11・2裁判員制度廃止デモへ 最高裁は「現代の赤紙」を送るな 崩壊する裁判員制度にとどめ刺そう 憲法と人権の日弁連をめざす会・事務局長/弁護士 藤田正人

週刊『前進』04頁(3316号04面02)(2023/10/24)


11・2裁判員制度廃止デモへ
 最高裁は「現代の赤紙」を送るな
 崩壊する裁判員制度にとどめ刺そう
 憲法と人権の日弁連をめざす会・事務局長/弁護士 藤田正人

(写真 昨年11月11日、裁判員制度廃止を求め最高裁デモ)


 「司法に対する国民の理解の増進と信頼の向上」(裁判員法第1条)を目的とする「裁判員制度」が始まって15年目となりました。
 この制度を主催する裁判所は、1945年8月の日本の敗戦前に、労働運動、反戦運動、そして革命運動を徹底的に弾圧した歴史があります。裁判所は司法大臣の管轄の下、内部に検事局も抱え、検察官は捜査の段階から警察官を指揮していました。思想検事は、拷問や虐殺等を含む弾圧を直接行っていた「特高」(特別高等警察)を指揮し、治安維持法等による起訴や裁判を担い、裁判官はこれを追認してきました。
 戦後、米国の初期の対日方針である「一切の秘密警察組織の解消」に基づく45年10月の「人権指令」で、特高警察機構は一応解体され、その幹部は全員公職から追放されました。しかし、検事で追放されたのは34人にとどまっただけでなく、50年代の追放解除とともに多くが「公安検事」として復帰しました。裁判官に至っては一人も公職から追放されませんでした。そして、54年には思想検事の第一人者であった池田克が最高裁判事に任用され、松川事件、国鉄檜山(ひやま)丸事件、全逓松江郵便局事件など、戦後の「公安事件」でも厳しい判断を下していきました。
 つい先日も、辺野古新基地建設のための埋立工事の設計変更を承認するよう国が沖縄県に「是正指示」を出したのは違法だと県が訴えた行政訴訟で、最高裁は県民の基地反対の意思を踏みにじり、適法だとする判決を迅速に出しました。戦後も一貫して、裁判所は司法権を行使し、治安維持を担う権力機関に他ならないのです。

戦時下治安弾圧に労働者人民を動員

 その裁判所・最高裁がなぜ裁判員制度を推進しようとしているのか。
 今、戦争が現実になっています。日本政府はアメリカ、NATOと手を組み、ウクライナ支援を拡大し、マスメディアも「攻め入ったロシア」を非難し、ウクライナの反撃は当然だという報道を続けています。そして、政府は米政府と共に中国侵略戦争を展望し、軍事拡大に突っ走っています。戦争情勢下では、支配階級と戦争に動員される労働者・人民との階級的な非和解的対立が先鋭化します。そして、国策である戦争に反対すること、国家の変革を求めることが弾圧の対象とされます。
 裁判員制度は、裁判という国家作用に国民を強制的に参加させ、司法権という権力の行使を担わせるものです。戦争情勢下で、国家の側から階級的対立を突破するため、労働者人民の国家権力に対する「理解と信頼」を掠(かす)め取り、裁く側・弾圧する側への動員を図るために他なりません。

最高裁デモを闘い改憲・戦争阻もう

 しかし、労働者・人民は欺かれていません。今や、裁判員候補者に選ばれた者の2割強しか出頭せず、その裁判はわずかな出頭者によってやっと実施されている状態にあります。最高裁の行う世論調査でも、裁判員裁判に参加したい人は2割弱、参加したくない人が7割以上です。労働者・人民の拒絶の勢いに、最高裁は激増する出頭拒絶者を一人も処罰できない事態に立ち至っています。裁判員制度は崩壊の局面に突入しています。
 ナチス政権下のドイツ「第三帝国」では、戦時下、「国の安全と秩序の維持に貢献したい」と胸を張る市民が治安活動に積極的に参加しました。このような市民が日本の司法界に登場する前に、裁判員制度にとどめを刺しましょう。
 私たちは11月2日、裁判員制度の廃止を要求し、最高裁を包囲する都心デモを敢行します。中国侵略戦争を目指した改憲に反対するかつてない重大な闘いの一環です。改憲と戦争に反対して闘う全国の仲間の皆さんの参加を心から呼びかけます。 

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11・2裁判員制度廃止最高裁デモ
 11月2日(木)正午 日比谷公園霞門
 (デモコース 日比谷公園霞門~東京地裁~経産省・文科省~首相官邸下~最高裁 約1時間)
 呼びかけ 憲法と人権の日弁連をめざす会/裁判員制度はいらない!大運動

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