いわき市民待望のデモ 2・23「怒りの行動」に320人

週刊『三里塚』02頁(0891号02面02)(2014/03/10)


 いわき市民待望のデモ
 2・23「怒りの行動」に320人

(写真 NAZENいわき主催の「2・23怒りのいわき行動」でいわき市内をデモ行進する労農学市民【2月23日 福島県いわき市】)

(写真 地元を中心に320人の労農学市民を集めて成功した集会【いわき駅前ラトブ】)


 2月23日、NAZENいわき主催の「2・23怒りのいわき行動」は、いわき駅前ラトブ6階で、地元いわきなどから320人が集まり、反原発闘争の新たな拠点を切り開いた。三里塚反対同盟から伊藤信晴さん、宮本麻子さんが参加した。動労水戸平支部事務所の開設から2年、昨年いわき合同ユニオンが結成され、この1月にNAZENがいわきに誕生した。闘う労働組合が、原発・放射能と闘う住民運動の展望を切り開いた集会であった。
 動労水戸の川俣達彦さん(いわき合同ユニオン委員長)の軽妙な司会の下、集会は進められた。第1部は「子どもたちを被曝から守ろう」として、ふくしま共同診療所・運営委員の女性と吉本哲郎医師が講演した。女性は、福島の子ども74人が甲状腺がん(「疑い」を含む)と診断されたにもかかわらず、県が放射能の影響ではないと断言したことを弾劾し、「ごまかしを許さない。反原発・反被曝の闘いを応援していく」と発言した。吉本医師は「被曝被害について、権力と権力側の科学者たちはデータを持っている。甲状腺異常は、氷山の一角」と被曝による人体被害を暴露した。そしてJR竜田駅延伸を「線量計のアラームは鳴りっぱなし。そんな所に電車を走らせ、帰還させようとしている。死ねと言う攻撃だ」と弾劾し、「希望を持てるための診療所を建設し、この世界をひっくり返そう」と訴えた。 
畜産農家の叫び
 第2部の「いわき住民の声」では、畜産農家の斎藤栄一さんが「いわき市民は怒りをぶつけるところがなかった。NAZENと動労水戸に感謝している」と述べ、「畜産農家は罪もない牛豚を殺さざるをえなかった。東電と最後まで闘っていく」と怒りを表明し、3・11郡山集会への結集を訴えた。
 続いて、毎週金曜日いわき駅前で情宣を続けている「いわき駅前アクション」の5人が登壇し、「実際に健康被害をうける私たちには決定権がありません。被害と復興で分断と対立が持ち込まれ、自分で被害を言いにくいようにされている」と現状を語り、中間貯蔵施設の設置など犠牲を強いる攻撃に危機感を表明した。
 第3部は「たたかいのアピール」では、 3・11福島行動実行委員会の椎名千恵子さんが、「福島は、生きたまま殺されている。闘いぬこう」と3・11郡山集会への結集を呼びかけた。
 集会の最後に、動労水戸の石井真一委員長の常磐線竜田延伸阻止の発言とNAZENいわきの青年の行動提起を受け、参加者はいわき市内デモ行進に出発した。
 休日の官庁街を通るデモは、消防署の職員が手を振り、商店や駐車場の車から人が手を振り出迎えた。2・23行動は、いわき市民の待望のデモとして貫徹された。

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