動労総連合 結成の原点に立ち返り 団結再確立へ定期大会

週刊『前進』04頁(3292号04面01)(2023/05/01)


動労総連合
 結成の原点に立ち返り
 団結再確立へ定期大会


 動労総連合は4月23日、千葉市のDC会館で第37回定期全国大会を開いた。世界が戦争にのみ込まれつつある情勢は、階級的労働運動を貫けるのか否かの鋭い分岐を生む。今大会は動労総連合が結成の原点に立ち返り、時代に真正面から立ち向かう路線と団結を再確立する場として行われた。
 大会には3月8日に結成された動労総連合水戸の全組合員が参加した。旧動労水戸執行部は昨年10月、同労組の大会で青年をはじめ多くの組合員の痛切な反対意見を圧殺し、動労総連合と全国労働組合交流センターからの脱退を強行した。
 動労総連合は1986年11月、首をかけても国鉄分割・民営化に反対し、階級的労働運動を貫くために結成された。そこには国鉄当局の手先となって分割・民営化を推進した動労本部カクマルへの激しい怒りと、裏切り者を必ず粉砕するという強い決意があった。
 だが旧動労水戸執行部は自らが裏切り者となって組合員を抑圧し、一切の闘いを放棄、動労総連合を脱退するという暴挙に及んだ。
 これに抗して結成された動労総連合水戸は、動労水戸の闘いを継承するだけでなく、戦時下で青年を結集できる新たな団結体を目指している。

階級性を貫き通す

 あいさつに立った田中康宏委員長は、最初に動労総連合水戸の結成経過を説明した。そして、階級的労働運動を否定すれば運動が広がるかのような傾向を強く批判し、次のような基本的な考え方を提起して、路線と団結の再確立を訴えた。
 ①労働組合はどんなに小さくても労働者階級全体を代表する立場に立つ。実際の活動は職場闘争が大半であっても、反戦・政治闘争をゆるがせにしない。②労働組合の方針は組合員自らの意思に基づき決定する。動労千葉の分割・民営化反対のストライキも、組合員が自ら決断し貫徹した。外から無理やり持ち込まれた方針だったら、団結は崩れていた。③動労総連合は分割・民営化と対決しぬき、労働者を裏切る動労本部カクマルや国労幹部を粉砕するために結成された。その原点のもとに再団結する。
 田中委員長はまた、大軍拡予算が成立し歴史が戦争に向けて動いているただならない情勢に警鐘を鳴らした。そして、連合の崩壊があらわになり、岸田や経団連が唱える「賃上げ」とは裏腹に非正規職労働者には一層の賃下げと格差拡大が強いられ、その怒りも噴出し始めた23春闘について言及した。田中委員長は「この中で動労千葉はストに立ち、社会全体がスト支持に転じているとつかんだ。階級的労働運動が力を取り戻す以外にない時代に入った」と力説した。
 さらにJRの「業務融合化」や「地域公共交通活性化再生法」の改悪を受けて本格化する廃線化を「分割・民営化の破綻(はたん)の結果」と断定し、「動労総連合が団結を固め直して職場から闘えば、組織を拡大し労働運動を塗り替えることはできる」と訴えた。
 川崎昌浩書記長が闘いの基調と課題を提案した。①激化するJR大再編―「業務融合化」や廃線化、鉄道の軍事利用と対決する、②JRに責任を取らせる最終盤の攻防に入った1047名解雇撤回闘争に勝利する、③動労総連合結成の原点を貫き階級的労働運動の原則を守りぬく、④全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組共闘と労組交流センターを軸に、戦時下、大インフレ下で階級的労働運動をよみがえらせる、⑤大軍拡と戦争・改憲の岸田政権打倒へ労働組合の本質的課題として反戦闘争を闘いぬく----の五つの柱を打ち出した。

徹底討論して団結

 討論の最初に動労総連合水戸の石井真一書記長が発言した。JRは来春、常磐線の福島第一原発直近の区間も含めワンマン運転を拡大しようとしている。石井さんは「闘う方針を自ら決めることができる新組合は、被曝労働拒否の闘いで反撃する」と表明した。
 動労西日本は芸備線などの廃線を阻むと述べ、核戦争会議であり労働運動圧殺会議でもあるG7広島サミット粉砕へ、総力結集を訴えた。各地の廃線反対運動の取り組みが苦闘も含めて報告された。JR関連会社での解雇撤回闘争や人員不足・強労働との闘い、組織拡大をかけて職場代表選に立つ決意なども語られた。多くの代議員が動労総連合の原点を貫こうと訴えた。
 総括答弁で田中委員長は、階級的労働運動と運動の大衆的拡大を対立させてはならないと再度強調した。千葉での廃線阻止の闘いは、新自由主義に立ち向かう労働運動の再生を目指す動労千葉の立場と、保守層なども含む地域の反対運動を、それぞれが主体性を貫く形で両立させている。「これは労働組合が階級性を貫く中で意識的につくり出しているものだ」と田中委員長は指摘した。
 運動方針を採択しスト権を確立。役員改選で副委員長に選出された照沼靖功・動労総連合水戸委員長は、「組合員がお互いに納得できるまで討論できる労働組合をつくりたい」と万感の思いを込めて語った。動労総連合は生まれ変わりもかけて新たな闘いに入った。

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