10・8高裁包囲闘争を闘い 10・12総力で三里塚へ 〝必ず勝つ!〟 これが私の心境だ

週刊『三里塚』02頁(0904号01面01)(2014/09/22)


10・8高裁包囲闘争を闘い
 10・12総力で三里塚へ
 〝必ず勝つ!〟 これが私の心境だ

(写真 6・25第2回弁論闘争で東京高裁包囲の先頭に立つ市東孝雄さん)


 反対同盟、支援連絡会議を先頭にして、10・8農地裁判控訴審の第3回弁論へ、さらに10・12全国集会への取り組みが熱を増してきた。特に、農地取り上げ反対3万人署名の達成へ向けた闘いが前進している。9月10日、16日、17日、20日、23日と連続的な闘いに決起し、約1500筆を集めた。さらに、成田周辺地域23カ所の労働組合に署名への協力を依頼する闘いも始めた。耕作権裁判での文書提出をめぐる攻防での勝利が大きな力を与えている。今こそ10・8闘争から何よりも10・12全国集会の成功をかちとろう。これらは、9・11郡山闘争の勝利から11・2労働者集会の成功に結びつくものだ。反対同盟からのアピールとして市東孝雄さんに話を伺った。

反対同盟・市東孝雄さんに聞く

 ――耕作権裁判での文書提出命令をめぐる攻防で、大きな勝利をかちとりました。
 市東 ちょっと自分でもびっくりしている。そもそも「文書提出命令」を裁判長に要求する、という手続きがあることも知らなかったし。でもとにかくこの攻防のために、2012年の10月から裁判は止まっていたわけで、拙速裁判を許さない闘いとして重要だ、くらいの感覚でいた。
 ――抗告だのそれの棄却だのと、言葉も難しいですよね。
 市東 白石(史子)裁判長の時に10の文書のうち3つしか開示しなかった。そこで弁護団ががんばってくれて、東京高裁に即時抗告を行った。だけど、普通の感覚で言えば、千葉地裁よりもっと悪いのが高裁でしょ。現闘本部裁判の時だって、千葉地裁・仲戸川(隆人)裁判長では仮執行がつかなかったのに高裁の井上(繁規)裁判長はそれをつけた。だから即時抗告もどうせ棄却だよ、くらいに思っていた。
 ところが、2回もNAA側の抗告を棄却し、最後の「許可抗告」とかいうのも認めなかった。ちょっと驚いたよね。
 ――やはり、東京高裁ですら擁護できないデタラメを空港公団〜NAAがやっていたということでしょうか。
 市東 それ以外に考えられない。何せ、土地の売買をめぐる境界の確認や面積の測定は基本中の基本だよね。それを示す重要書類の境界確認書や同意書を偽造したのだから、ひどい話だよ。9月7日の群馬集会で司会の土地家屋調査士である青柳晃敬さんが言ってた。「境界確認の偽造なんかをしたら、私らの業界では、即、免許取り消しですよ」と。そういう悪事が、耕作権裁判や農地裁判で明るみに出てきて、さすがの東京高裁もかばい切れなくなったんじゃないかな。普通だったら裁判はこれで終わりだよ。だけど、油断はならない。裁判所のことだから次にどんなペテンを使ってくるか。そういうことをさせないためにも10・8の弁論闘争は3月、6月を上回る取り組みを訴えたい。高裁は1回1回が勝負だからね。
 ――そしてすぐ後に10・12全国集会です。
 市東 私の農地の問題もあるけど、やっぱり安倍政権が推進している「空港機能の強化」という政策が問題だよ。2020年までに発着枠を4万回増便すると言っている。今うちの前にある2500㍍を1000㍍延長すると報告書(国交省有識者会議の「中間とりまとめ」)に明記してある。
 その上で3本目の滑走路を造るというんだから、俺たちをなめきっている。冗談じゃない。48年前に時計の針を戻すのか、という話だよ。だから、周辺地域に向けた一斉行動を何としても続けよう、ということで重視している。
 農作業が本当に忙しくて、9月になれば各地の集会への依頼とかもある。正直きついと思うこともあるけど、泣き言は言っていられない。
 実際、住民の反応が今までとは違う。私が最初に回ったのは旧下総町の暫定滑走路の北側の騒音直下地域だったけど、口々に怒っていた。そこへ「1000㍍延長は北側へ」なんていう多古町長の話(6月町議会での答弁)が出てきているわけだからね。怒り心頭だと思うよ。こういう人たち何百、何千人追い出そうという攻撃だからね。反対同盟は連帯していく。
――右翼の街宣車が定期的に回っていますね。
 市東 こっちが一斉行動も含めて、いろいろやっていることに対する焦りだよね。「市東は北原、萩原にそそのかされている」などと、闘う者を分断しようという宣伝だけど、何も分っちゃいない。反対同盟は、動労千葉を始めとした労働者や沖縄・福島と一つの闘いとしてこれからもがんばっていく。こっちは48年も闘っている。
――最後に農業への思いと10・8〜10・12への改めての呼びかけを。
 市東 私は15年前に、おやじ(東市さん)の遺志を継ぐために天神峰に戻って来た。「農地を空港に渡すな」というのがおやじの遺言だ。そして農業。年間57種類の有機野菜を作り、消費者に届け、喜んでもらっている。苦労もあるけど農業が楽しいし本当に生きがいになっている。この〝宝物〟を奪う権利は誰にもない。誰にも渡さない。「負ける」という言葉を使いたくないという心境になって来た。「負けられない闘い」とかいうのもちょっとね。「必ず勝つ!」、これが今の私の気持ちだ。10月8日、10月12日連続になりますがよろしくお願いします。

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