原爆ドーム前 ヒロシマつぶし打ち破る
原爆ドーム前
ヒロシマつぶし打ち破る
8月5日午後9時からの原爆ドーム前集会を皮切りに、8・6ヒロシマ大行動実行委員会は昨年に続き徹夜の座り込みでドーム前を死守。機動隊の暴力的排除と対決し、6日午前7時からドーム前集会を闘いとった。5、6日の集会発言(要旨)を紹介します。(編集局)

戦争式典を許さない
8・6ヒロシマ大行動実行委員会共同代表/被爆2世 壹貫田康博さん

原爆ドーム前に排除に来た広島市の職員が「ここは慰霊の場です」と言っていました。被爆者を英霊にしていく、そういう記念式典に絶対にしてはいけない。被爆80年を迎える8月6日は、日米同盟による中国への侵略戦争が核戦争として行われようとしていることに、絶対反対の声をヒロシマから上げることができるかどうかが問われる日となりました。
トランプ米大統領は、イランの核施設爆撃について「戦争を終わらせた」「広島・長崎と本質的に同じ」と言い放ちました。絶対に許すことはできません。広島・長崎への原爆投下以降も核兵器は増え続け、帝国主義の世界支配のために他民族を抑圧し、労働者を殺し合わせる戦争が続けられ、ガザ虐殺は今も続いています。今回のイラン攻撃は放射能汚染を顧みない攻撃であるばかりか、実際に核攻撃をすることができるという脅しでもあります。
笹川平和財団は6月2日、非核三原則を見直し「持ち込ませず」を「撃ち込ませず」に変えろという提言を出しました。日米の核共有がすでに具体的に準備され、核戦争の危機は目の前まで迫っています。いま戦争絶対反対の声を上げずにいつ上げるのでしょうか。日本政府が侵略戦争の準備を核戦争として実際に進めていることをなんら問題にせず、核兵器廃絶を唱える一方で核共有を進めるというペテン的な平和記念式典を、被爆者を前に行おうというのでしょうか。
松井市政は核廃絶を永遠の課題にまつりあげ、原発を推進し核共有を進める石破首相に発言させようとしています。こんな平和記念式典は「戦争式典」であり、絶対に許せません。松井=石破が一体となったヒロシマつぶしを粉砕し、石破打倒のデモに打って出ましょう!
(6日朝)
今こそ反戦を行動に
8・6ヒロシマ大行動実行委員会共同代表 室本けい子さん

「まがつびよ ふたたびここに くるなかれ 平和をいのる 人のみぞここは」----これは平和公園の正面にある碑に刻まれた湯川秀樹の歌です。「平和をいのる人のみぞここは」と歌っています。平和公園は「核廃絶、世界恒久平和」を願っているんです。
戦争を画策する人たちはここに来てはならないんです。戦争は暴力の極みです。そして、戦争をしようとする人たちはでっち上げや暴力の極みを尽くして私たちをつぶそうとしています。それに対抗するには、命を張って反戦を行動にしなければならないんです。こうやって、団結して死守しなければならないんです。平和は、そうしないと守れないんです。
片仮名の「ヒロシマ」の心を真ん中に、ここで、あの日一瞬にして灰になった人たちの上に座り、土から聞こえてくる声を体にしみこませて、「二度と戦争はこりごりだ」という思いを声にして、団結してがんばりましょう。
(5日夜)
ドーム前を守り抜く
全学連副委員長/広島大学 陳悠生さん

核戦争を進めるトランプ・石破と同罪の核戦争推進者・加担者である警察・機動隊は、一刻も早くここから立ち去れ!
石破政権は今、かつて日本帝国主義が侵略したフィリピンやベトナム、アジア一帯を、今度は中国への出撃拠点、地獄の戦場にしようとしています。今まさに、石破政権は私たち労働者・学生に再び侵略の銃をとらせようとしているのです。差別・排外主義をばらまき、しかも私たちに今度は核兵器までも向けさせようとしています。侵略の歴史を絶対に繰り返してはいけません。
広島市は今、石破政権と同じ立場に立っています。6月の天皇の広島訪問の際にも、広島市は天皇を歓迎する「ちょうちん奉迎」を右翼と一体となって行いました。もはや広島市には、平和を語る資格も平和記念式典をやる資格も一切ないわけです。天皇を歓迎し、中国に対して核戦争をやろうとしている石破やアメリカ代表、パレスチナ人民を虐殺しているイスラエル代表らを呼び、一方で反戦反核の声を上げる私たちを弾圧する、ここまで腐りきったあり方を、どうして許すことができるというのでしょうか。原爆ドーム前を、お前らなんかに絶対に明け渡すわけにはいかない。私たちの闘いで原爆ドーム前集会をかちとり、石破やアメリカ、イスラエル、帝国主義の連中に怒りのシュプレヒコールをたたきつけてやりましょう。
(6日朝)
侵略くり返させない
全学連委員長 矢嶋尋さん

