原発汚染水を流すな! G7札幌会合に抗議デモ

週刊『前進』04頁(3291号03面02)(2023/04/24)


原発汚染水を流すな!
 G7札幌会合に抗議デモ

(写真 戦争と環境破壊を進めるG7に怒り【4月15日 札幌市】)


 4月15日、札幌市内でG7気候・エネルギー・環境相会合反対闘争が闘われ、51人が結集した。この闘争は何よりも、G7広島サミット粉砕闘争の前哨戦として闘われた。さらに労働組合で闘うタクシー労働者が結集するなど、拠点建設と一体で闘い抜かれた。
 主催は「敵基地攻撃許すな!大軍拡・大増税反対実行委員会」。昨年の安倍国葬反対闘争の地平と陣形を発展させ、改憲・戦争阻止!大行進・北海道や北海道労組交流センターも加わって実行委員会を立ち上げた。その中心は、国鉄闘争を担い、「関西生コン支部を支援する北海道の会」を支える仲間たちで、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の浅川雅己さんや、関生弁護団の中島光孝弁護士らが共同代表を務める、極めて戦闘的な陣形だ。
 この日は集会後、会合の会場である札幌プリンスホテルに向けてデモを行った。「劣化ウラン弾をウクライナに供与したG7・NATOに環境問題を語る資格はない!」「原発汚染水放出反対!」「戦争こそ最大の環境問題」とシュプレヒコール。戦争と環境破壊の最大の元凶であるG7に対して怒りをたたきつけた。
 北海道は今、JR北海道崩壊に見られる地方崩壊と一体で「核のゴミ捨て場」にされようとしている。資本主義・帝国主義には環境問題も戦争も解決できない。今回の闘争を跳躍台として、北海道からも広島サミット粉砕闘争に青年・学生を先頭に駆けつける。
(北海道 S)

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汚染水放出「歓迎」なし
 共同声明 岸田政権に打撃

 G7札幌気候・エネルギー・環境相会合は、日本政府の原発政策の破産を突き出すものとなった。
 岸田政権は今春〜夏にも福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出を強行しようとしている。トリチウムなどの放射性物質を含む汚染水を「処理水」として海に流すという暴挙に、福島の漁民をはじめ全世界から怒りの声が上がっている。これに対して日本政府は議長国としての立場を利用し、札幌会合での共同声明に海洋放出を「歓迎する」との文言を盛り込むことでG7のお墨付きを得ようと画策してきた。しかし、4月16日の共同声明には福島第一原発について「廃炉作業の着実な進展とともに、科学的根拠に基づき国際原子力機関(IAEA)とともに行われている日本の透明性のある取り組みを歓迎する」とのみ記載され、汚染水についてもIAEAによる安全性の検証を「支持する」と記すにとどめた。
 にもかかわらず、西村経産相は終了後の記者会見でG7全体が汚染水海洋放出を歓迎しているかのような虚偽の説明を行い、即座にドイツの環境・原子力安全相に否定された。同時に、共同声明に「原子力の重要性」を明記することを狙った日本政府の思惑は打ち砕かれ、あくまで「原子力エネルギーの使用を選択した国々」のみが「安全性を確保した上で推進する」とされた。岸田を追いつめているのは国境を越えた労働者民衆の闘いだ。放射能汚染水の海洋放出絶対阻止へ、さらに闘いを広げよう。

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