援農ひろば

週刊『三里塚』02頁(0901号02面07)(2014/08/11)


援農ひろば


 7月31日、東京の青年二人が萩原富夫さん宅に援農に入ってくれた。感想文を紹介する。

雑草のたくましさ 東京 堀本 聡

 萩原さんの畑での援農に参加してきました。萩原家での援農は学生時代に何回か参加したことがありますが、今回は私も立場が変わり、萩原家も富夫さんが先頭に立つようになって、前回とは状況がガラリと変わる中で、全く新しい気分で参加することができました。
 今回は、午前中にキュウリやオクラを収穫したほかは、草取りを主に行いました。取ろうとしたら動き出して反撃してくるのではないか? と考えてしまうほどたくましい雑草がたくさん生えており、時には全身を使って力いっぱい引き抜く必要がありました。半日以上そのような作業が続き、普段運動不足のためか足腰にかなり痛みや筋肉痛が出ました。しかし、うっそうとした雰囲気だったネギやサツマイモの畑がかなりスッキリしたように見え、かなりの充実感も得ることができました。作業をしながら感じたことは、純粋に「このオクラはおいしそうだ、ぜひとも色々な人に食べてもらいたい」「草を取って畑をきれいにしたから、良いイモができそうだ」といった生産の喜びのようなものでした。私のようにポッと入ってきた者であっても、畑に立てば、農業が人間の生活の原点であるということを実感できます。それだけの力を三里塚の大地が持っているということでしょう。このような農業を破壊する資本主義が、人間的でありうるはずがないことがよくわかります。
 計画が発表された第3滑走路は、萩原さんの土地をはじめ、周辺の住宅なども根こそぎつぶします。雑草と違って、私たちは手痛い反撃をすることができます。反対同盟、周辺住民と団結して、国や空港会社の暴挙を阻止しよう!

懐かしい夏休み風景 東京 丸山 次郎

 7月31日、仲間と一緒に久しぶりに援農に入った。 オクラがあんな花をつけるとは知らなかった。薄いクリーム色の大きいきれいな花だ。収穫していると、花が咲き、実を結び、人差し指サイズの食べ頃になるまで、さらにドンドン巨大に育つ様を、絵巻物のように観察できる。
 無農薬の畑では、様々な生き物に出会う。草をむしりに畑に分け入ると、バッタやキリギリスが慌てて飛び出す。葉をかき分けるとコオロギや団子虫、てんとう虫が日差しを避けて休んでいる。カマキリは堂々としていて、幼虫のくせに逃げる素振りすら見せない。
 草取りの途中に腰を伸ばすと、広い畑の中を、萩原家の子ども達が、お揃いの麦藁帽をかぶり、虫取り網を振り回し駆け回っている。都会では見られない絵に描いたような夏休みの風景である。「今は思いっきり遊べばいい、夏の終わりには溜まった宿題を前にベソをかくのだから」。そんな意地悪なことを考えながら、周りを見廻す。
 少し先では、ジェット機がひっきりなしに離陸している。あの下には広大な空港が広がっている。空港ができる前は、あそこでもこのような風景が当たり前に広がっていたのだろう。成田空港は、このような自然と人々の営みを、分厚いコンクリートの下に押しつぶして造られたのだ。今回の援農では何よりもそのことを実感した。
 この地で労働者とともに闘い、農業を続けることは、それに対する目に見える形での強烈な抵抗であり反撃だ。そう考えると、静かでのどかな畑の風景が強固な砦のように見えた。最後に、昼に頂いた萩原家のご飯が最高においしかったことを、感謝を込めて付け加えておきたい。
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