韓国の闘いに続こう 「労働者がユンを逮捕する」 民主労総先頭に実力闘争

週刊『前進』04頁(3378号02面01)(2025/01/13)


韓国の闘いに続こう
 「労働者がユンを逮捕する」
 民主労総先頭に実力闘争

(写真 令状執行のパフォーマンスのみでユンソンニョル拘束を断念した合同捜査本部に代わってユンを逮捕しようと大統領公邸に迫る民主労総のデモ隊。立ちはだかる警察権力に怒りが爆発【1月4日 ソウル】)

(写真 雪が降り積もる中でも闘争現場の雰囲気は明るい【1月5日】)


 昨年12月3日の大統領ユンソンニョルによる非常戒厳クーデターを粉砕した韓国労働者階級の闘いは年を越え、激しさを増して続けられている。民主労総を先頭として不屈に闘い抜かれる労働者階級の実力闘争こそがユンを引きずり出し、政権を完全打倒して韓国社会を根底から変革する唯一の力であることが、今や満天下に明らかになった。革命勝利に向け前進する韓国の仲間と連帯して闘おう。
 12月14日の弾劾訴追案可決に続き31日にはユンに対する拘束令状が発付されたが、合同捜査本部による1月3日の執行は大統領警護処の職員や極右勢力により実力で阻まれた。ユンは自らの支持者らに「反国家勢力のうごめきで今の韓国は危険だ」「皆さんと共にこの国を守るために最後まで闘う」などとメッセージを寄せ、徹底抗戦の構えを崩していない。
 この状況を突破する意志と力は裁判所にも合同捜査本部にも野党にもない。情勢を決するのはただ一つ、労働者階級の実力闘争だ。

20万人が大統領公邸へ

 文字通りその最先頭に立って情勢を切り開いているのが民主労総だ。民主労総は1月3日、拘束令状の執行を断念してソウル・ヨンサン(龍山)の公邸から手ぶらで引き返した合同捜査本部に怒りを爆発させ、「権力に屈従した合同捜査本部は退け、労働者が自ら逮捕する」と宣言。午後から決意大会を開き、公邸に向けたデモを皮切りとする1泊2日闘争に打って出た。組合員たちが警察の阻止戦を突破して確保した公邸近くの集会現場には労組旗が翻り、「ユンソンニョルの即時逮捕を求める緊急行動」のデモ参加者も合流。計約20万人が結集し、全車線を占拠して徹夜の座り込みが闘われた。
 翌4日のデモ中、警察権力は金属労組巨済統営固城(コジェトンヨンコソン)造船下請け支会とサービス連盟学校非正規職労組の組合員2人に暴力をふるい不当逮捕した。しかも警察は逆に「民主労総の組合員が警察官に暴力をふるった」などというデマで「民主労総=暴力集団」キャンペーンを張ろうとしたが、むしろ「警察は犯罪者ユンソンニョルではなく労働者を逮捕するのか!」という怒りの炎はさらに燃え上がり、青年をはじめとする数万人の市民が続々と現場に結集。この力で2人は翌日奪還された。
 公共運輸労組のオムギリョン委員長は不当逮捕を受け、過去の軍事独裁政権でも下手人となってきたのが警察だと弾劾。「警察は全国で14万人程度だが、わが公共運輸労組組合員は25万人だ」と、気迫に満ちたアジテーションを飛ばした。
 激しい攻防と労働者民衆の大結集の中で闘争は3泊4日に延長され、4日の夜からは一晩中雪が降り続く中で数千人規模の労働者民衆が現場を守り抜いた。各労組が用意した暖をとるためのバス、温かい食べ物を提供するフードトラックなどに続き、多くの市民たちが防寒シートや食品などを次々と差し入れた。
 戒厳宣布以降、国家権力の威信失墜の対極で、体を張って闘いの先頭に立つ民主労総に対する労働者民衆の信頼はこれまでになく高まっている。座り込み現場では、市民たちも「トゥジェン!」で連帯のあいさつを交わす同志となった。
 ヤンギョンス委員長は3泊4日の闘争を総括して、「パククネ政権を退陣させても何も変わらないとため息をついた過ち、(解放後に)日本帝国主義を清算できず親日派がのさばった過ち、軍事独裁の反逆者らがいまだに既得権を維持しているという嘆きを繰り返してはならない」と訴えた。2016~17年のろうそく革命を乗り越え、労働者階級こそが権力を握る挑戦が力強く始まったのだ。

日米韓軍事同盟粉砕を

 「(日帝の)植民地支配を終わらせるために立ち上がった独立軍の心情で、軍事独裁を止めるために立ち上がった市民軍の心情で、民主労総らしく闘争を続けよう!」----ヤンギョンス委員長は1月3日、ユンソンニョル逮捕闘争の開始に際してこのように訴えた。韓国労働者階級にとってユン打倒の革命は、今も韓国社会に影を落とす日帝の侵略と植民地支配の歴史の一切に終止符を打ち、清算する闘いとしてあるのだ。
 日帝と同様にアメリカ帝国主義にとっても、戦後、台湾と並んで東アジアにおける反共軍事基地国家として形成してきた韓国は決定的な位置をもつ。だからこそ、自らも絶望的な危機にある米日帝は韓国労働者階級の闘いに誰よりも恐怖し、ユン政権を支えようと必死になっている。バイデンは急きょブリンケン国務長官に韓日を訪問させ、「米日韓連携の戦略的重要性」を再確認した。
 米日帝の構える中国侵略戦争が、南西諸島、台湾と並んで朝鮮半島をも戦火にたたき込むものとなることは不可避だ。南北朝鮮、そして中国の労働者階級との国際連帯を貫き、日帝・石破政権打倒、中国侵略戦争阻止へ闘いを進めよう。

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