被爆者、被爆2世、3世の共同アピール(抜粋)

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週刊『前進』04頁(3296号04面03)(2023/05/29)


被爆者、被爆2世、3世の共同アピール(抜粋)

ウクライナ戦争をただちにやめろ!中国侵略戦争阻止! 世界核戦争を阻止しよう!
 ヒロシマ・ナガサキの被爆者、被爆2世、3世による共同アピール

 世界中に戦争と貧困、放射能汚染と地球環境破壊をもたらした張本人であり、核兵器禁止条約を拒否し自国の核武装を推進するG7首脳が、G7サミットを開催しています。人類最初の原爆被害の地、ここヒロシマでわざわざG7サミットを開催した意味は何でしょうか。
 それは第一に、G7という帝国主義の利益のために、ウクライナ戦争を継続しエスカレートさせるためです。彼らは「ロシアもNATOも手を引け。戦争をただちにやめろ」という声を押しつぶし、ウクライナに兵器と戦争資金を送り、供与した戦車で劣化ウラン弾を使うことを平然と宣言し、核戦争の危機を引き寄せています。岸田首相は日本の参戦・殺傷武器輸出を狙っています。
 第二に、G7、とりわけ米国と日本による中国侵略戦争を準備するためです。G7各国こそ軍事力と金融的暴力で世界を支配してきたにもかかわらず、中国に対して「力による一方的な秩序の変更は認めない」といって軍事的威嚇を加えています。岸田政権は平和憲法を無視して軍事予算倍増・敵基地攻撃能力保有を宣言し、沖縄・琉球諸島をはじめ日本全国で軍事基地の増強に走っています。沖縄や韓国を出撃基地とする中国侵略戦争の準備のためにG7広島サミットは開催されているのです。
 第三に、これらの戦争を「核なき世界の実現」などという言葉で正当化しています。彼らは「ロシアや中国の核は無くさなければならないが、米国はじめG7の核は強化する必要がある」と恥ずかしげもなく主張しています。「核をなくす」という言葉で核戦争をやるため広島を徹底利用しようとしているのです。
 彼らは怒りのデモで包囲されることを恐れ、日本全国から2万4000人もの警察官を集め、近隣の学校も保育園も閉鎖し、平和記念公園を立ち入り禁止にし、G7による「広島占領」状態を作り出しました。これに対し私たちは昨日2度のデモを貫徹し、今日、明日もG7広島サミットを追撃するデモを行います。
 帝国主義が自らの矛盾を爆発させ、再び三たび、世界戦争に進み始めています。このような破滅の道を進むことを我々は拒否します。我々の進むべき道は、自国政府の戦争に反対し、全世界で反戦反核闘争を爆発させること、戦争によってしか延命できなくなったこの支配体制を労働者民衆の力で打倒することです。
 ヒロシマ・ナガサキの被爆者とその子、孫である我々は、二度と再びヒロシマ・ナガサキの惨劇を絶対にいかなる国の人々の上にも繰り返させてはならないと強く決意しています。日本帝国主義のアジアに対する植民地支配と侵略戦争の行き着いた先がヒロシマ・ナガサキでした。今再び岸田政権は大軍拡を行い、軍事同盟を強化し、日本を再び「戦争する国」に変え、そのために「ヒロシマ」を利用しようとしていることを絶対に許すことはできません。全世界の労働者民衆に、ともに、自国政府の戦争に反対して立ち上がることを呼びかけます。
 世界核戦争を阻止するため、万国の労働者民衆は団結しよう!
被爆者・被爆2世・3世一同(順不同 敬称略)
【被爆者】吉原美玲子 下田禮子 城臺美弥子 高木美佐子
【被爆2世】中島健 壹貫田康博 井上千代 野田次郎 平野綾子 吉川眞理 渡子健 山田延廣 木原省治 田坂量慈 鄭澄恵 竹中孝子 新田和生 寺山導子
【被爆3世】鄭伊佐 宮原亮 中島敦史
2023年5月20日 国際反戦集会

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