「台湾有事、日本の協力必須」 米シンクタンクが報告書

週刊『前進』04頁(3301号03面03)(2023/07/04)


「台湾有事、日本の協力必須」
 米シンクタンクが報告書


 6月20日、米シンクタンク・外交問題評議会(CFR)は、「台湾有事」に関する新たな報告書をまとめた。元統合参謀本部議長マイク・マレンと、元国家情報副長官スー・ゴードンが中心となって作成。日本の協力がなくては米軍が台湾有事に迅速に介入するのは「ほぼ不可能」だと強調し、特に沖縄をはじめとする南西諸島を米軍の出撃拠点にすることの重要性を強調した。

実戦みすえ「統合的戦争計画」提言

 報告書は、「台湾防衛に向けて日本が群を抜いて最も重要な変数だ」とし、在沖米軍基地に言及して「これらの戦力や施設を使えなければ中国による台湾侵攻へ迅速かつ効果的に対処するのはほぼ不可能だ」と結論付けた。
 とりわけ南西諸島の米軍基地を台湾有事に際しての出撃拠点として重視。南西諸島にあらかじめ弾薬などの軍事物資を備蓄し、米軍基地だけでなく民間空港をも利用した演習を重ねるよう推奨した。
 加えて、在日米軍の出撃の際に必要となる日米政府間の事前協議を「円滑」にするため、日頃から定期的に意見交換しておくことも求めた。また実際にどこまでの支援が可能なのかを日本、オーストラリア、フィリピンなどの同盟国にあらかじめ明確にさせ、それぞれの役割や任務を整理して「もっと統合的な戦争計画」を作成しておくべきだとも提言した。
 第2次大戦末期の沖縄戦から78年となる「慰霊の日(6月23日)」を前に、再び沖縄を戦場化する恐るべき戦争計画が、アメリカの政府・軍に影響力を持つ有力シンクタンクによって公然と打ち出されたのである。断じて許すことはできない。
 だが、あらためてはっきりしたことは、日本帝国主義を全面的に動員し、その土地や施設を利用しない限り、米軍は中国侵略戦争を遂行できないということだ。日本における反戦・反基地の闘いこそ、中国侵略戦争―世界戦争を止める位置にある。
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