三里塚 耕作権裁判 法理証人の逃亡を弾劾 航空写真鑑定、NAAを追撃

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週刊『前進』04頁(3320号04面02)(2023/11/20)


三里塚 耕作権裁判
 法理証人の逃亡を弾劾
 航空写真鑑定、NAAを追撃

(写真 「パレスチナ人民虐殺やめろ! 農地死守」の訴えをとどろかせ、反対同盟を先頭に千葉市内デモ【11月13日】)

 千葉地裁民事第2部(齊藤顕裁判長)で11月13日、市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援100人がともに闘った。正午から千葉市中央公園で決起集会が開かれた。
 最初に東峰の萩原富夫さんが発言し、今後毎月人証調べでの開廷が続くことを確認した上、成田の軍事使用を許さず、市東さんの南台農地を守り抜くことを呼びかけた。
 続いて動労千葉の北村武執行委員が、11・19全国労働者集会に結集して「ガザ虐殺やめろ」の怒りの都心デモに立つことを訴えた。
 千葉地裁に迫る市内デモに出発。婦人行動隊の宮本麻子さんが宣伝カーから「戦争反対、農地死守」の声を響かせた。
 60を超える傍聴席を埋めて開廷。最初の証人は、元空港公団用地部職員の法理哲二だ。ところが齊藤裁判長は、法理からの「現時点で出廷するつもりはない」なる電話連絡が10月24日にあり、実際来ていないことを告げた。「そんなことを認められるか!」と傍聴席は騒然となった。
 反対同盟顧問弁護団が猛然と抗議した。「本件の最重要争点である石橋家(元反対同盟副委員長)と市東家の南台の賃借地の位置を明らかにする上で、法理証人は不可欠だ。拘引してでも出廷させるべきではないか。再喚問するという姿勢を明らかにせよ」。裁判長は「検討させていただく」とだけ答え、強引に次の証人を呼び出した。
 次は、東京医科歯科大学名誉教授の橋本正次氏。事件や災害での犠牲者の頭蓋骨と生前写真などを重ね合わせて個人を識別する法歯学・法人類学の専門家だ。
 橋本氏は弁護団の主尋問に答え、鑑定結果を解説した。1946年から2001年までに撮られた南台農地の航空写真15枚と、08年に土地家屋調査士の青柳晃敬氏が作成した南台の関係土地図を重ね合わせた結果、石橋宅地の北側に隣接する土地(土地図上でE1)に戦後から石橋家の屋敷林がはみ出して植えられていると確認できた。
 つまり、このE1土地を成田空港会社(NAA)は「市東家の賃借地」と決めつけていたのだが、実際は石橋家の占有地だったと明らかにされ、訴訟の大前提が崩壊した。上野至NAA代理人は橋本鑑定にケチをつけようと反対尋問を行ったが、証人に一蹴された。
 尋問後に弁護団が再度法理の再喚問を要求すると、唐突に上野が「法理さんは石橋の賃借地買収交渉とは関係ない」などと発言した。この一言で法理の逃亡はNAAがそそのかしたものと十分推察できる。
 次回期日は12月18日。
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