国際労働運動の暦 5月15日 ■1972年沖縄「本土復帰」■ 沖縄闘争永続化の日 日米帝のペテン的攻撃打ち破って 人民の非和解的激突が開始された

月刊『国際労働運動』48頁(0464号06面01)(2015/05/01)


国際労働運動の暦 5月15日
 ■1972年沖縄「本土復帰」■
 沖縄闘争永続化の日
 日米帝のペテン的攻撃打ち破って
 人民の非和解的激突が開始された

(写真 「解雇撤回・基地撤去」を叫んでデモする全軍労牧港支部青年部【コザ市〔現・沖縄市〕】)


 1945年、太平洋戦争末期の日本唯一の地上戦に蹂躙(じゅうりん)された沖縄は、戦後米軍直接統治の下に置かれ、52年のサンフランシスコ講和条約で、日本の独立と引き換えに米帝の施政権下に置かれることが決められた。その講和条約発効の日4月28日が「屈辱の日」として歴史に刻まれてきたことは本シリーズでもすでに取り上げた(12年4月号)。
 その沖縄分離軍事支配に対する全県民的な反対、「本土復帰要求」に追い詰められた日米帝が、その要求を逆手にとって、日帝による基地沖縄の永続固定化を図ったのが72年返還政策であった。だが、「沖縄返還協定」の中身が沖縄県民の求めるものとはおよそ違うものであることが明らかになるにつれ、沖縄の労働者を始め全人民的な怒りが爆発した。
 71年の協定調印・批准時には、沖縄の全島ゼネストがたたきつけられ、11・10ゼネストは那覇の暴動闘争となって爆発した。その先頭に米軍基地労働者の労働組合、全軍労の革命的労働者、牧港(まきみなと)支部青年部(牧青〔まきせい〕)が立った。これに呼応して東京では全国の労働者学生人民が11・14渋谷、11・19日比谷と連続して暴動闘争に立ち上がった。この70年安保・沖縄決戦の爆発と沖縄労働者人民の怒りの爆発によって、沖縄返還政策のペテン性と反人民性は徹底的に暴かれた。
▼「返還」の反人民性
 「核抜き・本土並み返還」と言われたが、「核持ち込み」の密約が交わされていたことが明らかになっている。また、本土並みとは米軍基地を本土並みに減らすことではなく、日本政府の責任で米軍基地の維持に当たるということ、さらに自衛隊を沖縄に配備するということ以上のものではなかった。
 70年決戦の爆発によって、72年5月15日の沖縄返還協定発効は、「沖縄問題解決」の日ではなく逆にその困難化、闘いの永続化を歴史に刻印する日となった。「5・15返還」は、沖縄の労働者人民の怒りを鎮めるどころか、一層強く燃え立たせ、新たに成立した5・15体制との全面対決へと発展していった。
 72年5月15日、日本政府主催の「復帰記念式典」が東京の日本武道館と沖縄の那覇市民会館で行われた。
 これに対して東京では、日比谷野外音楽堂に1万5千人が結集し、沖縄闘争永続化を宣言した。都心を席巻するデモを展開、機動隊と3度にわたる大激突を繰り広げた。沖縄では、記念式典が行われた那覇市民会館隣の与儀公園で沖縄県祖国復帰協議会(復帰協)主催の「沖縄処分抗議・佐藤内閣打倒5・15県民総決起大会」が豪雨を突いて開かれた。5月15日は「新たな屈辱の日」と呼ばれた。
▼5・15軸に全国から
 毎年5月15日は、沖縄闘争を永続化させる闘争の日として、労働者人民に記憶され、その後43年にわたって闘いが続けられている。
 沖縄では1978年から、5・15に向けて県内3コースで3日間にわたる平和行進が行われ、全県・全国から青年労働者を中心に取り組まれてきた。行進団が最終日に那覇の与儀公園や宜野湾市海浜公園のゴールで合流し、締めくくりの県民大会を開くのが常である。今年で38回になる。
 1995年以来2010年まで5度にわたり、5・15を前後して普天間基地包囲行動が呼びかけられ、それぞれ1万6000人から2万数千人が手をつないで基地を取り囲んだ。
 全国の青年労働者・学生を中心とした5・15沖縄闘争は、毎年戦闘的にかちとられてきたが、昨14年は青年労働者の解雇撤回闘争を闘うIJBS(日本IBM・ビジネスサービス)労働組合の支援共闘会議が結成される画期的な年となった。牧青の「解雇撤回・基地撤去」の闘いを今日の戦争と外注化・非正規化攻撃の中で甦(よみがえ)らせる闘いだ。
 辺野古新基地建設を阻止し、すべての基地を撤去し、戦争をとめる闘いは、労働組合を甦らせること、「基地の島から国際連帯の島へ」を掲げた闘いにかかっている。

------------------------------------
72年沖縄闘争日誌
 3.7 全軍労が無期限ストに決起(~ 4・10)
4.27 全国6人の反戦兵士が自衛隊沖縄派兵拒否の決起
4.28 8000人が首都でデモ。沖縄は与儀公園に3万人
5.11 沖縄大学廃止攻撃に反対し、沖大生1300 人が決起
5.15 革命派1万5000人が総決起。日比谷から都心デモ。法政大学、関西大学でスト。沖縄では与儀公園で3万人が「沖縄処分抗議県民総決起大会」
5.21 北熊本で自衛隊沖縄派兵阻止闘争
6.21 沖縄で初の革共同政治集会に600人
6.23 日比谷野音に白ヘル7000人
6.25 沖縄県知事選、屋良朝苗当選
6.29 全軍労、48 時間スト
6.30 自衛隊の沖縄移駐開始