中国侵略戦争突入を内乱へ 安保3文書改定粉砕を ウクライナ戦争と同じ「新たな戦い方」を発動
中国侵略戦争突入を内乱へ
安保3文書改定粉砕を
ウクライナ戦争と同じ「新たな戦い方」を発動

アメリカ帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争はすでに始まり、帝国主義各国も加わって、ウクライナやパレスチナ・イラン―中東で、中南米やインド太平洋地域で、文字通り世界を巻き込んで展開されている。中国侵略戦争の「最前線」を担う日本帝国主義・高市政権は、年末の「安保3文書改定」による改憲・大軍拡―国家総動員計画の「発令」へ突き進んでいる。8月4日に発表された2026年版防衛白書はその先取りとしてあり、そこには日帝の中国侵略戦争の遂行計画が示されている。前号に引き続きその全体像を暴露し、弾劾する。
台湾で実際の総力戦訓練
歴史的没落にあえぐ米帝は、自らの世界支配を脅かす中国スターリン主義をどうしても今のうちにたたき潰さなければならない。中国も体制存亡をかけ人工知能(AI)や軍事で必死に対抗している。この帝国主義とスターリン主義の危機と矛盾の絡み合いから米帝(帝国主義)の中国侵略戦争は不可逆的に進行し、日帝にはその最前線で参戦する以外の選択はない。26年版防衛白書は第Ⅰ部で「戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入」「ウクライナ侵略と同様の深刻な事態が、将来、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて発生する可能性は排除されない」とし、その「安全保障環境の変化」は中国やロシアなどの国の「力による一方的な現状変更やその試み」によって発生している、と述べて戦争をあおっている。
中国侵略戦争は具体的に進んでいる。台湾で8月5~14日にかけて実施された大規模軍事演習「漢光」では、中国のサイバー攻撃を念頭に置いて、都市レベルで携帯電話の通信速度を低下させる訓練が初めて組み込まれ、台湾人民に実際に「総力戦」を経験させることにまで踏み込んでいる。日帝はウクライナ戦争の開始以来、「今日のウクライナは明日の東アジア」と繰り返してきたが、実際に総力戦体制をつくり上げ、中国侵略戦争を遂行しようとしているのだ。
〝防衛生産・技術基盤〟強化
今回の白書は、ウクライナ戦争やイラン侵略戦争の過程で開発・採用された無人機やAI、宇宙空間の利用を特徴とする「新しい戦い方」について強調するとともに、「防衛生産・技術基盤の強化」を独立の「部」へと格上げした。その意図は労働者階級人民に総力戦体制の必要性を示し、そこに人民を組み込むことにある。
無人機、特に戦場で大量に消費される小型ドローンは、民間インフラや公園のような公共空間でも使用できて製造も比較的容易なために、実際にウクライナで行われているように市街地すら生産体制に組み込むことができる。人工衛星は地球規模の観測によって長距離攻撃を可能とするだけでなく、衛星通信を用いて無線通信が使えない状況でも情報共有やネットワーク通信を可能にする。ウクライナでは最前線でのドローンの運用に衛星通信を利用しているように、無人機の運用にとっても重要な要素である。そしてAIは、無人機や人工衛星によってもたらされる膨大な量の情報を極めて短時間で整理し、「指揮決定の迅速化」を可能とする。イラン侵略戦争において、米帝が300カ所もの標的をほぼ同時に攻撃できたのは、AIを大いに利用したからだ。
無人機、人工衛星による宇宙空間利用とAIを一体で運用するのが「新しい戦い方」だ。しかし、まさしくウクライナで示されているように、それは大量消費される無人機の生産体制に支えられている。人民の生活空間や民間施設まるごとの軍事転用=総力戦体制こそがその正体なのである。
防衛生産・技術基盤の強化の格上げもこのことと一体だ。白書は、「今や『新しい戦い方』を踏まえたわが国独自の『新しい守り方』を可能とする......ことは急務」と述べる。「新しい守り方」とは「新しい戦い方」のペテン的言い換えにすぎないが、「わが国独自の」と付いている通り、日帝・自衛隊が「新しい戦い方」を独立して展開することを意味し、決して軽く見てはならない。たとえば日帝は米帝の人工衛星に長射程ミサイル攻撃のための能力を依存しているが、2027年度からの本格運用を目指して自衛隊用人工衛星による「日本版GPS」を構築しようとしている。日帝は、中国侵略戦争をテコに最先端の軍需産業を持つ侵略帝国主義へと転換しようとしているのである。
