北総の空の下で 土に生まれ 走りぬいた人生!

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週刊『三里塚』02頁(0887号02面06)(2014/01/13)


 北総の空の下で
 土に生まれ
 走りぬいた人生!


 2014年初頭、ようやく萩原進さんを偲ぶ余裕ができました。 21日夜の産直忘年会では、共にカラオケを楽しみ、進さんが締めくくりのあいさつをしました。体調が急変したのはその直後です。持病を抱えていた心臓が、激務に耐え切れなくなった結果でした。
 進さんの枕辺で萩原静江さんが「ずっと走り続けたまんまで■声をかけたらむくっと起き上がる気がする」と言ったのが身近にいた全員の実感でした。 それから1週間、嵐のような年末でした。注文を受けている正月野菜270セットと単品の出荷は26と27日です。私は、例年静江さんが熟練の早さでこしらえていた八つ頭470㌔を作り続け、夜は注文の発送準備に明け暮れました。現地支援が総力で仕事を分担して、完了したのは27日15時。お通夜の受け付けに入る直前でした。
 告別式では、市東孝雄さんの気持ちのこもった弔辞が皆の涙を誘いました。三代目を継いだ萩原富夫さんは、身近にいたからこそ語れる“じい”の繊細さ純粋さと孫との思い出を、声を詰まらせながら披露しました。
 私の涙が止まらなくなったのは、反対同盟歌で進さんの棺を送り出した時です。「土に生まれ土に活き 骨を埋めるこの土の 誇りも高き農地死守」――進さんの人生そのものです。遺骨は、父母の作治さんと哲子さん、大木よねさん等が眠る東峰墓地に埋葬されました。空港予定地のど真ん中で、進さんの農地死守が続きます。
 北里一枝
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