敗北感丸だしの黒野講演 第3滑走路への怒りに恐怖

週刊『三里塚』02頁(0906号02面03)(2014/10/27)


敗北感丸だしの黒野講演
 第3滑走路への怒りに恐怖


 9月18日、「成田第3滑走路実現する会」と成田商工会議所は、成田空港会社(NAA)元社長の黒野匡彦(まさひこ)を呼んで講演会を開催した。第3滑走路推進の気運が盛り上がらない状況に「もっと力をいれろ」とハッパをかけるために開いたものだ。
 黒野は講演や質疑の中で羽田や成田をめぐる諸状況に踏まえ、次のように成田の危機をあけすけに語っている。「技術的にも難しく費用もかかった羽田4本目の滑走路ができたのは、成田がもたもたしたから。10〜15年前に成田に3本目ができていれば、羽田4本目なんてなかった」「羽田の第5滑走路は条件的に難しく、成田の3本目の方が優位だが、もたもたしていると4本目と同じように羽田は第5滑走路を実現すると思う」
 そして「成田の将来、日本の将来のためにも成田空港は頑張る必要がある」「成田周辺の方々がこれまで以上に協力を」というのだ。一体誰のための将来か。黒野の言葉には地元住民の生活や健康など眼中にない。東峰地区への謝罪がいかに口先だけのことだったか。しかし社長として発した責任をなかったことにさせるわけにはいかない。 もうひとつ許せないのは、黒野が「運輸政策研究機構の会長として中立的な立場から」などと第三者づらをしていることだ。黒野が会長を務める「運輸政策研究機構」は民間のシンクタンクというが、政府系の財団法人で官僚の天下り先だ。  黒野自身、根っからの運輸官僚だ。運輸事務次官時代には「国鉄改革は百年後も正義であり続ける」と言い放ち、2004年に初代NAA社長となって、市東さんの農地取り上げに手を染めた人物である。まさに今回の講演は、危機にかられた「官」「財」の焦り、追いつめられた安倍政権の焦りにほかならない。住民に一言もなく開始された第3滑走路計画は、反対同盟の暴露・宣伝で周辺住民の怒りが湧き上がっている。48年前と同じ住民無視の空港建設に手を染めようとする黒野、NAAを弾劾しよう。
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