特集 ゼネストに突き進む韓国労働者階級 パククネの労働者殺し攻撃に「生きさせろ」の怒りが爆発

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月刊『国際労働運動』02頁(0468号01面02)(2015/09/01)


特集 ゼネストに突き進む韓国労働者階級
 パククネの労働者殺し攻撃に「生きさせろ」の怒りが爆発


 はじめに

 韓国経済は重大な危機に突入している。内需と輸出の不振から低成長にあえいでいる。昨年4月16日のセウォル号惨事は内需に大打撃を与えた。さらに今年6月の中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大がより決定的な打撃となっている。日本における3・11東日本大震災と福島第一原発事故に匹敵するような、国家、そして「命よりカネ」の新自由主義に対する労働者人民の怒りが巨大な規模で生み出されている。その中でパククネの支持率急落と政治危機が生まれている。この怒りと結合してパククネ打倒へ向かう民主労総のゼネストが波状的に闘われ、11月に向かってより深く巨大な規模で労働者人民が総決起する情勢に入っている。
 民主労総の掲げる4大要求、すなわち①パククネ政権の「労働市場構造改悪」攻撃粉砕、②公務員年金制度の改悪阻止、③最低賃金の時給1万㌆獲得、④全労働者の労働基本権獲得は、労働者階級にとって絶対に譲ることのできない要求だ。とりわけ①は資本のために「より容易な解雇、より低い賃金、より多くの非正規職」を強制するものだ。
 民主労総のゼネストは、パククネの打倒から新自由主義・資本主義の根本的打倒、労働者階級による政治権力奪取に向かっている。1917年ロシア革命から100年、大恐慌と戦争に行き着いた最末期の資本主義・帝国主義の支配を労働者階級の団結と総決起で打ち倒す時が来た。軍事独裁政権を打倒し、新自由主義攻撃との死闘を階級的団結をもって闘ってきた韓国労働者階級は、この世界革命の時代に全世界の労働者階級の先頭に立つ存在として登場した。
 韓国労働者階級は何と闘い、どのような現実のもとで立ち上がっているのかを把握するため、大恐慌下の韓国経済の危機について分析・検討を行う。第Ⅰ章で韓国経済の危機の現状、第Ⅱ章で韓国労働者階級の現実、第Ⅲ章で韓国経済の危機的構造とその構造をつくり出す突破口となった「IMF改革」、第Ⅳ章で民主労総のゼネストの意義を明らかにし、日本のゼネストをかちとることをもって連帯することを訴える。

  目 次
Ⅰ 経済危機の3つの要因――成長率・輸出・製造業不振
(1)低成長が深刻化
(2)輸出の不振
 ①対中国輸出が鈍化
 ②ウォン高
(3)製造業の危機
(4)家計債務急増

Ⅱ 生きていけない労働者の現実――低賃金・解雇・非正規化
(1)雇用の現状、構造調整
 ①サービス業の8割弱が月収22万円未満
 ②実質的失業の強制、社内下請け
 ③社内下請け労働者の実態
(2)新自由主義がもたらした
 社会崩壊

Ⅲ 韓国経済の危機的構造――財閥が社会・経済を支配
(1)外需に依存
 ①高い輸出依存度
 ②強まる中国依存
 ③外交でも中国依存
 ④日韓貿易関係の特徴
(2)海外金融機関の資金流出に脆弱
 ①通貨暴落の危険性
 ②資本市場の自由化
 ③通貨スワップ協定
(3)財閥が経済と社会全体を支配
 ①4大財閥の売上高はGDPの半分以上
 ②国家による育成と新自由主義
 ③アジア通貨危機と「IMF改革」
 ④4大改革

Ⅳ 民主労総ゼネストの衝撃――今こそ日韓の国際連帯を
(1)新自由主義を打倒しプロレタリア革命へ
(2)東アジア情勢と民主労総ゼネスト
(3)日帝・安倍を倒すゼネストを