「政府クラウド」導入阻止を 徴兵・戦時体制へ自治体の 持つ全住民情報の掌握狙う

週刊『前進』04頁(3324号02面04)(2023/12/18)


「政府クラウド」導入阻止を
 徴兵・戦時体制へ自治体の
 持つ全住民情報の掌握狙う


 12月4日付読売新聞は、全国の自治体の全住民情報を国がITで管理する「政府クラウド」への移行が、目標の2025年度末までに都道府県や政令市の3割で完了できないと報じた。住民監視と徴兵・徴用・戦費調達の土台作りが「間に合わない」と、危機感丸出しで財政支援と強権発動を求めたのだ。自衛隊への名簿提供阻止の大運動を全国で猛然と進め、政府クラウドを破綻に追い込もう。

デジタル化の破綻が迫る

 政府はこれまで各自治体がバラバラに管理してきた住民情報データとシステムを統一することを21年に法律で義務付け、25年度にクラウドに移行することを計画している。
 読売新聞は11月、その進捗(しんちょく)状況を47都道府県と道府県庁所在市、政令市、東京23区を対象に調査した。政府クラウドに「移行する」が9割を占めたが、福井市、東京都港区など9自治体が「決めていない」として「現在の方が安上がり」「移行に伴うリスクなどを総合的に判断する」などと回答。25年度に移行が「完了しない見込み」の自治体は、さいたま市や横浜市、神戸市など38自治体に上った。法律上はあくまで「努力義務」であるため、反対運動の爆発でクラウドへの移行を阻止することもできる。
 マイナンバー(個人番号)制度を土台とする医療・自治体の全面デジタル化は破産している。マイナ保険証の利用率は10月時点で4・49%にまで低下した。12月12日、岸田はマイナンバーとひも付けられた健康保険証の情報を住民基本台帳と照合した結果、氏名などが一致しないケースが約139万件に上ると公表。しかし同時に、現行の健康保険証を来年秋に予定通り廃止すると強弁した。また、高齢者や障害者ら暗証番号の設定や管理に不安のある人を対象に「暗証番号なし(顔認証)カード」の交付受け付けが始まる。本人を認証できなかったり別人でも認証されたりする欠陥システムのまま、保険証廃止が強行されようとしている。社会保障削減と一体で医療・介護の崩壊がさらに壊滅的に進むのは必至だ。全国の保険医団体、医療労組などの保険証廃止反対の運動はいよいよ燃え上がっている。

狙いは徴兵名簿の作成だ

 岸田政権はなぜデジタル化を急ぐのか。もはや岸田や河野太郎デジタル相が言う「利便性」など誰も信じない。マイナンバー制度を徴兵・戦時体制の土台とすることが最大の目的であることは明らかだ。
 12月3日付読売新聞は、政府が医師や看護師、介護福祉士など40の国家資格の手続きを24年度中にオンライン化し、教員などに拡大する計画を報じた。資格保有者名簿と住民基本台帳や戸籍の情報をオンライン接続するために、政府クラウドへの25年度までの移行が目標とされているのだ。
 戦前・戦中には役場の兵事係が徴兵適齢者と有資格者・技術者、家族・親族の所得と資産、学歴・犯罪歴・思想傾向を掌握して召集名簿を作成。「スパイ」摘発や国防献金集めまで行った。今度は国家機関がダイレクトに掌握・監視することが狙われている。兵事係に代わる政府クラウドの発動を許してはならない。
 自治体の募兵名簿提供=徴兵業務は青年を戦場に送る犯罪行為だ。パレスチナで大虐殺を続けるイスラエル軍のように、米軍と一体で中国侵略戦争―世界戦争に突進する日本帝国主義・自衛隊の募兵に手を貸すことがあってはならない。

自治体現場で闘い広がる

 東京都杉並区、板橋区など全国の自治体現場で募兵名簿提供阻止の闘いが広がっている。神奈川では、改憲・戦争阻止!大行進神奈川などが「自衛隊への『個人情報』の閲覧・提供の中止を求める署名」を呼びかけ、横須賀、横浜、川崎など各市長への申し入れ行動と街頭宣伝がマスコミで大きく報じられた。
 反戦デモと一体で、労組・職場に署名用紙が果敢に持ち込まれている。自治労横浜区役所支部は署名方針を決定し職場に回した。10月25日の自治労横浜大会では労組交流センターの仲間が反戦・募兵名簿提供反対を訴え、本部の反対表明と取り組み強化の答弁を引き出した。横浜市従(自治労連系)大会でも署名に多くの組合員が応じた。川崎市職労や教組各分会からも多数の署名が寄せられている。反戦闘争を闘う労働組合の再生そのものだ。
 自宅に突然届く入隊勧誘のダイレクトメールは戦争と徴兵が切迫する危機を当人と家族に強烈に突きつける。戦争絶対反対の闘いが巨大な力を生む。政府クラウドへの移行を自治体に断念させるなら岸田の戦争計画は頓挫する。すでに25年度からの軍拡増税は断念に追い込まれている。反戦デモに総力決起し戦時体制構築を絶対に粉砕しよう。
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