News & Review 韓国 〝民営化反対〟で10万人が2・25ゼネスト

月刊『国際労働運動』48頁(0452号02面01)(2014/04/01)


News & Review 韓国
 〝民営化反対〟で10万人が2・25ゼネスト
 朴槿恵政権1年、このままでは生きられない!

(写真 国民ゼネストに突入し、「朴槿恵OUT」を掲げて4万人が結集)
(写真 「やめろ!労働弾圧」などのスローガン【2月25日 ソウル市庁広場】)

 「朴槿恵(パククネ)政権1年、このままでは生きられない!」国民ゼネストが、朴槿恵大統領就任1周年の2月25日、労働者、農民、商人、貧民、障害者、学生など全国10万人の参加で大爆発した。

鉄道労組を先頭に867事業場で

 この日、民主労総(全国民主労働組合総連盟)は全国鉄道労組8千人を先頭に金属労組サムスン電子サービス支会、公共運輸労組国民年金支部など867事業場で同時ストライキを敢行し、商人や露天商なども仕事をやめてストライキに合流するなど、朴槿恵政権打倒までやむことのない壮大な闘いが始まった。
 国民ゼネスト大会は、ソウルを始め、忠南(チュンナム)、忠北(チュンプク)、大田(テジョン)、全北(チョンプク)、光州(クァンジュ)、全南(チョンナム)、済州(チェジュ)、慶南(キョンナム)、釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)、大慶(テキョン)の12地域で同時開催された。

ソウル市庁広場で4万人が大集会

 午後4時、ソウル市庁広場は4万人を超える人並みで埋まった。「朴槿恵政府の1年は、公約破棄、民生破綻、民主主義破壊でつづられた1年だった」――大会冒頭、国民ゼネスト委員会から民主労総のシンスンチョル委員長を始め全国農民会総連盟、全国女性農民会総連合、全国貧民連合、貧民解放実践連帯、全国流通商人連合会、参与連帯、全国女性連帯、民衆の力の代表者が並んで共同大会宣言を朗読した(4~6㌻に全文掲載)。
 宣言は、「もうこれ以上我慢できない。仕事をすればするほどより一層奪われて、大企業の搾取を防ぐどころか大企業の肩を持つ政府の下で、公安弾圧で維新独裁を復活している2014年の韓国社会で、これ以上このままじっとしていることはできず、労働者、農民、貧民、商人など、私たちは立ち上がる」と憤然と怒りを表明し、次のように結ばれた。
 「もはや闘争に打って出る民衆とともに勝利することだけが残った。民衆は一つだ。私たちは固く団結して、いかなる弾圧にも、いかなる困難にも、しっかり手を携えて朴槿恵政府に立ち向かう、止まることのない闘争を前進させていくだろう。そして私たちの要求が受け入れられないならば、〈朴槿恵OUT〉の声が活火山のように爆発していくことを、朴槿恵政権に対して明らかにするものである」
 宣言朗読後、朴槿恵政権の民営化攻撃と闘う労働組合が決意表明。保健医療労組のユジヒョン委員長は「朴槿恵政府は民営化ではないとだまし、医療を巨大財閥の金もうけに転落させようとしている。保健医療労組4万3千組合員のゼネスト闘争で80万民主労総、5千万民衆とともにする汎国民的闘いで医療民営化を必ず阻止する」と断言した。この日、12月の23日間ストライキ以来の24時間警告ストライキに立ち上がった全国鉄道労組のイヨンイク委員長職務代行は「鉄道労組の闘いは終わっていない。鉄道分割・民営化を必ず阻止する」と宣言。公共運輸労組国民年金支部のパクチュヌ支部長は「OECD加盟国中、わが国が高齢者の自殺率、貧困率とも1位なのに朴槿恵大統領は公約を破って国民年金制度を破綻させようとしている」と怒りもあらわに労働者の力で国民年金制度を死守する決意を語った。
 公安弾圧糾弾や生存権保障を要求する貧民・障害者などの発言、パフォーマンスなどがあり、最後に、民主主義破壊と労働弾圧を糾弾し、公共性強化のために闘おうという大会決議が全参加者の総意で確認された。
 大会後の都心デモに対し、不当にも阻止線を張って行く手をさえぎる警察部隊と激突! 民主労総を先頭に警察の封鎖を突破したデモ隊は、全車線を占拠し「朴槿恵退陣!」を叫んだ。
 午後7時からソウル市庁広場で「朴槿恵政権1年、このままでは生きられない!国民ろうそく大会」が開かれた。この場でシンスンチョル民主労総委員長は、「われわれが一度の集会、一度の闘争をしてパククネ政権を退陣させることができるならどれほどいいか。2014年2月25日、資本と政権がとても嫌っている単語である〝ストライキ〟を掲げて国民が集まって闘いを始めた」「2月25日はわれわれの闘争の開始であるだけだ。すべての力を尽くしてわれわれが切に望むことを成し遂げるその日まで、われわれの闘いが勝利する日まで最後まで闘おう」と呼びかけた。
 民主労総は、2・25国民ゼネストを第1波と位置づけ、民営化個攻撃との激突情勢を見据えて5~6月に第2波を構えている。
 国民ゼネスト大会に掲げられた「このままでは生きられない!」の言葉は、李承晩政権を打倒した1960年4・19革命の時のスローガンだ。世界最強の労働組合=民主労総を軸に新自由主義を打ち破る革命的闘いがついに始まったのだ。
(室田順子)

