日帝の中国侵略戦争突入粉砕を

週刊『前進』04頁(3445号02面01)(2026/05/04)


日帝の中国侵略戦争突入粉砕を


 日本帝国主義が中国侵略戦争に突入する中で、高市は「国論を二分する政策」として「防衛力の抜本的強化」を強行している。その柱は安保3文書の年内改定を通じた侵略国家への全面的な転換だ。4月21日には武器輸出の全面解禁に踏み切り、23日には国家情報会議設置法案が、28日には入管法改悪案が衆院を通過した。日帝が再びかつてのような侵略帝国主義として、中国人民を虐殺することなど絶対に許してはならない。高市政権打倒・中国侵略戦争阻止へ、6・14全国闘争の大爆発をかちとろう。

安保3文書改定を許すな
侵略帝国主義へ大転換

「国家の命運」かけ有識者会議初会合

 高市政権は4月27日、安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)改定の前倒し=年内改定に向け「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の初会合を首相官邸で開いた。「我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進める」と強調する高市は、新たな安保3文書で、防衛費の国内総生産(GDP)比3・5~5%化を柱とする「総合的な国力の強化」「新しい戦い方」「継戦能力・防衛産業基盤強化」を前面に打ち出そうとしている。その柱はドローンやAI(人工知能)の最大限活用、サプライチェーン(供給網)の強靭(きょうじん)化だ。これはまさしく、中国侵略戦争を全面的に遂行するための国家戦略そのものだ。
 会議のメンバーは22年会議の10人から15人に増員され、元自衛隊制服組や軍事関連企業(NEC、東レ)の経営者が新たに加わった。この有識者会議が秋にまとめる「提言」を踏まえ年内改定が狙われている。
 高市は同会合で「この度の3文書改定は、国家の命運を左右する重要な取り組み」と強調した。日帝・高市はまさに、帝国主義としての延命をかけて中国侵略戦争に突入しているのだ。さらに高市は「中国・北朝鮮の軍事力の増強」を叫んで「私たちはこれまでとは全く違う国際情勢の真っただ中にある」「冷戦後の比較的安定した国際秩序は過去のものとなった」と祖国防衛主義をあおり、「一刻の猶予もなく、我が国の抑止力と対処力を強化する必要がある」と強調した。
 アメリカ帝国主義が中国侵略戦争を開始し、その一環としてイラン人民を虐殺する侵略戦争を継続する中で、米帝は日帝に「日本が最前線に立って、血を流して戦え」と突きつけている。この米帝の要求に応えられなければ日帝は帝国主義として立ちゆかなくなる危機にある。そして日帝自身もこの危機を逆手に取って「敗戦帝国主義」としての制約をあらゆる面で打破し、戦争のできる帝国主義へと全面的に転換しようと必死になっている。このことが高市政権を凶暴な攻撃に駆り立てているのだ。

総力戦体制の形成非核三原則解体も

 そのために高市は同会合で、「一刻の猶予もなく、ロシアのウクライナ侵略や中東情勢を教訓に、新しい戦い方への対応や長期戦への備えを進めなければなりません」と叫び、「外交力と防衛力を、経済力、技術力、情報力、人材力と有機的に連携させて、日本の総合的な国力を徹底的に強くしていく」と宣言した。すでに開始した中国侵略戦争を国家総力戦として遂行することを求めたのだ。
 会議メンバーの一人である元統合幕僚長・山崎幸二は「ウクライナ(戦争)の最大の教訓は総力戦の重要性だ。国や地方公共団体、民間組織、そして国民が有事に一体となって活動できるような社会の強靭性の強化について検討しなければいけない」と述べた。日帝は中国侵略戦争を長期にわたって戦う継戦能力を確保するために、国家のあり方を根本的につくり変えようとしている。そのためには、民間組織や人民を含めた国家総動員体制の構築が必須だと迫っているのだ。
 さらに、国家安全保障戦略から「非核三原則を堅持するとの基本方針は今後も変わらない」との文言を削除することで、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」をうたった「非核三原則」を解体することも狙われている。高市は公然と「『持ち込ませず』は『米国の拡大抑止の提供』を期待するのであれば現実的ではない」と主張し、政権幹部も「日本は核兵器を保有すべきだ」と発言しているのである。また、長射程ミサイルを発射可能な原子力潜水艦の保有も日帝の核武装に直結する大攻撃であり、絶対に阻止しなければならない。

