北総の空の下で 三里塚写真展 48年しぶとさ実感

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週刊『三里塚』02頁(0899号02面06)(2014/07/14)


北総の空の下で
 三里塚写真展
 48年しぶとさ実感


 今年の梅雨は陽性だとか。ザァーっと降っては晴れて暑くなります。この先の天候に思いをはせつつ、最盛期のキュウリやナスの収穫と、勢いを増す草との格闘が続きます。
 6月25日、市東さん裁判控訴審第2回は、緊迫した攻防を制して結審策動を押し返しました。初参加が多く、裾野の広がりを実感できる内容でした。
 15日から4日間東京で開かれた写真展は、「三里塚の今」を知らしめる有効な切り口になりました。報道写真家・塩田亮吾さんが市東さんの生活に密着して撮った20点ほどの写真展です。農作業風景、台所に立つ市東さんの後姿、泥まみれの長靴…。カブとキャベツのアップには、「おいしそう!」との感想も。写真を見終わった後に、市東さん宅を上空から撮った航空写真と説明文があり、誘導路に取り囲まれた中で営まれる日常だということが再認識されます。市東さんと現地の私たちの日常は、作物のできや天気に一喜一憂しながらせわしなく過ぎて行きます。
 張り巡らされた鉄板フェンスも、徘徊する警察の私服車も、旅客機の巨体と排気ガスも、当たり前の風景になっていましたが、こんな地域は日本のどこにもないのです。俯瞰(ふかん)して眺める機会を得て、三里塚闘争48年のしぶとさ、たくましさを肌身で受け止めることができました。写真の最後は、フェンスのほころびから芽吹いて伸びる青葉を写したものでした。市東さんと三里塚の未来を込めて!
北里一枝
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