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国民ストライキ大会共同大会宣言

 「朴槿恵政権1年、このままでは生きられない 2・25国民ストライキ大会」で採択された「国民ストライキ大会共同大会宣言」全文を紹介する。(【 】内は訳者の注)

(写真 大会宣言を朗読するシンスンチョル民主労総委員長ら)
(写真 「朴槿恵OUT」のスローガンを掲げる参加者【2月25日】)

 朴槿恵(パククネ)政権執権1年だ。朴槿恵政府1年は、公約破棄、民生破綻、民主主義破壊で綴られた毎日だった。
 高騰する家賃、公共料金の引き上げ、2008年以後所得は増えないがとどまることなく上がる物価によって、生活の質は落ちこみ、庶民は崖っぷちに立たされた。また、去年の統計庁調査で国民の46・7%が「私は下層民だ」と答え、史上最高値を記録した。老人貧困率はOECD諸国中1位、韓国労働者の年平均労働時間は世界最高水準だ。このように、労働者・農民・庶民の生活は疲弊しきっていく一方で、企業の余剰金を合わせた金額をいう社内留保率は10大財閥の合計が1600%に達し、その金額だけでも477兆㌆に達する。パンパンに太った腹をたたいて、庶民をより一層悪辣に収奪するのだ。
 朴槿恵政府は、こうした極端な不平等を縮小するのだと、経済民主化と福祉強化の公約を掲げて当選したが、執権1年にもならずに、庶民を見捨てたまま、企業を背負ってあげなければと、〈規制緩和と投資活性化〉を強調している。代表的福祉公約である4大重症疾患の100%国家責任、老人基礎年金20万㌆支給、無償保育施行、半額登録金【大学授業料の半額化】の公約は、謝罪ひとつなしに暗黙のうちに廃棄されている。
 昨年から多くの国民の抵抗にあった民営化政策も同じだ。政府は水西発KTX株式会社設立が「民営化ではない」と強調したが、ストライキが終わった直後、仁川空港鉄道売却、赤字地方路線縮小と料金引き上げなどを試みている。これが民営化ではなくて何だというのか! また年初から朴槿恵政府は、国民の70%が反対する医療民営化を押し通している。鉄道民営化、医療民営化は、サービス低下、料金暴騰で労働者・農民・庶民は途方もない被害をこうむるが、最も重要な資産を買いとることになる財閥と超国籍資本にとって、これほどいいことはないのではないか!
 労働者の生活も朴槿恵政権1年の間に落ち込むところまで落ち込み、労働者に向かった政権の鋭い爪はすでにその姿を露呈した。仕事に応じて受けとるべき通常賃金は、使用者らの要求により不透明になる状況だ。労働者に向けられた政府・資本の労組破壊工作と損賠・仮差し押さえ請求もすでに限度を超えて久しい。派遣労働業種を全面拡大して、正規職の職場を削り取り、パートを増やすということが朴槿恵の労働政策だ。「公共機関正常化対策」という見せかけのいい美名のもと、憲法が保障した公共部門労働者の労働基本権がことごとく侵されている。最低賃金は相変わらず「最悪賃金」水準を抜け出せずにいる。
 「斥洋斥倭、保国安民、除暴救民」の旗を揚げて甲午農民革命が起きてから120年が過ぎた今日の農民はどうなのか! 朴槿恵政府は韓米FTAに続き、農業の莫大な被害が予想される韓中FTAを押し通した。韓豪FTAを拙速で妥結したかと思えば、ついには環太平洋パートナー協定(TPP)に加入するという。これに加えて今年、コメ市場まで全面開放するとしている。朴槿恵政府の農民政策は、まさに農民抹殺、食糧主権抹殺政策である。
 また、朴槿恵大統領は大統領選挙の時、扶養義務者基準緩和、基礎法(国民基礎生活保障法)死角地帯改善、障害等級制廃止、障害者年金2倍拡大など、貧民と障害者に対する公約で明らかにしたことがあるが、執権1年にもならない中、障害者年金2倍化の公約はこっそりと廃棄して、基礎生活保障法は改悪を通してさらに多くの貧困層をさらなる死に追いやろうとしている。露天商と撤去民に対する弾圧もより一層強まっている。国民を貧困の危機に陥れているのだ。これは貧民と障害者に対する深刻な欺瞞(ぎまん)行為だ。
