中国侵略戦争突入が引き起こす日帝の危機の爆発 日米「協調」為替介入の意味

週刊『前進』04頁(3459号04面01)(2026/08/17)


中国侵略戦争突入が引き起こす日帝の危機の爆発
 日米「協調」為替介入の意味


 日本政府・日本銀行とアメリカ財務省は7月30、31日、「協調」為替介入を行った。日本の財務省高官はこれを「日米通貨同盟の完成形だ」とうそぶいた。それは、米日帝国主義が中国侵略戦争に一層激しく突進していくということだ。米帝は「第1列島線」に位置する日帝を中国侵略戦争の最前線に立たせ、徹底的に動員する以外にない。日米「協調」為替介入は、その一環として行われたのだ。

財政破綻あらわにさせた「骨太方針」

 政府・日銀による為替介入は7月30日は6~7兆円規模、31日は5兆円規模だったと見られる。これに合わせて米財務省は7月31日、ユーロ売り・円買いの為替介入を行った。日本との「協調」を演出する一方、欧州帝国主義には露骨な争闘戦を仕掛けたのだ。
 円買い方向での日米協調為替介入は、日本のバブルが崩壊した後の1998年以来、28年ぶりのことだ。日帝の危機は当時をはるかに上回って進んでいる。円の実質実効為替レートは今年6月、1973年の変動相場制移行以来の最安値を更新した。名目為替レートも7月には1㌦=164円台に迫る40年ぶりの円安になり、10年物国債の利回りは2・9%に急上昇した(債券価格は下落)。
 その直接の原因は、高市が「責任ある積極財政」を叫び、「骨太方針」で軍需産業や人工知能(AI)など17の戦略分野で総計370兆円の投資を行うと打ち出したことにある。国内総生産(GDP)比で3・5~5%に及ぶ大軍拡を強行しつつ、食料品の消費税率を2027年4月から2年間限定で1%に引き下げる方針を高市が決定したことも、それに拍車をかけた。
 日帝の財政破綻の深刻さを突き出した「骨太ショック」と言われるこの事態に、日帝は対処する手段もない。日銀は7月30~31日の政策決定会合で政策金利の引き上げも決められず、金利水準を1・0%程度に据え置くとした。金利を上げなければ円安は止まらないが、そうすれば原油価格上昇などがもたらした景気悪化はさらに激化する。
 「骨太方針」で打ち出した戦略17分野への370兆円の投資を、日帝は絶対にやめることができない。中国侵略戦争の遂行にとって必要不可欠だからだ。米帝にとっても、日帝を戦力としても兵器製造拠点としても徹底的に動員しなければ、中国侵略戦争は成り立たない。だから米帝は、今この時点での日帝の崩壊を食い止めようと、協調為替介入に踏み込んだのだ。

米帝自身のすさまじい危機が根底に

 この判断の根底には、米帝自身のすさまじい危機がある。そもそも、今日の中国侵略戦争情勢を規定しているのは、第2次世界大戦後の帝国主義体制の基軸国であった米帝の歴史的没落だ。米帝は従来の「国際秩序」を破壊して「力による」世界の暴力的再編に乗り出している。その軸心にあるのが中国スターリン主義を打倒する侵略戦争だ。
 だが、戦争への突進は財政赤字を拡大し、米帝の国家債務残高は今年6月、40兆7千億㌦(約6400兆円)に達した。2026会計年度の国債利払い費は1兆2300億㌦を超え、同年度の軍事費1兆119億㌦を上回った。トランプは2027会計年度で軍事費に1兆5千億㌦を充てる方針だ。これによる財政の一層の悪化に直面する米帝にとって、日本国債の投げ売りが米国債の投げ売りへと飛び火することは、絶対に避けるべき事態だった。
 日本政府は今年4月30日と5月4日、6日に計11兆7349億円のドル売り・円買い介入を行った。その原資は政府の外国為替特別会計が保有する米国債だ。これにより日本の米国債保有額は5月に約670億㌦減少​した。敗戦帝国主義の日帝にとって米国債を投げ売りすることなど容易にはできない。だが、財政破綻に追い詰められた末の日帝による米国債の切り売りが、米帝の思惑を超えて進んでしまうことはありうる。だから米帝は日帝に強い縛りをかけ、中国侵略戦争の最前線に立つことを改めて誓約させたのだ。
 米帝の中国侵略戦争への突進は、AIテック企業を過大な投資へ駆り立てている。AIを制する者が戦争の勝者になるという掛け声のもと、それは国家によって積極的に促進されている。だが、こうしてあおられたAIバブルが大破綻することは避けられない。

AIバブルの崩壊と大恐慌は不可避

 アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ、オラクルの米テック企業5社の隠れ債務は1兆6500億㌦(約268兆円)に達すると言われる。債務隠しの手法は特別目的会社(SPV)を利用することだ。データセンターなどの巨大施設はSPVが建設し、テック企業はその施設の利用契約をSPVと結ぶ。膨大な建設費用は実際にはテック企業の債務だが、バランスシートからは外される。
 これは08年のリーマンショックの引き金を引いたサブプライムローン問題と同じ構図だ。当時、低金利を背景に盛んに行われた低所得者向け住宅ローンの債権はSPVに集められ、その「資産」を基に資産担保証券(MBS)が発行されて金融機関や投資家に販売された。これはリスクの高い債権をリスクの低い債権に見せかける仕組みにほかならなかった。当然にもそれは最後に紙くずと化した。
 AIバブルの崩壊と大恐慌は、米帝をさらに中国侵略戦争にのめり込ませる。最末期にある帝国主義の大破綻が戦争をもたらすのだ。8・6広島闘争の勝利を引き継ぎ、今秋反戦闘争を大爆発させて、11・22反戦大闘争に攻め上ろう。
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