私たちは戦争動員を拒否する 医療・介護・福祉労働者が反戦集会

週刊『前進』04頁(3338号03面02)(2024/04/01)


私たちは戦争動員を拒否する
 医療・介護・福祉労働者が反戦集会

(写真 白衣の医療労働者を先頭にデモ【3月20日 東京都杉並区】)

(写真 大結集で集会会場が満杯になった)


 3月20日、東京・杉並勤労福祉会館に首都圏全域から医療・介護・福祉労働者が結集し、集会実行委員会の主催で反戦集会とデモを行った。「医療を戦争の道具にするな! 私たちは戦争動員を拒否する」のスローガンを掲げ、中国侵略戦争に突き進む岸田政権が狙う医療の戦争動員・戦時医療への転換攻撃と真っ向から対決する闘いだ。会場は労働組合や区内の作業所、地域から参加した90人の熱気であふれた。
 集会冒頭に、司会を務めた泉陽会労働組合の新井佳世子委員長が、8・6暴処法弾圧で不当逮捕された大阪・高槻医療福祉労組の書記と八尾北医療センター労組の組合員を含めた5人が前日に起訴されたことを弾劾。反戦運動・労働運動つぶしに全参加者が怒りを爆発させ、弾圧粉砕、5人の奪還へ決意を新たにした。
 続いて、東京過労死を考える家族の会の中原のり子さんが連帯アピール。医師数抑制政策を告発し、過労死をなくすために声を上げ続ける決意を語った。

現場の怒りを共有

 区内の老人福祉施設の労働者がメインの基調提起を行った。イスラエルの攻撃によってパレスチナの病院が墓場とされている現状を前に、戦争をしてしか生き延びられない帝国主義を倒し、社会を根本から変えようと訴えた。
 その上で、戦時中に中国で残虐な人体実験を行った日本軍の731部隊にみられるように、近代医療が戦争と共に「発展」してきた歴史を振り返り、「あらゆる能力を国力としての防衛力という観点で総合的・一体的に利活用する」(有識者会議)とうたう政府が再び医療の戦争動員を狙っていることを鮮明にした。そして、医療を「戦争に役立つ」人の命だけを救うものへと転換させる攻撃に対し「医療・介護・福祉労働者が戦争絶対反対の先頭に立つ時だ」と呼びかけた。
 戦時医療への転換は、4月1日の診療・介護・障害福祉サービス報酬改定の内容にもはっきりと表れている。続いて、訪問介護、施設介護、介護老人保健施設(老健)、福祉作業所の労働者が、改定に伴いそれぞれの現場にかけられる攻撃の実態を基調の一環として具体的に暴露した。
 一陽会労働組合の坪井静委員長を筆頭に、介護労働者の仲間たちは「介護崩壊」は戦時下で政府が意図的につくり出した現実であり、一切の矛盾が労働者と利用者に押し付けられていることを怒りをこめて提起。介護・福祉の現場で露骨に「生産性向上」が叫ばれ、タスクシェアリングなどによる労働強化や人員不足を逆手にとる形でのデジタル化が狙われていることを明らかにした。そして、これと一体で進む社会保障の全面解体に対して春闘ストライキで反撃する決意が表明された。区内の共同作業所の仲間は、通所者の利用時間や工賃によって報酬に差をつける攻撃の狙いは障害者・作業所の戦争動員だと暴露・弾劾した。

ストで現実変える

 さらに、昨年末に2波のストに立った千葉・船橋二和病院労組、3月14日にストを決行(記事2面)した神奈川・相模更生会従業員組合の仲間がアピールに立った。二和労組の飯田江美委員長は、医師の長時間労働・過労死を合法化する「宿日直許可申請」を許さず3月8日に厚生労働省抗議行動を行ったことを報告し、「現場で起きている〝戦争〟と立ち向かう力こそが社会を変え戦争を止める力になる」と力強く訴えた。更生会組合の荒井素子委員長はスト翌日に同僚から支持の声が寄せられたことを紹介し、雇い止め阻止へ闘う決意を述べた。
 最後に、マイナ保険証強制、都立病院独立行政法人化などとの闘いを担ってきた仲間たちの発言を受けてJR西荻窪駅方面へのデモに出発。右翼の妨害に一歩も引かず、洞口朋子杉並区議を先頭に街頭の人々との合流をかちとった。

このエントリーをはてなブックマークに追加