動労千葉が戦時下スト ダイ改―業務融合化粉砕へ

週刊『前進』04頁(3288号02面01)(2023/04/03)


動労千葉が戦時下スト
 ダイ改―業務融合化粉砕へ

(写真 動労千葉総決起集会では各支部の代表が並び、ストライキを最後まで貫徹すると決意を表明した【3月18日 DC会館】)

 動労千葉はJRダイヤ改定当日の3月18日から翌19日にかけて、JR東日本の運転、車両の検査・修繕、構内運転の業務(CTS〔千葉鉄道サービス〕への委託業務を含む)を対象にストライキに入った。
 JRは今回のダイ改で運転士・車掌の行路に「その他時間」を設け、駅業務や企画業務、車両清掃などをやらせる。乗務員は乗務に専念することで鉄道の安全を守ってきた。反合理化・運転保安確立を闘いの柱に据えてきた動労千葉は、安全破壊のダイ改にストで怒りをたたきつけた。
 JR東日本は6月には車両センターを支社から切り離して首都圏本部に集約する。7月には、運転士と車掌が所属する運輸区と複数の駅を統合して一つの職場にする「統括センター化」をさらに拡大する。労働者は職種や勤務場所の限定なしにあらゆる仕事に使い回される。労働条件を破壊する「業務融合化」への反撃として、ストは闘われた。
 国鉄分割・民営化は大破産し、JR東日本は久留里線の久留里―上総亀山間の廃止を全国に先駆けて強行しようとしている。これに抗議するストでもある。
 戦時インフレが激化する中、連合はさらに崩壊し、春闘は解体されつつある。これに抗し、大幅賃上げ獲得へストは闘われた。
 この闘いは戦時下の実力闘争だ。ウクライナ戦争は長期化し、日米帝国主義は中国侵略戦争に突進している。昨年6月に「新・戦争協力拒否宣言」を発した動労千葉は、労働組合の本質的課題として反戦を貫くために、このストに立った。

階級的労働運動取り戻す転機に

 18日午後1時、DC会館で動労千葉総決起集会が行われた。冒頭、急逝した動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士に全員で黙禱(もくとう)を捧げた。
 あいさつに立った関道利委員長は、JRの「労組なき社会」化や全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧と対決し、戦時下の実力闘争としてストが貫徹されていると強調した。
 賃上げは岸田政権や財界によって与えられるものであるかのような雰囲気が今春闘ではつくられている。関委員長は「賃上げは労働組合が闘って勝ち取るものだという階級的なものの考え方を取り戻そう」と力説した。同時に「この状況は資本主義が危機に陥り、支配が崩壊していることの表れだ。新たな労働運動の潮流をつくる条件が生まれている」と指摘し、その中で闘われている今回のストの意義を押し出した。そして「このストを機に本格的な組織拡大を」と訴えた。
 婦人民主クラブ全国協議会から関委員長に、スト支援の団結たまごが送られた。三里塚芝山連合空港反対同盟、動労総連合の各単組、動労千葉を支援する会などが連帯あいさつに立った。久留里線と地域を守る会の結成準備会は、廃線反対署名が5千筆近くも集まったと報告、ここに示された住民の怒りを束ねて3月26日に結成総会を開き、廃線を阻止すると表明した。
 交渉経過を報告した渡辺剛史書記長は、今回のダイ改で、CTSに委託していた業務の一部をJR本体の乗務員にやらせる形をとって、幕張と津田沼の車両センターで構内運転業務の人員が削減される事実を指摘し、「外注化は破綻した」と断定した。また、動労千葉組合員については65歳以上の雇用延長を拒むCTSが、JRからの天下り管理者6人を65歳を超えて雇用していた事実を暴き、徹底追及すると表明した。
 各支部代表が並び、スト貫徹の闘志を示した。業務融合化への怒り、久留里線廃止阻止の決意や組織拡大への意気込みが語られた。
 同日午前7時30分から幕張本郷駅直近の幕張車両センター社員通用口前で、11時から千葉運輸区前で、職場の労働者や乗客にストの意義を訴える宣伝活動が行われた。「動労千葉に結集し共に闘おう」という訴えは確実に職場に届いた。
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