武器輸出通じて戦争同盟を形成
そのための最大の導水路が武器輸出だ。白書は「これまで防衛産業は、主な販路が防衛省に限られることや利益率の低さなどから、成長が見込めない......装備品の移転やデュアルユースによる民生市場の獲得などに積極的に取り組んでいくことが重要」として、海外への兵器・装備の輸出での利益獲得を主張。そして先端研究への投資や新興軍事企業の登場に触れ、軍需産業に関わる分野の裾野が拡大することで軍需生産の基盤全体を強化する展望を語っている。
白書はまた、これによって経済成長も可能となるかのようなペテンを論じる。電子レンジやインターネットなど軍事技術が民生利用に生かされてきた歴史を強調しているが、いま圧倒的に焦点となっているのはAIやドローンなどむしろ民生技術の軍事利用である。そもそも「軍事技術が最先端」というイメージ自体、帝国主義戦争に資源を優先的に投入するからそうなるだけのことだ。現実に進行しているのは、民間部門の企業を軍需生産に巻き込み、社会全体の軍事化=総力戦体制を形成しようとする策動にほかならない。
そして特に重要なことは、白書が「同盟国や同志国などとの連携強化がますます重要になるなか、その有効な手段としての防衛装備移転の推進」と述べる通り、武器輸出は兵器の共有を通じた軍事同盟策そのものだということである。日帝はフィリピンに海上自衛隊の中古護衛艦を、オーストラリアには最新鋭の護衛艦の輸出を決めた。防衛相・小泉進次郎自身がインド太平洋地域を回って積極的に「売り込み」をかけており、それは再びの中国侵略戦争に今度はアジア各国を動員しようという策動にほかならない。アジア人民への血債にかけて、こんなことを許してはならない。
要員不足テコに戦争動員
防衛白書は第Ⅴ部「人的基盤の強化」の冒頭、「どの分野においてもプロフェッショナルである曹士の存在がなくてはならない」と、現場を担う兵士階級である曹と士を例年以上に持ち上げる。それは自衛隊の深刻な要員不足の裏返しだ。自衛隊全体の充足率は9割ほどだが、曹士は約7割しかない。
自衛隊は深刻な要員不足により、23年には毎年数千人の観客を集めてきた「富士総合火力演習」の一般公開を取りやめた。今年から自衛隊にとって「最も格式の高い行事」である観閲式を取りやめ、札幌雪まつりの参加縮小も決定した。災害対応についても、24年の能登半島地震の際には空挺(くうてい)降下訓練を優先した。25年の沖縄全島エイサー祭りに「訓練」とまで位置づけて陸上自衛隊第15旅団が組織的に参加したことはこの流れと矛盾しているように見えるが、これは日帝が中国侵略戦争に沖縄人民をなんとしても動員しようという意思の表れであり、一切は中国侵略戦争の遂行のためなのだ。
この中でどんどんと進められているのが、自衛隊業務の外部委託だ。すでに基地・施設の維持管理をはじめとしてヘリコプター操縦士の育成でも民間委託が始まり、「自衛隊は戦闘に集中する」ことを強調している。自衛隊の要員不足をもテコに、民間を戦争に動員する総力戦体制の形成が進められているのだ。
しかしそれは、反戦闘争の爆発が直接に軍隊を揺るがし侵略を内乱に転化する展望でもある。中国侵略戦争阻止の反戦闘争の大爆発をかちとろう!
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2026年版防衛白書の目次
第Ⅰ部 わが国を取り巻く安全保障環境
第1章 概観
第2章 ロシアによる侵略とウクライナによる防衛
第3章 諸外国の防衛政策など
第4章 新しい戦い方をめぐる動向
第Ⅱ部 わが国の安全保障・防衛政策
第1章 安全保障と防衛の基本的考え方
第2章 国家安全保障戦略などの「三文書」と防衛関係費
第3章 安全保障と防衛を担う組織
第4章 自衛隊の行動に関する枠組み
第Ⅲ部 防衛目標を実現するための3つのアプローチなど
第1章 わが国自身の防衛体制
第2章 日米同盟
第3章 同志国などとの連携
第4章 地域社会や環境との共生に関する取組
第Ⅳ部 防衛生産・技術基盤の強化
第1章 防衛生産・技術基盤をめぐる状況
第2章 防衛生産・技術基盤の維持・強化に向けた基本的な考え方
第3章 防衛装備・技術協力と防衛装備移転の推進
第4章 装備品の最適化の取組
第Ⅴ部 人的基盤の強化
第1章 プロフェッショナルな自衛隊員
第2章 自衛官の処遇・勤務環境の改善および新たな生涯設計の確立など