3・26控訴審 市東さんの正義、裁判長圧倒 200人超すデモが霞が関ゆるがす 6・25(第2回弁論)闘争へ 安倍政権の戦争政治に痛打

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週刊『三里塚』02頁(0893号01面01)(2014/04/14)


3・26控訴審
 市東さんの正義、裁判長圧倒
 200人超すデモが霞が関ゆるがす
 6・25(第2回弁論)闘争へ
 安倍政権の戦争政治に痛打

(写真 東京高裁を包囲しつつ、検察庁、警視庁前を通るコースを熱気に満ちたデモ行進を貫徹した【3月26日】)

 安倍政権の戦争攻撃と真向から対決する国鉄10万人署名運動の前進、14春闘最中で激化する雇止め攻撃への青年労働者の反撃の開始。こうした闘いと一体となって市東孝雄さん農地を死守する闘いを先頭とした三里塚3〜4月決戦が火を噴いている。3・23全国集会の成功をもって、市東さんと反対同盟は霞が関に攻め上り、3・26控訴審第1回弁論闘争を、高裁第19民事部の貝阿彌(かいあみ)誠裁判長を圧倒する内容で貫徹した。6・25第2回弁論へ、今回を上回る結集を実現しよう。3万人署名貫徹へ全力を上げよう。

NAA 仮執行請求できず

 3月26日、反対同盟と労農学は、東京高裁第19民事部での控訴審第1回口頭弁論を中心とする終日闘争を闘い、高裁および霞が関に巣食う司法権力、警察権力、行政権力の心胆を寒からしめた。 この日は早朝から夕刻まで、1日をかけた決戦として取り組んだ。まず、朝8時より三里塚闘争支援連絡会議が高等裁判所前に登場し、情宣活動を行って闘いの火ぶたを切った。午前10時30分からは、反対同盟や全学連も参加してのリレートーク。
 11時30分から日比谷公園霞門近くで集会。デモは反対同盟を先頭に「農地を守ろう」と訴えて200人を超す労農学が、霞門を出て皇居方向に向かい、検察庁、警視庁前、高等裁判所前へ。途中、経産省前の反原発テントとエールを交換しつつ、霞が関を席巻した。
 午後1時、横断幕をかかげて署名提出行動を行った。この日第1次の署名は8019筆。
 午後2時、100人近い傍聴者で満席となった102号法廷で開廷。書面などの手続きをへて次回期日を6月25日(水)午後3時と確認した上で、市東孝雄さんが意見陳述に立った。(別掲)
 「一審判決は、私から農地を取り上げて農業をやめろというもの。絶対に受け入れることができません」。そしてスクリーンに農地の写真を映しながら、耕作状況、作物の品種などを鮮やかに説明していった。農業に生きがいを見出して生きるということがどういうことであるのか、実感と迫力をもって裁判長に迫った。
 さらに、成田空港会社(NAA)による土地取得の違法・不当を強く弾劾し、「私にとって農地は命です」と訴え、「誘導路が曲がっているのは農家を虫けらのように扱い、場当たり的かつ不当に進めてきた空港建設の結果だ」と鋭く弾劾した。最後に「父と私が精魂込めてつくり続けてきた畑の土を提出する」として、容器に満たした地味豊かな黒い土を裁判長の前に差し出した。「ビロードのような土」と長年賞賛されてきた三里塚の土を目の前にして裁判長らは衝撃を受けていた。
 続いて、弁護団が控訴理由書を陳述した。千葉地裁・多見谷裁判長による一審判決は、NAAの言い分を丸ごと認め、NAAの違法・不当の一切を不問に付した代物だ。187㌻に及ぶ控訴理由書は、この「国策の論理」=国家による農民圧殺の暴挙を根幹から細部まで粉砕するものとして、弁護団が心血を注いで作成したものだ。
 弁護団5人による怒りと気迫のこもった陳述が続く中、裁判長はたびたびさえぎり「1時間半以上も弁論が続くのは異例だ」などと終了を促し、ついには「残った3人の分は進行協議を開いて決める」と言い渡して閉廷を宣し脱兎(だっと)のごとく逃げ去った。
 参議院議員会館講堂で報告集会が開かれた。
 北原鉱治事務局長のあいさつに続き、法廷で感動的な陳述を行った市東さんが発言に立った。「今日も陳述書を読んでいて、〝何度同じことを言っても通じないのか〟と腹が立ってきた。だがこの控訴審は、日本の農家の生き方を変えるかもしれない。みなさんの力を存分に発揮してぜひ勝たせてください」と訴え、拍手を浴びた。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が法廷での全力の闘いを報告し、今後の展望と決意を表した。さらに動労千葉の滝口誠さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、傍聴した埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫さんが連帯発言を行った。
 最後に、萩原富夫さんが参加者の労をねぎらい、「6・25の第2回弁論は必ず今日を上回る結集で裁判所を包囲しよう。もっと多くの人びとに訴え、闘いの陣形をつくろう」と呼びかけた。そして司会の伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、一日の激闘を締めくくった。
 反対同盟は、萩原進事務局次長を失った大きな試練をのりこえ、新たな決意と体制で控訴審闘争に勝利する勢いを示した。控訴審決戦に勇躍突入した。労農連帯の力、闘う全人民の力で市東さんの農地を守りぬこう。
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