改めて、今年も原爆ドーム前での集会をかちとっている、この大勝利を確認したいと思います。
アメリカやイスラエルを招いて開催される欺瞞(ぎまん)に満ちた「平和記念式典」と、広島市当局による反戦集会禁圧を絶対に許さない。この8月6日に反戦反核の集会をやらせないとはどういうことか。この場を「無菌状態」にして、G7(主要7カ国)の核を容認する、そんな記念式典を絶対に許すことはできません。この原爆ドーム前を、被爆者・被爆2世・3世の人々と連帯して民衆の手に取り戻すのが8・6の闘いです。かつてのアジア侵略戦争と核の惨禍を二度と繰り返させないのが8・6の闘いです。
現実に世界戦争・核戦争が始まり米日による中国侵略戦争の動きが激化する中で、反戦運動を徹底的にたたきつぶすための弾圧が激化しています。今年に入ってから、全学連で闘う私たちの仲間、学生が延べ13人逮捕されています。しかし、私たちはこのすべての弾圧に対して一歩も引かずに勝利してきました。7月29日の女子学生2人の逮捕は、女子学生や女性労働者が次々と反戦闘争に立ち上がっていることに対する国家権力の恐怖の表れです。
こんな弾圧で私たちの怒りと闘いをつぶせると思ったら大間違いです。このような攻撃に対する私たちの回答は、さらに内乱的に闘いを拡大することです。帝国主義を打倒することこそが、核戦争を止める唯一の道です。今日の闘いを一歩も引かずに闘い抜き、10・5全国闘争から11・2全国労働者総決起集会へ攻め上りましょう!
(5日夜)
体張って闘い抜こう
杉並区議会議員 洞口朋子さん

機動隊と広島市の職員が一体となったこの暴力的な排除強行を、絶対に許すことはできません。
公園の周辺をご通行中の皆さん、被爆80年の8月6日の朝を迎えました。私たちは、かつての戦争を繰り返さないと同時に、いま目の前で始まっているこの戦争と治安弾圧を絶対にはね返すことが必要だと、昨夜から座り込みを行っています。本日の平和記念式典に参加する石破やG7各国の代表など、核武装を進める連中、核戦争を準備している連中を私たちは絶対に許さない。被爆者の無念、被爆者の怒り、これに対する裏切りは絶対にできない。私たちは二度と戦争を繰り返さない。そのために、この機動隊、国家権力の暴力・暴虐と体を張って闘い抜こうではありませんか。
いつの時代の、どの戦争も、私たちの実力行動こそが戦争を止める力であることを歴史は証明しています。政府や国会の中に戦争を止める力はありません。この8・6広島、戦後80年、被爆80年の広島でいま起きていることの中に、歴史の真実があります。
イスラエルやアメリカ、全世界で戦争に突き進んでいる連中が、この広島の地、平和公園に集まることなど絶対に許してはなりません。皆さん、共に核戦争阻止の声を広島から上げていきましょう。
(6日朝)
命かけ核戦争を阻む
福島 青年労働者
今、私は怒りで体が震えています。機動隊はいったい何を守っているんですか。戦争が起きた後に、どんなに「自分たちは加担した」「間違っていた」と言ったって遅いんだよ。戦争は起きたらおしまいなんです。戦争で性暴力に遭った女性たちが、80年という時を経てやっとしゃべれるようになる。戦争とはそういうものです。あなたたちは、その戦争を起こすことに加担している。それをよく考えろ!
80年前、日本帝国主義はアジア・太平洋地域を侵略して多数のアジア人民を虐殺、強姦(ごうかん)し、日本の植民地下にあった朝鮮や台湾の人々も日本国民として戦線に送り込まれました。被爆が、日本がアジア・太平洋地域を侵略した加害国であったために払わされた犠牲であることを再認識しなければなりません。その上で、戦争に尊い犠牲や英霊などは存在しないということをはっきり述べておきたいと思います。
福島の青年として発言します。石破政権になって、福島の原発事故圧殺が強まっていますが、事故から14年たった今こそ闘いは正念場です。放射能による被害はこれからなんです。それにもかかわらず、核戦争に突き進む石破政権は原発の新増設に乗り出しました。私は80年前にアジア人民を虐殺した加害国の一労働者人民として、被曝・内部被曝の当事者として、石破政権打倒、核戦争阻止を、この命が尽きようとも闘い抜く決意です。
(6日朝)