英空母打撃群が横須賀寄港 中国侵略への参戦意思露わ

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週刊『前進』04頁(3410号02面03)(2025/08/25)


英空母打撃群が横須賀寄港
 中国侵略への参戦意思露わ


 イギリス軍の最新鋭大型空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を中心とする空母打撃群が8月12日、横須賀基地(神奈川県)に入港した。英空母打撃群の横須賀入港は2021年以来2度目だ。
 空母を軸に駆逐艦や潜水艦、補給艦を組み合わせた「空母打撃群」は、本国から遠いエリアで強力な戦力展開を可能とする、侵略戦争における主力部隊だ。イギリス帝国主義が短期間に2度も空母打撃群を日本まで派遣したことは、米日帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争に英帝がかみこみ、参戦する意思表示だ。
 英空母打撃群は横須賀に寄港する前の8月4~12日には西太平洋で、事実上空母化された海上自衛隊の護衛艦「かが」や米原子力空母などと共同訓練を実施し、英空母に搭載したF35B戦闘機を「かが」に初めて着艦させた。さらに、海自は他国軍の戦力を自衛隊が護衛する「武器等防護」訓練を英空母打撃群に対して初めて実施した。これは米、豪に続く3カ国目の適用となる。英軍が自衛隊と連携して中国侵略戦争に参加するための具体的な訓練がなされたということだ。
 今回の英軍の寄港は「ハイマスト作戦」の一環だ。これは英史上最大規模の海上展開作戦であり、海軍を中心に英軍4千人を動員し、空母打撃群をノルウェーやオーストラリアなど5カ国の軍艦を含めて多国籍艦隊として構成。それが8カ月かけて地中海から紅海、インド洋を巡りながら70以上もの交流や演習を行うというもので、まさしく英帝・欧州帝が世界戦争を想定して空母を運用するための訓練である。
 横須賀に寄港している間にも、「交流」が数多く設定されている。8月9日には自衛隊統合作戦司令部の作戦部長が、英空母内で英空母司令官と懇談した。また29~30日にかけては、「地域の防衛・安全保障・産業界のリーダー」を集めた「太平洋未来会議」なるイベントをなんと英空母内で行う予定となっている。
 ノルウェー海軍はハイマスト作戦での横須賀寄港が日本への初寄港となった。この間、フランスやイタリアの軍艦も続々と横須賀に寄港し、海自と共同訓練を行ってきた。「準同盟関係」と日帝が位置づける英豪軍だけでなく、全世界の帝国主義軍隊が中国侵略戦争に参加するための軍港として横須賀基地がせり上がっている。反戦反基地闘争を全力で組織しよう。
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