8・6広島現地に総結集を 世界に轟く実力デモで岸田を倒し核戦争阻め 革共同広島県委員会

週刊『前進』04頁(3303号01面01)(2023/07/17)


8・6広島現地に総結集を
 世界に轟く実力デモで岸田を倒し核戦争阻め
 革共同広島県委員会


 5月G7広島サミットを経て、ウクライナ大統領ゼレンスキーが対ロシア「反転攻勢」の開始を宣言してから1カ月。戦争は果てしなく激化し、劣化ウラン弾やクラスター爆弾まで使われようとしている。「ロシアを抑えつけ、中国を打ち負かす」(米国家安全保障戦略)という米バイデン政権の世界戦争戦略のもと、無数の兵士が殺し合いをさせられ、人民が暮らす土地が焦土と化している。その先にあるのは核戦争だ。ただちにこの戦争をやめさせ、日本帝国主義の参戦国化と中国侵略戦争への拡大を絶対に阻止しなければならない。今夏8・6広島―8・9長崎闘争に全国から結集し、反戦反核の怒りで岸田を包囲・打倒しよう!

広島ビジョンに怒り殺到

 あらためて、G7広島サミットは歴史に残る戦争会議だったことをはっきりさせたい。何よりも、サミットで採択された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を絶対に許すことはできない。
 広島ビジョンは、「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている」として、帝国主義の核保有と核による威嚇を全面的に正当化した。そして帝国主義による核独占を維持し、原発政策を進めつつ、ロシア・中国・北朝鮮などの敵対する国の核政策を一方的に非難することが「全ての者にとっての安全が損なわれない形での」「現実的で、実践的な、責任ある核兵器のない世界の実現」の道筋であるとした。「全ての核を今すぐなくせ」という被爆者の声、全世界の核廃絶をめざす闘いを真っ向から否定したのだ。さらに広島ビジョンは、「低廉で脱炭素に貢献する」と原子力エネルギーの利用を全面肯定した。G7サミット首脳宣言でも、福島原発汚染水の海洋放出について「支持する」とした。核武装のための原発政策を推進するために、フクシマの怒りと闘いを圧殺しようというのだ。
 サミットの開催に「期待する」と言っていた被爆者や平和団体でさえ、広島ビジョンに対して一斉に怒りの声を上げた。松井一實広島市長は、サミット閉幕後の記者会見で「G7初の核軍縮に特化したビジョンを発表した。評価すべきだ」などと発言し、多くの広島市民や被爆者の怒りを買った。抗議が殺到したことで松井市長は、8月6日の平和記念式典で読み上げる宣言の文案に「核抑止論はもはや成り立たない」という一文を入れることを約束せざるを得なくなった。だが広島ビジョンそのものは否定せず、これを推し進める岸田を式典に呼ぶことにも変更はない。被爆者の訴えを踏みにじる式典など、絶対に許すことはできない!

