●特集 青年労働者を先頭に15春闘爆発へ Ⅱ 「生きるため」の階級的団結で未来を開こう 動労総連合を全国へ 3月ダイ改と大量退職に立ち向かう

投稿日:

月刊『国際労働運動』48頁(0462号03面02)(2015/03/01)


●特集 青年労働者を先頭に15春闘爆発へ Ⅱ
 「生きるため」の階級的団結で未来を開こう
 動労総連合を全国へ 3月ダイ改と大量退職に立ち向かう

2~3月国鉄決戦へ

 戦時下の労働組合圧殺攻撃が最も激しく襲いかかっているのがJR職場だ。
 世界大恐慌が戦争に転化しているなかで、米・欧・日あるいは中国という帝国主義・大国としての生き残りをかけた鉄道輸出をめぐる争闘戦が、レーニンの時代をも超えるような壮絶な奪い合いとして激しく進行しているからだ。極限的なコスト削減を求め、職場が日々、戦場・地獄のような現実にたたき込まれている。
 3月ダイ改をめぐるすさまじい攻防は、動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭とする、外注化・非正規職化と極限的な労働強化と被曝労働の強制、そして解雇という、どこまでも非人間的なJR資本に対する、青年労働者の職場からの生きるための叫びと団結・共同性を取り戻す闘いとして爆発しようとしている。さらに、昨年9・11郡山工場包囲闘争を闘い抜き、外注化・非正規職化絶対阻止へ闘う国労郡山工場支部の闘いも、大きな飛躍の時を迎えた。
 3・11四周年の反原発福島行動と一体で、3・14動労千葉ストライキ(予定)と3・15動労水戸支援共闘結成集会を頂点に2~3月国鉄決戦を打ち抜くことが、改憲・戦争や安保国会を含めた2015年のすべてを決すると言っていい。
 今、「大量退職時代」の到来など「3~4年」と言われているJR大再編が始まろうとしている。
 JR東日本では、この8~9年で2万6000人近くが定年を迎える。これは、国鉄分割・民営化を前にした1982年の採用を最後に、JR発足以後まで新規採用を行わなかった(JRでの採用者を「平成採」と言う)という、国鉄分割・民営化が生み出した深刻な矛盾だ。JR資本はこれを逆手にとって、国鉄的な労働組合(JR総連も含む)を解体・一掃しようとする組織破壊攻撃と際限のない外注化を強行しようとしている。労働者にとっては「去るも地獄、残るも地獄」となる。
 動労千葉は、これに対して「外注化粉砕・定年延長」「組織破壊攻撃を粉砕し、65歳まで働き続けることのできる職場と労働条件をかちとろう」という階級的要求を掲げて15春闘を闘い、JR―CTS(千葉鉄道サービス)を貫く組織拡大をもって立ち向かおうとしている。
 この過程を動労総連合を全国に圧倒的に建設していく過程へと転化しよう。それが安倍打倒、プロレタリア革命への最短距離だ。

1047名解雇撤回へ

 今年の2月16日で国鉄分割・民営化による解雇(7628人の国鉄労働者がJRへの不採用となった日)から28年を迎える。
 昨年11月の発表では、非正規職がついに2000万人を超えた。このような、労働者が生きられない現実を生み出したその出発点が、この国鉄分割・民営化による解雇だった。
 動労千葉鉄建公団訴訟と4人の闘う国労闘争団員は2010年の「4・9政治和解」という反革命をのりこえて闘い抜いた。そして「動労千葉の12名を含む117名の本州不採用者も採用候補者名簿に登載されていた」「採用不採用を決める直前に、葛西敬之職員局次長(当時。現在のJR東海名誉会長)の指示で名簿から外した」という決定的な真実を暴き出した。この真実に追いつめられた最高裁判所は、昨年中にも予想されていた判決を下ろすことができなかった。
 そして28年の闘いは、最高裁に対し「国鉄改革法23条は違憲」と国鉄改革法そのものを揺るがす闘いとなっている。
 国鉄改革法23条は、国鉄が採用候補者名簿を作成し、その名簿に基づいてJRが新規採用を行うというものだった。〈国鉄は清算事業団と一体。国鉄から清算事業団に行くのが通常のルート。新会社のJRに行くのは新規採用。そのために名簿に記載された中で選ばれたものがJRに行く〉などという虚構をつくり上げたのだ。そうなれば名簿記載の過程での国鉄当局による脱退強要など、不当労働行為もやりたい放題となる。JRが採用差別にまったく責任を取らなくてよくなるからだ。こんなものは憲法違反に他ならない。
 もう一つ、動労千葉の12名を名簿から外した際の不採用基準を、葛西とJR設立委員長・斎藤英四郎(当時、経団連会長)が共謀して作成していた事実が明らかになったことは重大だ。JR設立委員会が直接に不当労働行為を行ったということだ。国鉄改革法がもし憲法に違反していないとしても、その条文には「設立委員会が行った行為は新会社が行った行為とする」とある。つまり設立委員会がおこなった不当労働行為は、そのままJRの行った不当労働行為となる。
 だから、ストレートに「不当労働行為だから解雇撤回」が当然の結論となるしかないのだ。解雇撤回まで、あとは力勝負だ。6回にわたった最高裁への署名提出、8万5千筆を超えた解雇撤回署名は労働運動の復権を望む多くの労働者の声だ。10万筆署名を集めきり、絶対に解雇撤回をかちとろう。

