5・26裁判員制度廃止集会へ 今こそ戦争絶対反対制度なくせの声高く 裁判員制度いらない!大運動呼びかけ人/弁護士 高山俊吉さん

週刊『前進』04頁(3294号03面02)(2023/05/15)


5・26裁判員制度廃止集会へ
 今こそ戦争絶対反対制度なくせの声高く
 裁判員制度いらない!大運動呼びかけ人/弁護士 高山俊吉さん


 政府は再びの中国侵略戦争に今こそ打って出ようと敵基地攻撃能力を承認し、南西諸島を軍事要塞(ようさい)化し、改憲に突っ走ろうとしています。心ある国民はこの動きを絶対に認めません。
 今年の裁判員制度反対集会は、岸田首相が「任期中の改憲」を強調し、G7(主要7カ国)議長国首相としてウクライナ戦争への名実共の参戦表明をもくろむ戦争会議=G7サミット(5月19~21日)の直後に開かれます。
 全政党、そしてほとんどすべてのメディア、加えて日弁連までもが制度推進の旗を振る中で、私たち「裁判員制度はいらない!大運動」は、制度発足の前から裁判員制度の本質は戦争参加に向けた「国民精神総動員運動」だと告発し、全国で制度に反対する運動を展開してきました。
 「銃後を固めよ」。法に触れる者を成敗する訓練を通して、「秩序維持」「国防」の思想を国民にたたき込もうというこの制度の目的が、ウクライナ戦争の泥沼化と中国侵略戦争の現実化によってかつてなく浮き彫りになっています。
 振り返ってみれば、裁判員制度に対する抵抗は壮絶でした。80%近くの人々は呼び出されても出頭を断ったり無視したりし、その姿勢は強まることはあっても弱まることはありませんでした。
 正当な理由のない不出頭は制裁の対象になるにもかかわらず、国民の反発におののく最高裁は「無法者」を制裁することもできません。私たちの指摘の火花は多くの国民の批判と反発を火種に燎原(りょうげん)の火のように広がり、絶対拒絶のうねりがこの国を覆い、政治や言論の世界がひねり出した「司法への市民参加」という偽装の常識を完全に打ち破ってしまいました。
 実施14年、ようやく漏れ出した評議室の状況報告は、裁判員制度が「秩序維持の戦士」作りの場にはほど遠く、刑事裁判の基本的な理解を欠いたまま右往左往する市民の姿を明らかにしました。
 しかし、矛盾をさらけ出しながら政府も最高裁も国民の権力司法動員政策に執拗(しつよう)にこだわっています。この状況にどう立ち向かうか。
 選挙での洞口朋子さんへの2632票、村山裕子さんへの1762票の価値を考えます。強烈な暴力的人身攻撃まで受けながら、この国の国民がとるべき姿勢をひるまず訴え続けたお二人でした。お二人が杉並区民、高槻市民から受けた支持の大きさは、言葉で表現できないほど大きく深い内容を持っています。
 ウクライナ戦争の深刻な状況が進む中での選挙戦。「戦争絶対反対」を訴え続けたお二人への投票を決断できなかった人々の中にも、悩みに悩んだ方が少なくなかったはずです。その洞口さんや村山さんの訴えは、その一人ひとりの心中深く入り込み、投票された方にもそこまで至らなかった方にも「私の中にいる洞口、村山」として存在し続けています。それが私たちの闘いです。
 私たちが制度に反対する最大の理由は、この制度が戦争動員の一環をなすものだからです。人を裁くことはできないとか、難しい法律のことはわからないとか、自分の生活のことで手一杯だからとかいうのもそのとおりでしょう。しかしここには、反戦と改憲阻止の旗を高く掲げて制度反対を主張する人々がいる。そしてその人々の思いや訴えが、裁判員になった人にも拒絶した人にもひたひたと染みこんでいる。それは、洞口さんや村山さんを支えた人々や悩み抜いた人々の心の中に染みこんでいるのとつながります。
 思いを同じくする人々はいまこそ手をつなぎ、立ち上がりましょう。そして声を高く上げましょう。私たちの声は無限の広がりをもって多くの人々の心を揺るがし、連帯のきっかけをつくります。誰が何と言おうとこの社会の主人公は私たちなのですから。
 5月26日には、東京・霞ケ関の会場でお会いしましょう。

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戦争絶対反対! 徴兵の地ならし
裁判員制度を廃止へ
5・26集会
 5月26日(金)午後6時開場 6時半開会
 弁護士会館2階講堂クレオin東京
 (東京メトロ丸の内線霞ケ関駅B1出口すぐ)
 主催 憲法と人権の日弁連をめざす会、裁判員制度はいらない!大運動

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