ガザ大虐殺今すぐやめろ 戦火の拡大に全世界で怒り

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週刊『前進』04頁(3328号03面01)(2024/01/22)


ガザ大虐殺今すぐやめろ
 戦火の拡大に全世界で怒り

(写真 「イスラエルへの支援をやめろ!」。米首都ワシントンでのデモには40万人が結集した【1月13日】)

 パレスチナ自治区ガザではイスラエルによる人民虐殺が続いている。10・7蜂起から100日が経過する中、連日100人以上が殺され、犠牲者は2万4千人を超えた。中東支配崩壊の危機に瀕(ひん)した米英帝国主義もイエメンを爆撃するなど凶暴化しているが、各国で爆発する反戦闘争が帝国主義とイスラエルを追いつめている。日本からも岸田政権打倒の巨大な反戦闘争を巻き起こそう。

ジェノサイドをあくまで継続

 ガザ保健省は1月16日、10・7以降のパレスチナ側の死者が2万4285人、負傷者は6万1154人に上ったと明らかにした。13日の発表によると、ガザの住民の20人に1人が死傷者または行方不明者になっている。がれきの下に取り残された人々のもとへ救助隊が到達できず、救急車もごく少数しか稼働していないという。
 保健省の報道官は、南部ラファでは推定130万人の避難民にインフラや医療機関が対応しきれないと明かした。世界保健機関(WHO)など国連3機関は15日の共同声明で「ガザで飢餓のリスクが高まり、多くの人が致命的な病気にかかる状態におかれている」と指摘している。
 12日から13日にかけてはラファへの空爆で民家が破壊され10人が死亡、ガザ全体で165人がイスラエル軍に虐殺された。ガザ中部では人口密集地の難民キャンプ周辺で銃撃戦や砲撃、空爆が相次いでいる。
 イスラエルのネタニヤフ首相は14日の閣議で、ハマスの壊滅には「何カ月もかかる」との見通しを示した。15日にはガラント国防相が「北部での(集中的な作戦の)段階はまもなく終わる。南部でも目標を達成し、すぐに終わるだろう」と述べた。現在の集中的な作戦が終わった後も、「ハマス壊滅」まで何カ月も虐殺を続け、パレスチナ自治区全体を地図から消し去ろうというのだ。一方、人質解放をめぐってはイスラエル国内で政権への不満が高まり、抗議のデモが続いている。内政的にも危機を深めながら、ネタニヤフはあくまでパレスチナ人民を一掃する民族浄化・ジェノサイドを推し進めている。
 米帝・イスラエルによる人民大虐殺の継続を絶対に許すことはできない。

米英のイエメン空爆強行に怒り

 アメリカをはじめとする帝国主義に支えられたイスラエルのガザ大虐殺は、中東全体に戦火を拡大させている。
 15日、イラン精鋭部隊「革命防衛隊」がイラクにあるイスラエルの諜報(ちょうほう)機関モサドの拠点をミサイル攻撃した。12月に同隊の軍事顧問がイスラエルの攻撃で殺害されたことへの報復だという。イスラエルは、イランの支援を受けるシーア派組織ヒズボラを標的としてレバノンにも空爆を加えている。
 一方、イエメンのイスラム組織フーシ派が「ガザ停戦」を要求して紅海でイスラエル関連の商船を相次いで攻撃したことに対し、米軍が報復攻撃を続けている。ブリンケン米国務長官はネタニヤフと会談した翌日の10日に急きょバーレーンを訪問し、フーシ派対策について協議した。
 11日には米英軍が「フーシ派の拠点をたたく」と称してイエメンを空爆。オランダ、カナダ、バーレーン、オーストラリアがこれを支援した。バイデンは「さらなる措置も躊躇(ちゅうちょ)しない」と宣言した。フーシ派は73回の攻撃を受けて5人が死亡、6人が負傷したとして「今後さらに厳しい軍事的報復を行う」と強調、実際にミサイル発射を続けている。
 また、米中央軍は11日にイランからフーシ派へ軍備品を輸送していた船を拿捕(だほ)し、ミサイルの部品などを押収。12日から13日にかけてもイエメン国内約30カ所を攻撃した。
 米帝とイスラエルは、自らが行っているジェノサイドによって中東諸国の民族解放・パレスチナ連帯闘争の爆発を呼び起こし、武装勢力の抵抗を激化させ、これを圧殺するために軍事的エスカレーションに走っているのだ。それが帝国主義による中東支配の崩壊にますます拍車をかけることは不可避だ。

労働者の闘いが帝国主義を包囲

 ジェノサイドを続け中東全域に戦争を拡大する帝国主義・イスラエルは、今や全世界の労働者の怒りに包囲されている。
 米首都ワシントンでは13日、ガザでの即時停戦を求めるデモに40万人が集まった。デモ隊はバイデン宅を包囲して「イエメンに手を出すな」と叫び、パレスチナやイエメン、南アフリカなどの旗を持ってホワイトハウスに迫りガザ虐殺を弾劾した。カリフォルニア州では13日朝、数千人がオークランド港を封鎖し、イスラエルへ向かう軍用船の寄港も阻止した。100日にわたるジェノサイドに対し、イギリスや南アフリカ、韓国、インドネシアなど各国の主要都市で集会やストライキが闘われている。
 米英帝の空爆を受けたイエメンでも、12日に大規模な反米デモが行われた。
 米帝とともにイスラエルを支える日帝・岸田政権を打倒しよう。1・26通常国会開会日闘争に決起し、戦争国会を粉砕しよう。
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