 貪欲(どんよく)な財閥への餌とされて没落した600万商人は、自ら命を絶ちながらすさまじく抵抗している。しかし、朴槿恵政府はこれらを徹底的に無視したまま、財閥に財閥と企業の〈甲乙関係〉【甲が上に立ち乙を支配する関係】をあおっている実情だ。このように朴槿恵政府は〈富者(優先)政策〉で大多数の国民を崖っぷちに追いやっている。
 これだけではない。2012年大統領選挙で、国家情報院だけでなく国防部、国政広報庁、安行部まで加わり、組織的に大統領選挙に介入したことが露見している。大統領選挙介入の(ためのネット上の)文章も当初には数百件が明らかになったが、時間の経過に伴い5万件、そして121万件に拡大した。このようにして官権不正選挙が事実として露見した。にもかかわらず朴槿恵政府は、チェドンウク検察総長を排除し、ユンソギョル捜査チーム長を解任、捜査チームの解体など、真実を歪曲・隠蔽・縮小しようとありったけの力をふりしぼっている。憲法と民主主義をごみ箱に放り込んでいるのだ。
 一方、朴槿恵政府の誤った政策に抵抗すれば、ただちに弾圧に直面することになるのが現実だ。全教組がそうであったし、公務員労組がそうであったし、鉄道労組ストライキを理由に民主労組の心臓部である民主労総を警察力を不法に投じて踏みにじった。挙げ句の果てに内乱陰謀事件を捏造し、軍部独裁時代にも類例のない政党強制解散をしようとしている。
 朴槿恵政府によって憲法は蹂躙(じゅうりん)され、民主主義は徹底的に破壊されている。
 また、朴槿恵政府と米国は韓半島を戦争の危機に追いこんでいる。昨年上半期には、6・25戦争【1950年6・25に始まった朝鮮戦争】以後、最大の戦争危機状況に韓半島を追い込んだ。
 韓米日同盟強化を云々しながら、事実上韓半島に日本の自衛隊を派兵することができるようにする日本の軍国主義武装化を助けている。このような韓半島戦争危機は、結果的に軍事力強化と武器導入を引き起こし、その武器導入は90%以上が米国産という点で、戦争の危機は米国にとってまさに大きな利益であり、私たち国民にはおろかな方策でしかない。
 一方、最近表面的には南北関係改善の動きがあるが、その内部には北を崩壊させて吸収統一しようとする〈統一大当たり〉【=統一特需】論が隠れている。相手方を孤立圧殺しようとする統一大当たり論は、結果的に南北関係を破綻させるほかはないだろう。
 このように朴槿恵政府の民主主義破壊、民生破綻、韓半島戦争危機に対抗し、労働者、農民、貧民、商人、学生は憤然と立ち上がる。
 もうこれ以上我慢できない。仕事をすればするほどより一層奪われて、大企業の搾取を防ぐどころか大企業の肩を持つ政府の下で、公安弾圧で維新独裁を復活している2014年の韓国社会で、これ以上このままじっとしていることはできず、労働者、農民、貧民、商人など、私たちは立ち上がる。
 私たちははっきり見た。朴槿恵政権は、公安弾圧と言論歪曲報道がなければ(この政権を)支えることができないということを。そして8カ月目、継続する官権不正選挙糾弾ろうそく集会で、鉄道ストライキ闘争で、非常時局大会で、民衆の怒りを見た。もはや闘争に打って出る民衆とともに勝利することだけが残った。
 民衆は一つだ。私たちは固く団結して、いかなる弾圧にも、いかなる困難にも、しっかり手を携えて朴槿恵政府に立ち向かう、止まることのない闘争を前進させていくだろう。
 そして私たちの要求が受け入れられないならば、〈朴槿恵OUT〉の声が活火山のように爆発していくことを、朴槿恵政権に対して明らかにするものである。