広島・長崎を踏みにじるな

 ウクライナ戦争が中国侵略戦争―世界戦争へと拡大しつつある中で、今や被爆地広島・長崎は国際階級闘争の一大焦点となった。
 そもそも1950年の朝鮮戦争下の被爆者の闘い、54年ビキニ事件を契機とする原水爆禁止運動の発足など、「ヒロシマ・ナガサキの闘い」は被爆者を先頭とし、日本の労働者階級をその主要な担い手として形成されてきた。日本労働運動の重要な構成要素の一つである。それは、核と戦争に絶対反対を貫く闘いに日本労働者階級を組織し、世界中の労働者人民に影響を与え、朝鮮戦争やベトナム戦争などでの米軍の核使用を阻む力となった。2011年3・11福島原発事故以降は「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ」の闘いとして一体で発展してきた。
 だからこそ、日帝・岸田は「ヒロシマ・ナガサキ」圧殺のために広島でサミットをやることを決断し、広島ビジョンを出した。帝国主義の延命のために核武装・核使用も辞さずロシアや中国と戦争をやる、そのために日本労働者階級の反戦反核の意思と闘いをたたきつぶそうともくろんだのだ。サミット粉砕闘争はその狙いを根本から粉砕した。岸田・松井らはこれを巻き返そうと必死だ。
 サミットを前に広島市の平和教育教材から削除された漫画『はだしのゲン』と「第五福竜丸」に代わり、新たに教材に登場した美甘(みかも)章子は何と言っているか。「『あの戦争で敵同士であった二つの国が、今は最強のパートナーとなり協力体制にあることで、平和と調和が確立されている』という史実をお手本に、平和について世界に語りかけること」と、日米安保体制を「平和と調和のお手本」と賛美しているのだ。だが、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争など、日米安保体制のもとでどれほど残虐な侵略戦争が行われ、沖縄をはじめ基地周辺住民がどれほど命と生活を踏みにじられてきたか。そして今まさに日米安保体制のもとで、南西諸島を戦場化する中国侵略戦争が準備されているのだ。
 また広島市は6月29日、「広島平和記念公園とパールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定」なるものを締結した。米ハワイ州のパールハーバー公園は、米帝による広島・長崎への原爆投下を正当化するためにつくられた公園だ。ヒロシマ・ナガサキを「なかったこと」「終わったこと」にして、日米同盟で新たな戦争に突き進む。そのためのサミットであり、広島ビジョンだということだ。
 今年の8月6日の式典は、まさにこの広島ビジョンを賛美する場として開催されようとしている。絶対に許すことはできない。岸田政権と松井市長らの「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ」圧殺の策動を、サミット粉砕闘争を倍する怒りの大結集で完膚なきまでに粉砕しよう! 世界に轟(とどろ)く実力デモで、核戦争阻止の国際的内乱を全世界に呼びかけよう!

階級的労働運動の登場を

 5月G7広島サミットを前に、既存のあらゆる運動が「サミットへの期待」に取り込まれるというかつてない総翼賛状況が生み出された。それを規定しているのは、連合の労働組合としての崩壊だ。芳野友子会長ら連合本部は、物価高騰下でアリバイ的な賃上げ闘争もやらず、岸田政権との一体化をますます深めてきた。その動きを最も悪質に支えているのが自治労本部と日教組本部だ。そしてその対極で、こうした動きに真っ向から反対して立ち上がっているのが、国鉄闘争を軸として形成された「11月労働者集会陣形」であり、自治労・日教組などの現場組合員だ。
 その縮図のような攻防が自治労広島市労働組合で始まっている。サミットを前にした組合定期大会で、これまで掲げていた「反核・脱原発」と「非正規職の組織化」のスローガンを下ろし、それに反対した非正規職の副委員長を今度は執行委員会から排除するということが起きている。明らかに自治労本部・連合によるサミットと一体の攻撃そのものだ。現場ではこの排除に反対する署名運動という形で反撃が始まっている。労働組合の腐った幹部こそ岸田の「ヒロシマつぶし」の最先兵であり、労働組合をめぐるこうした攻防の中にこそ、世界戦争を実際に阻止する力がある。
 サミット闘争の報告と広島ビジョン反対署名を全国のあらゆる職場に持ち込み、大いに議論し、職場から8・6広島―8・9長崎闘争への大結集をかちとろう。8・6―8・9闘争の爆発で、11月労働者集会の歴史的成功への道を切り開き、戦争絶対反対を貫く階級的労働運動を歴史の前面に力強く登場させよう。
 サミット粉砕闘争の中で発せられた、広島・長崎の被爆者・被爆2世・3世らの連名による「核戦争阻止・自国政府の戦争反対」の共同アピールは、新たに賛同者を拡大している。サミットによって広島・長崎の闘いは圧殺されなかったばかりか、新たな怒りに火をつけ、闘いの拡大をもたらしている。全国の被爆者・被爆2世・3世はアピール運動でつながり、核戦争阻止の8・6広島―8・9長崎闘争を共に闘おう。
 青年・学生を先頭に被爆地に結集し、世界戦争・核戦争を阻む巨大な反戦反核闘争を創り出そう!

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