戦争賛美に転落した連合 沈黙でガザ大虐殺を容認・支持

週刊『前進』04頁(3319号02面04)(2023/11/13)


戦争賛美に転落した連合
 沈黙でガザ大虐殺を容認・支持


 11・19全国労働者総決起集会は目前に迫った。この集会は階級的労働運動を甦(よみがえ)らせて新自由主義を終わらせ、労働者国際連帯で戦争を止めるために開かれる。
 ウクライナでの戦争はさらに激化・泥沼化して核戦争を引き寄せている。イスラエルは連日、パレスチナ人民への残虐極まるジェノサイドを繰り広げている。東アジアでは日米帝国主義が「台湾有事」を口実にした中国への侵略戦争に突き進んでいる。
 全世界の労働者は今、街頭で、職場で、イスラエルの暴虐に対する怒りに燃えてデモやストライキに立っている。アメリカのオークランドではイスラエルに武器を送る船舶の出港を実力で止める闘いが起きた。労働組合は、こうした闘いの最先頭に立つべき存在だ。
 だが連合は、ガザで起きている事態について声明一つ出さない。それはイスラエルによるジェノサイドを容認し支持することに等しい。岸田政権は「イスラエルには自衛権がある」と叫んでパレスチナ人民の大虐殺を支えている。その岸田にどこまでもすり寄っているのが連合だ。ウクライナ戦争をめぐっても、連合の清水秀行事務局長(日教組前委員長)は、自衛隊病院へのウクライナ傷病兵の受け入れを賛美した。
 戦争絶対反対を貫くことは労働組合の本質的任務だ。連合はそれに真っ向から敵対している。改憲と「戦争ができる国」づくりのために強行された国鉄分割・民営化によって生み出され、階級的労働運動をつぶすために自民党と資本によって育成されてきた連合の本質は、戦時下でさらにむき出しになったのだ。

さらなる官製春闘で賃金も戦時統制

 岸田が減税を唱えるたびに労働者人民の怒りはかきたてられる。5年で43兆円の大軍拡を進める岸田が、大増税を強行してくるのは明白だからだ。かつてない人民の怒りに包囲されている岸田を、最後の一線で支えているのが連合だ。
 連合は10月5〜6日の定期大会に岸田を招き、岸田はそこで「今年の春闘で賃上げ率は30年ぶりの高水準になった」「賃上げの大きなうねりを持続的なものにする」と発言した。だが、23春闘の結果は、インフレ率を下回る実質賃下げだった。芳野友子会長が委員長を兼務するJAM・JUKI労組に至っては、ベアゼロを無抵抗で受け入れた。「賃上げの大きなうねり」など、どこにあるのか。
 23春闘は賃金集中回答日に政労使会議が設定され、徹底した官製春闘になった。岸田は24春闘を、それ以上の官製春闘にしようと狙っている。11月6日の経済財政諮問会議で岸田は、「来年の春闘に向けて、経済界に対して私が先頭に立って賃上げを働きかけていく」と発言した。賃金水準は政府の政策で決めると言わんばかりの態度だ。
 これに先立ち連合は、10月19日の中央執行委員会で3%(定期昇給込みで5%)の「賃上げ」要求を決めた。インフレもカバーできない賃下げ「要求」だ。
 他方、経団連も(定昇込みで)4%程度の「賃上げ」を認めると表明した。まさに賃金も戦時統制下に置くような事態が進んでいる。これを認めた連合は、軍需産業の強化にも賛成し推進することに必ずなる。

新自由主義の攻撃打ち破った3労組

 一方、そごう・西武のストライキは、日本でもストライキ復権のうねりが始まったことを示した。自らの闘いで権利を奪い返す行動は労働者の圧倒的な共感を呼び、連合最大労組であるUAゼンセンの執行部に対する鋭い批判も噴出した。だから連合幹部は闘いの抑圧に必死となり、労働組合の存立基盤を自ら掘り崩して、「労組なき社会」化に道を開いているのだ。
 11・19労働者集会を呼びかけた3労組は、1980年代以来の新自由主義の攻撃を打ち破り、団結を維持してきた歴史を持つ。4千万人の労働者を非正規職化した新自由主義と闘いぬいた3労組は、連合の対極に位置している。そこに連合を打倒し、階級的労働運動を甦らせる展望がある。
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部は戦後最大の労働組合弾圧と全力で対決し、現場攻防を軸に反転攻勢を切り開いている。全国金属機械労組港合同は地域を覆った倒産攻撃に職場占拠・自主生産を貫いて団結を守りぬいた。動労千葉は国鉄分割・民営化にストライキで反撃し、JR体制下でも外注化・非正規職化の攻撃と果敢に闘いぬいてきた。また、中国侵略戦争の切迫に対して戦争協力拒否を宣言し、ガザ大虐殺の中でパレスチナの労働組合が発したイスラエルへの武器供与を止める行動の呼びかけに、断固とした連帯メッセージで応えている。
 この3労組が、戦時下のこの時代に特別な決意を込めて11・19集会を呼びかけた。日比谷野音に集まり、戦争阻止・岸田打倒の大デモに立とう。
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