ガザ大虐殺を許すな イスラエル大規模作戦を開始
週刊『前進』04頁(3397号04面04)(2025/05/26)
ガザ大虐殺を許すな
イスラエル大規模作戦を開始

(写真 5月17日、ロンドンで1948年のイスラエル「建国」に伴う民族浄化を記憶する「ナクバの日」に合わせ50万人超がパレスチナ連帯デモ)
イスラエル軍は5月16日、パレスチナ自治区ガザで大規模攻撃の第1段階を開始したと発表した。最後的にガザを更地化し、人民を一掃することを狙う大虐殺を開始したのだ。アメリカ帝国主義・トランプは、ガザ住民をアフリカのリビアに移住させる計画を策定中だと報じられている。中国侵略戦争にすべての力を注ぐために、早急にガザ・中東の「平定」を完了しようとしているのだ。
空爆と地上作戦で連日100人以上殺害
イスラエル軍は15日から、ガザ全域の病院や難民キャンプなど670以上の標的を空爆した。トランプが中東訪問を終えた16日、同軍は「過去24時間でガザで大規模な攻撃と部隊の動員を開始した」と発表した。18日には大規模な地上作戦が始まり、北部で唯一機能していた病院が閉鎖された。連日100人以上が殺害され、15~18日の4日間に子どもを含む500人以上が死亡した。2023年10月7日以降の死者数は5万3千人を超える。イスラエル軍は大規模作戦の開始に先立って北部に新たな避難命令を出し、19日には「前例のない攻撃」を開始するとして南部ハンユニスの住民にも西部への避難を命じたという。だが、国連によると、すでにガザ全域の7割が立ち入り禁止や避難命令の対象となっており、ネタニヤフ首相は同日、「ガザ全域の制圧を目指す」と宣言した。210万人の住民を「避難」させるつもりなど初めからなく、皆殺しを狙っていることは明白だ。
イスラエル軍が支援物資の搬入を2カ月半、完全に停止した影響で、ガザでは食料や医療物資が急速に不足している。国連児童基金(ユニセフ)と世界食糧計画(WFP)は12日、すべての住民が食料不安の状態にあり、9月末までに47万人が飢饉(ききん)に陥る可能性があると発表した。7万1千人以上の子どもと1万7千人以上の母親が、緊急の治療を要する急性栄養不良状態にあるという。
避難生活を送るガザ北部の住民らは「救助隊も入れないほど攻撃が激しく、路上には遺体がそのまま倒れている。ここまでの状況を経験するのは初めてだ」「清潔な水が手に入らず、病気の家族に十分な治療を受けさせることができない。避難しようにも道路が損傷しているし、軍に見つかれば攻撃されるかもしれない」と訴える。
「ナクバの日」に合わせ世界でデモ
イスラエル軍は、16日にイエメン西部の港を空爆するなど中東各国への攻撃も続けている。米メディアは同日、トランプ政権が最大100万人のガザ住民をリビアに移住させる計画を策定中だと報じた。イスラエルと一体化して中東の民族解放闘争の圧殺を狙う米帝は、エジプトやヨルダンにガザ住民の受け入れを拒否される中、あくまでもガザの無人化・「所有」を狙っているのだ。
1948年5月15日のイスラエル「建国」に伴うパレスチナ人民への民族浄化を記憶する「ナクバの日」に合わせ、ヨルダン川西岸をはじめ世界各地でパレスチナ連帯の行動が闘われた。パレスチナ人民と固く連帯し、大虐殺の元凶である帝国主義を打倒する大反戦闘争を爆発させよう。
