「G7女性会合」粉砕を 狙いは女性の戦争動員だ

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週刊『前進』04頁(3299号03面02)(2023/06/19)


「G7女性会合」粉砕を
 狙いは女性の戦争動員だ

帝国主義戦争への「貢献」求めるG7

 6月24、25日、主要7カ国(G7)による「男女共同参画・女性活躍担当相会合」が、栃木県日光市で開催される。この閣僚会合は、広島でのG7首脳会議が文字通りの戦争会議となったことを受け、女性を侵略戦争・世界戦争に総動員するための会議だ。広島サミット粉砕闘争の地平に立って、このG7女性会合を怒りを込めて弾劾し、粉砕しよう。
 駐日米国特命全権大使のラーム・エマニュエルは、G7女性会合に寄せた文書の中で次のように述べている。「ウクライナではロシア侵攻後、女性があらゆる前線で勇敢さを示し続けている。兵士として戦闘に参加し、地域サービスを率先して行い、資金を集め、家業を切り盛りし、前線にいる人々に必需品や衣料品を届け、同胞の勇気ある行動に光を当てようと声を上げ、国の防衛に貢献している」と。G7首脳らにとっては、女性のこのような姿こそがあるべき姿だというのだ! 絶対に許せない。
 駐日英国特命全権大使のジュリア・ロングボトムは、同じく女性会合に向けて「ウクライナ紛争に関連した性暴力を訴追するための専門家派遣を行っています」と自慢げに語っている。しかし、ウクライナに劣化ウラン弾や戦車を提供し、戦争を拡大しているのはイギリスではないか。
 広島サミットでG7は、ゼレンスキー・ウクライナ大統領を登場させ、F16戦闘機など大量の兵器供与を決め、ウクライナ戦争の果てしない激化と世界戦争化に踏み込んだ。ウクライナとロシアの民衆を大量殺戮(さつりく)の地獄にたたき込み、徹底的に犠牲にして、軍需産業に群がる一握りの帝国主義ブルジョアジーが大もうけする。それがこの戦争の真の姿だ。そして彼らは今や、戦争の遂行に女性の力が必要だと叫び、女性は戦争のために国家に貢献しろと言う。だがこんな「貢献」など断じてできない。

女性を動員してしかできない戦争。だとすれば、女性こそ反戦闘争の先頭に立とう。ウクライナでもロシアでも、女性たちは実際には、戦争の即時停止と兵士の帰還を求めて立ち上がっている。日本のマスメディアは全く報道しないが、ウクライナではこの4月、政府に抗議する女性の反戦デモが起き、ロシアでは昨秋から兵士の母たちがロシア軍の撤退を求めて署名運動をも開始した。この決起に続き、今こそ全世界の労働者民衆と連帯し、世界戦争・核戦争を止める国際反戦闘争に立ち上がろう。

「女性活躍」を掲げ搾取と分断を強化

 G7女性会合は、帝国主義者が掲げる「ジェンダーフリー」や「女性活躍」「男女共同参画」なるもののペテン的で犯罪的な正体を自己暴露している。「女性が社会で活躍できる環境づくり」「格差是正」の名の下で実際に話し合われるのは戦争への女性の総動員であり、資本主義救済のために女性を搾取材料として徹底的に利用しつくそうということだ。新自由主義下で非正規職化と貧困に突き落とされ、子どもを産み育たくてもできない圧倒的多数の女性の現状を変えようとするものでは全くない。逆に「お国のためにすべてを捧げよ」と女性に一層の強労働と犠牲を強要するものだ。岸田政権による「異次元の少子化対策」もまさにこれと一体だ。
 一部のエリート女性を支配階級の内側に取り込んで行われるこのG7女性会合を絶対に許さず、徹底弾劾して闘おう。すべての女性は労働者階級とともに、女性差別と戦争の真の原因である資本主義・帝国主義を打倒する主体となって立ち上がろう。

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