3・23全国集会 〝壁をこじあけるのが闘いだ〟 市東さん農地裁判控訴審決戦の火ぶた切る 8千超す署名獲得 改憲・戦争の安倍政権打倒へ

週刊『三里塚』02頁(0892号01面01)(2014/03/24)


3・23全国集会
 〝壁をこじあけるのが闘いだ〟
 市東さん農地裁判控訴審決戦の火ぶた切る
 8千超す署名獲得
 改憲・戦争の安倍政権打倒へ

(写真 「3・26弁論闘争で東京高裁を包囲するぞ」との熱気に包まれた全国総決起集会【3月23日 東京・芝公園】)

(写真 「農地死守」を訴え銀座のど真ん中をデモするデモ隊)


 「われわれは資本家のおこぼれをもらっているんじゃない」と決起した3・16春闘大闘争の成功を引き継いで、三里塚3・23全国集会が首都のど真ん中に950人を結集してかちとられた。「壁をこじあけるのが民衆の闘いだ」と控訴審勝利の決意を表明した市東孝雄さんを先頭に、東京高裁を包囲する熱気を充満させた。デモでは、にぎわう銀座のど真ん中を行進し、労農学市民との合流を果たした。さらに3月26日、貝阿彌(かいあみ)誠裁判長の早期結審策動と対決する弁論闘争を貫徹した。早期結審策動粉砕へ3万人署名を達成しよう。6月25日第2回弁論へ。

 三里塚闘争初めての東京集会となった3・23全国総決起集会は、晴れわたる東京・芝公園に全国から950人が結集した。反原発集会でのビラを見て知った青年たちや反原発金曜行動に決起している人がグループで参加した。この間の、署名・宣伝の成果が出た集会であった。集会場では、演壇用のトラックが設置され、その脇に集会受付と3万人署名の受付が設けられた。また、新発売されたDVD「大地の乱2014」の販売が行われ、次々と売れた。
 今回、反対同盟は、初めて集会前ライブとフリートークを開いた。ライブでは、三池闘争などの労働歌を幕開けに、経産省前テントの方、全国で活躍するミュージシャンの趙博(チョバク)さんなどが登壇。最後に反対同盟歌を3番まで披露し盛り上がった。
 フリートークでは、星野暁子さんが星野文昭さんのメッセージを読み上げ、国賀祥司泉佐野市議、斎藤郁真全学連委員長が決意を表明した。また、初めて参加した反原発NPO関係者の女性は、警察の多さにびっくりしたことを語った。
 いよいよ本集会の始まりだ。動労千葉が隊列で登場し中央に陣取る。開会宣言は司会の萩原富夫さん。「こんなに警察がいる集会は初めてだといわれた方がいました。どれだけ大変なことをやっているか、われわれが自慢していいことなんでしょうかね」の呼びかけに会場から「そうだ」の掛け声と笑いが起こった(反対同盟発言別掲)。主催者あいさつは北原鉱治事務局長、そして満場の拍手が響く中、市東孝雄さんがマイクを握った。「決意も新たに、控訴審を勝ちぬきたい」と一声を発し、一審判決の不当性に怒り「絶対認めるわけにいきません。歯を食いしばり、壁をこじ開ける。それが民衆の闘いだ」と力強く宣言した。
 控訴審闘争への決意の2番目に顧問弁護団の発言を受けた。葉山岳夫弁護士は「いよいよ東京高裁貝阿彌裁判長との対決だ」と裁判長との折衝をめぐる攻防を報告した。
 連帯のあいさつの最初は、動労千葉だ。田中康宏委員長は「今日の反対同盟の結集は、かつての小作争議で鎌を持って上京したことを見る思い。東京に結集し、国家権力を打倒する新しい決意で臨む」と、労農連携し闘い続けることを強調した。「安倍の反動の突出の裏には支配の危機がある。これに対抗する力があるなら、すべてが動き出す。解雇撤回で最高裁に攻め上る」と国鉄闘争の勝利を訴えた。関西新空港反対住民と市東さんの農地取り上げに反対する会の報告の後、宮本麻子さんが「宣伝カーのアンプを買い替えました」とカンパを訴えた。

福島、沖縄など登壇

 各地からの闘いの報告では、まず「福島からの訴え」で3・11反原発福島行動'14実行委の椎名千恵子さんと福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さんが発言した。椎名さんは、三里塚絶対反対の闘いの意義を語り、今年の3・11郡山集会と3・23三里塚集会は新たな地平を切り開いたと提起した。渡辺さんは「これからが診療所の本領を発揮する時」と決意表明した。沖縄からは名護市議が「三里塚と沖縄が固く連帯し、辺野古新基地建設に反対」と訴えた。 全国農民会議共同代表の小川浩さんは、米の生産費を4㌫下げる安倍の攻撃を「家族農業を一掃し、今まで規模を拡大してきた農家をも潰すもの。農業に対する新自由主義攻撃だ」と明らかにした。北総農民のIさんは「今農民は苦しい。朝から晩まで働いても生活できない」と述べ、「唯一農民が権力と闘っているのが市東さんの闘いです。本当にうれしい」と発言した。司会の萩原富夫さんは「反対同盟は私も市東さんも農民会議の一員です」と付け加えた。
 脱原発運動から「経産省前テントひろば」の渕上太郎さんが登壇した。渕上さんは、「三里塚の闘い、50年はすごい。なぜか。農民が土地にへばりついて闘う。経産省前テントもへばりついて、脱原発の目に見える空間として闘い続ける」と述べた。闘う労働組合から全日建運輸連帯関西地区生コン支部西山直洋執行委員は「反TPP闘争を現場から闘う」と発言し、動労水戸石井真一委員長は被曝労働拒否を訴えた。
 集会アピールを太郎良陽一さん、団結がんばろうを伊藤信晴さんが行い、横断幕を先頭に新橋・銀座を通り、東京駅手前までのデモに出発した。
 道行く人びとは同盟の登場に注目し、市東さんの会が手渡しするビラは次々と受け取られた。
 3・23東京集会は、市東控訴審闘争の突破口を開いた。また、反原発闘争に決起している新しい参加者が加わり、三里塚闘争の裾野を広げる展望を切り開いた。3・23集会の成功をバネに、東京高裁貝阿彌裁判長の早期結審策動を粉砕し、霞が関で安倍打倒の烽火(のろし)を上げよう。

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