはならない。核戦争会議=G7サミットを日本労働者階級の怒りで粉砕しよう。
 「帝国主義戦争を内乱へ」の闘いはすでに全世界で始まっている。欧州連合(EU)はウクライナに今後1年間で100万発もの弾薬を供与する方針を固めたが、EUが2月に公表した世論調査結果では、加盟27カ国中19カ国で軍事支援への支持率が落ち込んだ。「武器を送れば死ぬ人が増えるだけだ」。労働者民衆は帝国主義の「支援」の本質を見抜き、自国政府打倒の闘いは確実に拡大している。フランスでは年金改悪に対する闘いが全土で巻き起こり、3月28日には200万人が参加して抗議行動とゼネストが闘われた。清掃・交通労働者、学生が闘いをリードしている。イギリスでは交通・医療・教育労働者を先頭とするゼネスト情勢が永続化。ドイツでも3月27日、鉄道・空港労働者らが30年ぶりの大規模ストに立ち、ほぼすべての公共交通機関を止めた。
 そしてアメリカでは3月18日、首都ワシントンなど各地で「イラク戦争を忘れるな!」と訴える大集会・デモが行われた。「大量破壊兵器が存在する」といううそに基づいて開始された米帝の侵略戦争は今日に至るまで中東・北アフリカを戦火にたたき込み、人々を殺し続けている。デモ隊はウクライナ戦争の即時停止を求めるとともに「NATOを解体しろ!」「中国と戦争するな!」と訴えた。

「挙国一致」体制うち破れ

 国会では空前の大軍拡予算が成立し、「挙国一致」体制づくりが激しく進行している。中でも日本共産党委員長・志位和夫は、岸田とゼレンスキーの共同声明を「高く評価する」と絶賛し、ウクライナ戦争を推進する岸田を全面的に支持した。「軍拡反対」と言いながらウクライナ戦争を「正当な自衛」と支持する日本共産党の主張は、労働者民衆に向かって「祖国を守るために戦え」と要求するところまで行き着くものだ。
 いま必要なことは、G7を筆頭とする帝国主義こそ戦争の最大の元凶であり、世界戦争・核戦争を推進する最悪の戦争放火者であることを暴き出すことだ。そして自国政府=岸田政権を打倒する日本労働者階級の革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。それこそ戦火の中にあるウクライナ・ロシアの労働者人民と連帯する道だ。日本でも、陸上自衛隊石垣駐屯地へのミサイル搬入阻止闘争をはじめ、戦争に反対する実力闘争が始まっている。戦時下で春闘解体・労組絶滅を狙う政府・財界の攻撃に対しては、動労千葉を先頭にストライキが闘われている。5月G7広島サミット粉砕へさらに闘いを拡大しよう。
 戦争を内乱に転化する闘いの最前線は杉並決戦だ。洞口朋子区議必勝へ、全力で総決起しよう。

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