改憲粉砕!高市打倒へ
戦時独裁の「緊急事態条項」

 中国侵略戦争に踏み出した日帝・高市政権は、4月12日の自民党大会での高市の改憲宣言をもって、いよいよ本格的な改憲攻撃を強めてきている。9条改悪を核心とする改憲攻撃に対する全労働者人民の怒りを結集し、中国侵略戦争阻止・改憲粉砕の闘いを爆発させ、日帝・高市打倒に向かって突き進もう。

改憲発議を宣言

 高市は自民党大会で、「自主独立の権威の回復に向け、日本人の手による自主的な憲法改正は党是だ」と強弁した上、「立党から70年。時は来た。改憲の発議について、何とかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」とぶち上げた。
 改憲を政治日程に乗せて公言したのは歴代首相として安倍晋三以来だ。安倍は、2017年の憲法記念日に「20年までの改憲の実現」とメッセージを発したが頓挫した。高市はその雪辱を果たそうとしており、自民党大会で打ち出した「新ビジョン」でも「改憲は死活的に求められている」と宣言したのである。
 高市は、昨年11月の衆議院予算委員会で、「台湾有事は存立危機事態」と答弁し、中国侵略戦争突入を宣言した。「存立危機事態」とは、自衛隊が米軍とともに集団的自衛権を行使し戦闘行為を行うことを意味する。これに中国政府が激甚に反応したのは当然である。日中関係はこの発言によって決裂状態に入り、今日を規定している。日帝・高市は開き直って、中国侵略戦争のための自衛隊の軍事演習を強化し、沖縄の軍事要塞(ようさい)化をどんどん進めている。そして、戦争遂行のために、いよいよ改憲を政権の正面課題に据えたのである。
 改憲発議のためには衆参両院で3分の2以上の議席を必要とする。衆院では4分の3の議席を確保したが、参院では与党は半数にも達していない。したがって、国民民主党など野党も巻き込み、取り込んで発議への流れを本格的につくろうとしているのだ。

憲法審で集中討議

 安保3文書改定のための有識者会議開催や武器輸出の全面解禁などの攻撃とともに衆院憲法審査会が4月23日に開催され、「緊急事態条項」について集中討議が行われた。「自然災害や感染症蔓延(まんえん)、武力攻撃などの緊急事態」に選挙が困難になるという口実で、国会議員任期の延長や内閣の権限強化を図ろうとするものである。これは、ナチス・ヒトラーがワイマール憲法の緊急事態条項(大統領緊急令)を使って基本的人権を停止し、「全権委任法(授権法)」によって議会を無力化させて独裁体制を確立していった歴史を再現しようとするたくらみだ。元首相の麻生太郎はかつて「ナチスの手口に学んだらどうか」と発言し、授権法の手口を称揚したことがある(13年7月)。
 このように「緊急事態条項」自体が、中国侵略戦争のもとでの憲法停止、強権支配をたくらむ攻撃だ。もちろん、改憲攻撃の核心は「自衛隊明記」の9条改悪にあり、そのための「緊急事態」論議である。野党の総屈服状況の中で日本共産党もこの憲法審査会の一角で議論に加わり、完全な翼賛勢力に転落している。日帝・高市政権に怒りを爆発させ、中国侵略戦争阻止・改憲粉砕へ全力で闘おう。

