帝国主義に加担する日本共産党 排外主義あおり反戦闘争に敵対

週刊『前進』04頁(3330号04面02)(2024/02/05)


帝国主義に加担する日本共産党
 排外主義あおり反戦闘争に敵対


 日本共産党は1月15~18日、第29回党大会を開き志位和夫に代わる田村智子新委員長体制を決定した。今回の大会は、志位路線の全面的大破産を刻印するものだ。まさに第3次世界大戦が現実に始まっている歴史的情勢下で、帝国主義に完全に屈服し、帝国主義の戦争に協力・加担するところまで転落したのである。

帝国主義に屈服し戦争にも加担

 日本共産党は、2年前のウクライナ戦争開戦時に、「ロシアのウクライナ侵略」と一面的に規定し、戦争の本質がアメリカ帝国主義を先頭にする北大西洋条約機構(NATO)によるウクライナ人民を犠牲にしたロシア弱体化のための戦争であることを否定した。
 そして、米日帝国主義の中国侵略戦争に向けての策動が強まる中で、「尖閣諸島は日本の固有の領土」の主張に示されるように、対中国の排外主義をあらわにし、「台湾有事は日本有事」を叫ぶ自国帝国主義の戦争準備に協力している。
 戦後世界体制の基軸として君臨してきたアメリカ帝国主義が没落し、危機を深めていることが世界に戦争を引き起こしている元凶である。そのことを否定して、ロシア、中国の覇権主義との対決を強調し、帝国主義を美化し、屈服、協力しているのである。
 さらに、日本共産党は昨年10・7蜂起について、口を極めて「ハマスのテロ」と非難し、パレスチナ人民の民族解放・革命戦争を否定しイスラエルを免罪した。彼らは「両者(イスラエルとパレスチナ)の相互承認の原則を踏まえたとりくみ」を提唱する。日本共産党は「20世紀に植民地体制は崩壊した」と言うが、米英帝国主義はイスラエルを先兵としてパレスチナへの植民地主義的侵略を75年以上も続けてきた。どうしたらこれを承認せよと主張できるのか。
 中国についても、「この4年間も、中国による覇権主義と人権侵害の行動は続いている」として、日帝の立場に立った中国非難を繰り返した上で、「戦争ではなく外交で」などと言っている。現に沖縄米軍基地を新設・強化し、南西諸島にミサイル基地を建設して日帝が猛然と戦争準備を進めている時に、帝国主義こそが戦争危機の元凶であることをあいまいにして中国非難を強めているのだ。
 決定的に重要なことは、「アメリカの行動に、国際問題を外交交渉によって解決するという側面」があると言って米帝を美化していることだ。だが、米帝バイデンは米軍が台湾に介入するかとの質問に「イエスだ」と明言している(2022年9月)ではないか。
 日本共産党は、「共産主義」の看板を掲げながら、帝国主義を打倒するプロレタリア革命に敵対し、労働者階級の闘いを抑えつけるスターリン主義反革命にほかならない。とりわけ今日においては「侵略戦争を内乱へ」転化する闘いに真っ向から反対し、それをつぶすために全力で襲いかかってくる。1970年安保・沖縄闘争で日本共産党は、国家権力には向けたことのない武器を闘う労働者学生に向けて武装襲撃を繰り返した。日本共産党は闘う労働者人民の敵だ。

「野党連合政権」の志位路線破綻

 志位は2000年の第22回大会で不破哲三を継いで委員長になった。その大会で党規約を改定、党の性格を「労働者階級の前衛政党」から「日本国民の党」へと変更、04年に綱領そのものを大改定し、綱領から階級的なものの見方、考え方を一掃した(規約、綱領改定は不破が主導)。そして「資本主義の枠内での民主的改革」を綱領路線とし、資本主義体制の翼賛政党であることを宣言した。
 しかし、志位のもとで国政選挙では敗北が続き、党勢はずるずる後退した。ブルジョアジーにすり寄れば支持が拡大し党勢が伸びるというものではなかったのだ。14年の総選挙で議席数を伸ばしたが、これは民主党政権3年間がブルジョア独裁の継続でしかなかったことの反動から共産党に票が流れたものにすぎない。
 日本共産党は15年の安保・戦争法に対する大衆闘争の爆発を抑制する一方、同法成立直後に「国民連合政権」構想を提唱し、連合政権のもとでは安保条約堅持、自衛隊活用に賛成することまで誓った。20年の28回大会で、それまで「社会主義をめざす国」とする評価を引きずってきた中国に対する綱領上の規定を大転換し、中国、ロシアを念頭に「大国主義・覇権主義が世界の平和と進歩の逆流」と明記した(対米批判は大幅に削除)。こうした屈服と転向の末路は、日本共産党の党勢衰退であり、路線的行き詰まりである。こうして、彼らの反革命的転落は一層進行するのだ。その危機は、田村委員長体制などという小手先の対応で解消されるものではない。
 今始まっている第3次世界大戦過程は、全ての政治勢力をふるいにかけ、真価を問う巨大な試練である。岸田政権は軍事費を2倍化し、沖縄を最前線基地化して「台湾有事」を叫び戦争に向かって突進している。戦争を必然とする帝国主義と真っ向から対決し、侵略を内乱に転化しよう。帝国主義に屈服し、労働者階級人民の内乱、蜂起に全力で敵対してくる日本共産党を打倒しよう。反帝・反スターリン主義世界革命に向かって革共同に結集しよう。(高田隆志)
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