2014年2月25日
朴槿恵政権1年、このままでは生きられない 2・25国民ストライキ大会参加者一同

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韓国民主労総2・25ゼネストに連帯 動労千葉を先頭にJR貨物抗議行動

(写真 「JR貨物は賃下げをやめろ」とJR貨物本社前に結集 )
(写真 「民主労総ゼネスト連帯」の横断幕も【2月25日 新宿】)

 動労千葉―動労総連合は2月25日、「14春闘勝利! 貨物賃下げ攻撃粉砕―JR体制打倒! 韓国民主労総ゼネスト連帯!」のスローガンを掲げ、JR貨物本社への抗議行動に立った。動労千葉にとって14春闘第2波となるこの行動は、民営化反対の具体的な闘いを貫くことで民主労総のゼネストに呼応するものとして打ち抜かれた。
 JR貨物は昨春、労働者の基本給を10%も切り下げる計画を打ち出した。このもくろみは、昨年のメーデーで動労千葉がJR貨物本社への抗議行動をたたきつけたことにより、JR総連・日貨労傘下の青年労働者にも怒りが広がり阻まれた。だが、JR貨物は昨年、夏季手当1・1カ月分、年末手当1・3カ月分という超低額回答を強行し、労働者に大幅賃下げを強いてきた。
 JR貨物の労働者は14年連続のベアゼロを強いられ、旅客鉄道会社と比べても極端な低賃金状態にある。JR貨物は国鉄分割・民営化の矛盾のすべてを労働者に押しつけようとしているのだ。
 この攻撃への怒りに燃えて、動労千葉・動労水戸の組合員と支援の労働者190人が午後1時半、東京・新宿にあるJR貨物本社前に結集した。「JR貨物は賃下げをやめろ」とともに「韓国民主労総ゼネスト連帯」スローガンを記した横断幕が掲げられた。千葉機関区支部の斎藤隆男支部長がマイクを握り、「賃金削減は許さない。JR貨物はベアを行え」と会社に怒りをたたきつけた。動労千葉貨物協議会の佐藤正和議長も「闘いはこれからだ」と戦闘宣言を発した。
 行動参加者は「JR貨物は賃下げをやめろ」「手当削減を許さないぞ」「生活できる賃金をよこせ」とシュプレヒコールを上げ、怒りのこぶしを突き上げた。
 この日は全国で民主労総ゼネストへの連帯行動が取り組まれた。札幌、新潟、福岡では韓国領事館抗議闘争が行われ、広島では春闘行動として市内デモが闘い抜かれた。