殺傷武器の輸出解禁弾劾 
武器大増産で継戦能力確保

 高市政権は4月21日、武器輸出を規制する「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定した。輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限るとしてきた「5類型」を撤廃し、戦闘機や護衛艦、潜水艦など殺傷・破壊能力のある武器の輸出を全面的に解禁した。あわせて「三原則」自体の改定も閣議決定し、「共通の装備品を運用する同志国等を増やし、強固な防衛産業を保持し、拡大することは、有事に必要な継戦能力を支える生産能力を国内で確保する上でも大きな意義を有する」と記した。
 日帝は米帝とともに中国侵略戦争に突入する中で戦後の安保政策を大転換し、国を挙げた軍需生産―軍備の大増強に加えて同盟国・「同志国」との軍事協力の強化・拡大に踏み切ることを宣言したのだ。何よりも日帝は、こうして製造・輸出した武器を中国人民に向けて用い、膨大な数の人々の命を奪おうとしている。このようなことを絶対に許してはならない。
 重大なのは、実際に戦争中の国に向けても「特段の事情」があれば殺傷武器すら輸出できるとした点だ。これに関する政府の想定はきわめて具体的だ。政府関係者が例示するのは「戦闘中の米国に、インド太平洋地域での態勢を維持するために必要な武器を輸出する場合や、日本の安全保障にかかわるような地域で、同志国が戦闘中に日本の武器を必要とする場合」などだ。〝インド太平洋地域で米国が戦闘を行う〟相手とは、中国以外の何ものでもない。イラン侵略戦争においても米帝は大量の弾薬や戦闘機を消費せざるを得ない状況に追い込まれている。この米帝を支え、中国侵略戦争の戦端が開かれた際に米帝が人民虐殺を続ける能力=継戦能力を確保するために、日本全土を侵略の出撃拠点かつ武器庫にしていこうというのだ。
 日帝は海上自衛隊の中古の「あぶくま」型護衛艦をフィリピンに輸出することを視野に入れ、連休中には高市と防衛相・小泉進次郎が東南アジアとオーストラリアに乗り込んでトップセールスを行うという。現時点での輸出先は日本と防衛装備移転協定を結ぶ米国、英国、豪州など17カ国に限定されているが、中国包囲網の形成そのものとして対象国の拡大を狙っていることは明らかだ。さらに今回、武器を共同で開発・生産した相手国以外に対しても輸出することを認めた。
 日帝は「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」と繰り返すが、南西諸島をはじめ日本列島に中国を標的とする長射程ミサイルを実戦配備し、安保政策の大転換に踏み切る日帝を中国が「日本の再軍備化が現実になっている」と非難するのは当然だ。

総力戦を視野に社会の転換狙う

 日帝は武器輸出解禁により、「総合的な国力」を動員した「総力戦」(総合的な国力から安全保障を考える有識者会議)として中国侵略戦争を戦うための国家体制づくりを加速させようと狙う。問題は日帝が「死の商人」になることを許すかどうかではない。中国侵略戦争に突入した日帝が、経済の全面的な軍事化を含めた国家と社会のあり方の抜本的転換に踏み出したことこそが事態の核心だ。
 高市政権は「危機管理投資」を成長戦略の柱に据えて軍需産業への投資を推進し、自民党の安全保障調査会が国営軍需工場=「工廠(こうしょう)」の導入を提言するなど、軍需産業の復活に延命の道を求めている。小泉は許しがたいことに「国が前に出るしかない」と強調し、今まさにイラン人民を虐殺している米帝への武器輸出に人民の怒りが向けられることを百も承知で「必要とする相手に応えることができないなら、日本が必要とするときに助けてくれるだろうか」(4月23日付日経新聞)と恫喝し、祖国防衛主義・愛国主義をあおって人民の意識を根本的に転換させ、屈服させようと迫っている。
 戦時下での一線を越えた攻撃に対して、帝国主義体制の存続を前提として「平和主義」や「護憲」を対置するだけでは闘えない。闘う中国人民・アジア人民と固く連帯し、戦争の元凶=帝国主義の打倒に向かって今こそ反戦闘争の大衆的爆発をかちとろう。