3・14ダイ改粉砕を!

 今年3月14日のJR「ダイヤ改正」は、これまでとは次元の違う全面的な外注化―安全と雇用の破壊、そして地方ローカル線の切り捨てになろうとしている。それは今後3~4年をかけたきわめて大規模なものであり、「大量退職時代」を迎えるJRがたくらむ大合理化・全面外注化の突破口として位置付けられている。
 今回のダイ改は、北陸新幹線と上野東京ライン(上野駅と東京駅を経由し、宇都宮線・高崎線・常磐線と東海道線を相互直通運転する中距離電車の系統路線)の開業を頂点に、東北・上越新幹線や京浜東北線・山手線・宇都宮線・高崎線・常磐線・東海道線などの首都圏線区全体、「東京メガループ」とされる武蔵野線・南武線・横浜線・京葉線を含む大再編に及ぶ。
 それは巨大な地方切り捨てであり、「896自治体消滅」をJRの側から推し進める攻撃だ。北陸新幹線の開業そのものが地方の切り捨てだ。新幹線開業にともない、平行する北陸本線・信越本線の一部は第三セクター化されてJRから切り離された。
 JR千葉支社は特急列車を全面的に廃止・削減しようとしている。このことが報道されるや、瞬く間に沿線自治体から嵐のように反対の声や決議が上がっている。12月24日、館山市、同商工会議所、同観光協会の3者が、特急列車の復活を求める要望書を千葉支社に提出した。翌日には館山市議会で「廃止の見直しを求める意見書」が全会一致で決議された。さらに銚子市、香取市、成田市、神崎町、東庄町、旭市、匝瑳市、鹿嶋市、潮来市など沿線自治体から次々と反対の声や決議が一斉に上がっている。JRに対する地域の総反乱と呼ぶべき事態だ。動労千葉―階級的労働組合を結集軸とした「房総の大反乱」が日本と世界を揺るがそうとしている。
 JRは新幹線と都市圏輸送だけに特化し、赤字ローカル線を切り捨てて生き延びようとしている。その攻撃は鉄道のパッケージ輸出戦略と一体だ。
 常磐線は品川まで乗り入れ、特急が全席指定となり自由席が廃止となる。狙われているのは車掌の大合理化・外注化だ。車掌や運転士からも「苦情が多くなる」「やりづらい」という不安や懸念の声が多く出ており、茨城県などからも「見直すべきだ」という声が出ている。
 また、今回のダイ改で激しいのは駅の外注化・無人化、さらには遠隔操作の導入が大規模に行われようとしていることだ。そのシステム導入にあたってはあまりに期間が短く、現場では「とても無理だ」という声も上がっている。まるで鉄道事業そのものを投げ捨ててしまっているかのようである。なぜ、そんな破綻的なことまでやるのか。そうまでしてでも闘う労働組合、すなわち動労千葉・動労水戸―動労総連合を解体したいのだ。

