団結街道

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週刊『三里塚』02頁(0893号01面06)(2014/04/14)


団結街道


 のらぼう菜がうまい。昨今マスコミにも取り上げられ、埼玉や東京西部での栽培が有名だが、三里塚の産直野菜でも栽培しているのでご存じの方も多いだろう▼名前の由来は、野良に生えていた〝野良生え〟がなまったという説が有力だ。年貢(土地税)を逃れるために、「あれは野に生えているもので畑の作物ではない」と言ったという話もある▼「野良」という言葉自体、ほとんど使われなくなったが、「野原」や「屋外」といったところか。その野良に生えているものが、自然のものとは言えなくなる事態が起きている。遺伝子組み替え作物の自生の問題だ▼四日市港周辺では、こぼれおちた遺伝子組み換えナタネが自生し、アブラナ科の雑草やブロッコリーとの交雑の問題もあるそうだ。鹿島港などでは、飼料用の輸入トウモロコシの種子のこぼれ落ちと生育も確認されている▼ここで再びのらぼう菜。アブラナ科の多くは交配しやすく雑種ができやすいが、のらぼう菜は珍しく他の花粉を受け付けず、雑種ができにくい。自前で種を採る「自家採種」(ちなみに産直野菜でも自家採種だ)に適しているだけでなく、遺伝子組み換えナタネの花粉汚染にも染まらないという。すごいぞ、のらぼう菜!▼闘わなければ命も農業も野菜も守れない時代だ。だが、たまには野良でぼうっとのんびり昼寝でもしたくなるのは季節のなせるわざだろうか。
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