国家情報会議設置法案粉砕を 
「敵を利するスパイ」として反戦闘争を弾圧

 国家情報会議設置法案が4月23日、衆院を通過した。同法案は、首相を議長に官房長官、国家公安委員長、法相、外相、財務相、防衛相、経済産業相、国土交通相で構成する国家情報会議を内閣に設置し、そのもとに内閣情報調査室を格上げした国家情報局を置いて、諜報(ちょうほう)活動の司令塔にするというものだ。
 高市政権はこの法案を今国会で成立させ、今年7月にも国家情報会議と国家情報局を発足させる方針だ。また、国家情報会議設置法とセットになるスパイ防止法を2027年度中に制定することを狙っている。
 高市がこの攻撃に突進しているのは、中国侵略戦争がすでに開始されているからだ。国家情報会議設置法案の目的は、中国侵略戦争を遂行すると同時に、反戦闘争圧殺の国内階級戦争を強行することにある。高市らは「外国勢力から日本を守る」と叫ぶが、攻撃の対象にされるのは戦争に反対する労働者人民の闘いだ。
 元陸上幕僚長の岩田清文は4月28日付日経新聞のインタビューで、「中国やロシアは自国に望ましいナラティブ(物語)を発信するなど認知戦をしかけてきている。日本の情報機関はネット空間で広がる認知戦に迅速に対応できる体制ではない」として、早期に国家情報局を設置せよと叫んでいる。安保3文書改定に向けた27日の有識者会議の初会合でも、「認知戦」への対応が強調された。
 彼らが言う「認知戦」とは、米日帝がたくらむ中国に対する戦争の本質が侵略戦争であることを暴く言論をたたきつぶすということだ。「中国の脅威から日本の国益を守れ」という政府の排外主義宣伝だけが正しいものとされる一方、国際連帯を貫く反戦の訴えは「外国による工作の影響を受けた偽情報」とみなされ、闘いの担い手は「外国のスパイ」と断定されて弾圧される。
 国家情報会議設置法案審議の過程で高市は、「政府の政策に反対するデモや集会に参加していることのみを理由として、『普通の市民』が調査対象になることは想定し難い」と答弁した。他方で高市は、「(国家情報局による幅広い世論動向調査は)否定されるものではない」とも述べた。これは、「侵略戦争をしなければ延命できない帝国主義を打倒せよ」と主張する者は「普通の市民」の範囲外であり、当然にも弾圧の対象になるという意味だ。革命の圧殺こそが、この攻撃の最大の目的だ。

日本版CIAの設置を狙う攻撃

 自民党と日本維新の会の連立合意書は、「27年度末までに独立した対外情報庁(仮称)を創設する」と明記した。「対外情報庁」のモデルは、アメリカの中央情報局(CIA)やイギリスの秘密情報部(MI6)、イスラエルの情報機関モサドだ。外国の「機密」を探知することは、その国から見れば非合法活動であり、それ自体が軍事行動だ。だが「対外情報庁」に想定されている役割は、それにとどまらない。スパイ防止法の制定を叫ぶ者たちは、「外国のスパイに対しては令状なしの捜索や拘束、国家テロルによる制裁を行えるようにしろ」と叫ぶ。ここで言われる「外国のスパイ」には、いわゆる外国の諜報機関員だけでなく、反戦闘争を闘う国内の労働者人民も含まれている。
 だから高市は、武器輸出を全面的に解禁し、憲法9条に自衛隊保持を明記する改憲とあわせて、国家情報会議設置とスパイ防止法制定に突っ込んできたのだ。

反戦闘争の爆発こそ最大の反撃

 国家情報会議設置法案には、与党の自民党と日本維新の会だけでなく、中道改革連合や国民民主党、参政党などが賛成した。中道改革連合は、衆院内閣委員会で「政治的中立性を損なう情報収集をしない」などの付帯決議が行われたことを法案賛成の口実にした。しかし、こんなものは何の制約にもならない。国家情報局は警察庁警備局や法務省公安調査庁、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部など既存の機関の活動を総合調整する権限を持つとされるが、これら機関が労働者人民の政治的・社会的活動を日常的に監視しているのは周知の事実だ。
 高市が叫ぶ「厳しい安保環境」という言葉の前に野党はまったく太刀打ちできず、国家主義と国益主義が大手を振ってまかり通る。この総翼賛化した国会に対して労働者人民の怒りが巻き起こるのは当然だ。
 だが、闘いの決着点は国会内にはなく、闘いの場は国会前には限られない。反戦闘争の圧殺が国家情報会議設置法案の核心的な狙いである以上、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を万余の規模で巻き起こすことが、攻撃に対する最大の反撃だ。「連帯し、侵略を内乱へ」を貫き、戦争に突き進む帝国主義を打倒することが必要なのだ。6・14全国闘争に総結集し、その道を切り開く決戦に打って出よう。

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