戦時入管体制づくり許すな 国際的団結で改悪入管法粉砕へ

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週刊『前進』04頁(3340号04面01)(2024/04/15)


戦時入管体制づくり許すな
 国際的団結で改悪入管法粉砕へ


 4・10日米首脳会談は、中国侵略戦争に突き進む日米同盟構築の画歴史的な戦争会談となった。今国会で進む軍拡と治安管理強化と一体の攻撃としてあるのが、難民排除・永住権剝奪(はくだつ)の入管法改悪だ。中国侵略戦争遂行のための戦時入管体制を怒りを燃やして粉砕しよう。
 3月15日、閣議決定された入管法改悪案は2件ある。1件目は在留カードとマイナンバーカードの一体化を図る法案であり、2件目が、技能実習制度に代わる「育成就労制度」を創設する法案だ。在留カード制度は、外国人を地方自治体で住民として把握していた外国人登録法を廃止し、代わって法務省・入管庁が在日外国人の情報を一元的に管理するものだった。遅々として取得が進まないマイナンバーカードを、外国人管理に適用しようというのだ。
 そして「現代の強制労働」だと悪評が高い技能実習制度の「抜本的改正」と称して登場したのが「育成就労制度」だ。「外国人材の確保・育成」を目的に掲げ、就労期間3年を経て「特定技能1号」への移行をめざす。しかし改正の目玉とされた「転籍=職場移転の自由」は、自民党からの横やりで「当面は就労開始1~2年の範囲で転籍を制限する」となった。さらに法案が成立しても施行は3年後とされ、現在、長時間・低賃金の労働現場でパワハラ・セクハラに苦しむ技能実習生を救済しようとするものでは全くない。
 そもそも育成就労の3年に加え、最長5年働けるとする特定技能1号も、家族帯同禁止、若い労働者に8年間ひたすら日本の労働力不足を補うために働けという非情な制度だ。
 さらに条件を満たせば「特定技能2号」の在留資格を得ることができ、永住権取得の道も開けるとされるが、2019年の制度開始から昨年末まで2号の資格者は37人にすぎない。
 政府は3月29日の閣議で、特定技能1号の対象分野を12分野から16分野に拡大し、今年4月から5年間の特定技能1号で働く外国人の「受け入れ見込み数」を最大82万人とした。
 新たに追加されたのは、自動車運送、鉄道、林業、木材産業の4分野だ。「3800人」の受け入れを見込む鉄道で、コストや安全面で渋る他企業を尻目にいち早く受け入れを決めたのがJR東日本だ。6人のタイ人労働者を受け入れ、4月1日には華々しく開講式を行い、大宮総合車両センターで「鉄道車両整備職種」の実習を始めた。しかし、JR東日本のパフォーマンスにもかかわらず、もはや日本が「外国人に選ばれる国」ではないことは明らかだ。昨年12月時点で1号は20万8425人、19年の制度開始前に見込んだ5年間で34万5千人はいまだ実現していない。
 しかし大問題は、この機に乗じて出てきた永住権剝奪攻撃だ。永住者が、「入管法に規定する義務を遵守(じゅんしゅ)せず、又は故意に公租公課の支払をしないこと」等を在留資格取消事由として整備し、入管法違反、税金・保険料滞納などで永住権許可を取り消すというのだ。督促・差し押さえ・行政罰などで済むことを永住権剝奪に踏み込んできたのはなぜか。しかも地方自治体に通報を義務付けるとは、地方自治法改悪案と直結した攻撃だ。これこそ戦争準備であり、戦時入管体制による外国人治安管理そのものだ。
 4月5日、昨年強行成立された難民排除の改悪入管法施行が6月10日と決まった。絶対粉砕あるのみ!
 入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が呼びかける4・21全国交流集会に集まり、民族・国籍・国境を越えた労働者の国際連帯で日本の中国侵略戦争を阻止しよう!
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