貨物会社の破綻

 JR資本―安倍・葛西をここまで動労千葉・動労水戸の解体へと駆り立てるのは、一方で鉄道輸出をめぐる争闘戦の激化であるが、他方ではJR体制―分割・民営化そのもののどうしようもない危機だ。JR北海道の安全崩壊と並んで巨大なものは、貨物会社の破綻であり、会社はその矛盾をすべて労働者に押しつけている。労働者の数はJR発足時からなんと半減し、労働者の賃金をただただ下げ、それでも債務は倍増している。これは単に貨物の経営問題ではない。分割・民営化が破綻しているという問題だ。
 貨物では15年連続でベアゼロが強行され、55歳からの賃金一律3割カットが強行されている。定期昇給はなく、60歳からはさらに限度を超えた超低賃金である。それでも貨物の経営は破綻し続けており、さらなる手当の廃止・削減による賃下げを狙っている。絶対に許せない。家族や自分の将来への不安を抱えて「安全第一・安定輸送の確立」などできるわけがない。
 〈大幅賃上げ獲得、定年延長の実現と、65歳まで安心して働き続けることのできる職場・労働条件確立〉を掲げたJR貨物労働者の15春闘への決起は国鉄分割・民営化―JR体制の破綻を全面的に暴き、全JR労働者とりわけJR北海道労働者の怒りと決起を呼び起こすものとなる。生きぬくための賃金闘争の先頭に、貨物労働者が立とう!

動労水戸支援共闘(仮称)の結成へ

 「被曝労働拒否を闘う動労水戸支援共闘」(仮称)の呼びかけが、国労秋田闘争団の小玉忠憲さんから発せられている。この闘いを15春闘の最大の方針として構え、3月15日に行われる結成集会(午後1時から上野・「オーラム」)を全力で成功させよう。これこそ動労千葉の3・14ダイ改粉砕ストと並ぶ「動労総連合を全国へ」の具体的方針だ。
 自らがあらゆる犠牲を払ってでも、JRで働く青年や福島、仮設で生き抜いている労働者の怒りの声を体現し、外注化と被曝労働に対する渾身のストライキに決起し続ける動労水戸40名の闘いは、労働組合とは何かを全労働者に指し示し、「これに続こう」という勇気と感動を与えている。被曝労働拒否で立ち上がった労働組合は世界的にも初めてである。その闘いは国労郡山工場支部の被曝労働拒否・外注化阻止の闘いへ伝播し、そして3人目の青年労働者の加入へと結実している。
 動労水戸は「外注化や非正規職化など、資本増殖のための合理化攻撃に対する闘いは、労働者の本質的共同性において命を守り合う闘い」だと訴えている。命まで奪い取る資本の極限的な搾取・分断・支配、そして被曝の強制に対する絶対反対の中で生み出されたのが動労水戸の団結であり、その階級的団結は、生きる希望として青年たちに急速に伝播し始めている。動労水戸支援共闘の結成は、被曝労働強制との闘いを労働運動の普遍的課題に高め、「フクシマの怒り」を階級的根底的に解き放つものとなる。そういう意味で、3・11四周年の福島行動と3・15動労水戸支援共闘結成は、完全に一体だ。

フクシマ圧殺を許さず3・11へ大結集を

 福島原発事故の現状はますます深刻化している。放射能汚染水の処理を「年度中」としていた東電はそれを断念した。東電は記者会見で「謝罪」したが、それは安全無視の現場で相次いで亡くなった2人の原発労働者に対してではなく「年度内処理」を指示した安倍に対しての謝罪だ。安倍の「年度内」指示によって労働者の安全・生命より「復興」、怒りの抹殺が優先され、被曝による人員不足もあって経験・教育の不足した労働者を大量に動員することとなり、死亡を含む重大事故が続発している。亡くなった2人の労働者は、文字通り安倍と東電が殺したのだ。
 また安倍の「復興・帰還」攻撃の先兵としてJRは1月31日から、竜田~原ノ町間のバス代行運転を強行した。バス停には一切止まらないノンストップ運行でも「1回の通行の被ばく線量は1・2㍃シーベルト」という告知が平然と行われている。被曝するとわかっていても通すということだ。
 また安倍は、112人の子どもたちが甲状腺がんに襲われている事実を完全に開き直り、「福島県民健康調査」を「治療・健康の維持が目的」という建前を完全に投げ捨て、「データ収集・取得を迅速にできるため」の「疫学的追跡調査」に特化する、つまり福島を完全に人体実験場にすることを宣言した。日帝国家権力は総力をあげて「フクシマの怒り」を抹殺しようとしている。
 2月3日には、そのために福島大学当局と国家権力、そして右翼が結託したデッチあげ弾圧が強行された。動労水戸の闘いとふくしま共同診療所の闘いを結集軸に、フクシマの怒りを解き放つ3・11反原発福島行動を大成功させよう。