LCCエアアジア機が墜落 やはり安全無視が原因

週刊『三里塚』02頁(0911号02面03)(2015/01/12)


LCCエアアジア機が墜落
 やはり安全無視が原因


 12月28日、マレーシアの格安航空会社(LCC)・エアアジア機がインドネシア沖で墜落した。乗員・乗客162人。この事故の背景が徐々に分かってきた。やはり、LCCによる安全無視の可能性が極めて高い。
 インドネシア気象地理庁はこれまで、「悪天候が墜落事故の一因」との報告書を発表していたが、他の疑惑が次つぎと浮上している。
 まず、墜落したエアアジア機が、運航認可されていない日曜日に飛行していたとし、同社のスラバヤ―シンガポール間の運航を停止させる措置を発表した。
 さらに、重大な事実が発覚した。墜落したエアアジア機が出発前、インドネシア気象地理庁の気象情報報告書を受理していなかったのだ。
 エアアジアでは主にパイロットが自ら気象情報を判断していたと弁解しているが、欧米ではパイロットに依存することは許可されず、通常、ディスパッチャー(運航管理者)が気象情報の収集や詳細な飛行計画を作成し、機長とともに運航の連帯責任を負う。
 今回の場合、当初、事故機の周辺に数機の飛行機も飛んでいたが、事故にはなっていない。気象情報を受理していれば事故は回避できたとの見方が強い。
 エアアジアでは事故後も異常事態が多発している。1月3日夜、スラバヤの空港で離陸前のエアアジア機のエンジンが突然停止する事態が発生。離陸に向け走り出した直後に停止した。エアアジア系列のマニラ発カリボ行のエアアジア・ゼスト機がスラバヤの墜落事故後の2日後、着陸時にオーバーランする事故を起こしている。また、タイでも同日、タイ・エアアジア機がドンムアン空港から同国内の別の空港に向かう離陸直後に引き返すなどアクシデントが続いている。
 その背景には、東アジアが成長市場と言われながら、域内に30近いLCCがしのぎを削る中、低価格競争が起きていることがある。エアアジアの13年12月期決算は、純利益が54%も減少し、昨年11月発表の14年7月―9月期決算にいたっては、前年同期比で純利益が85%も激減した。競争激化による運賃ダウンが要因となっている。こうした結果、安全無視の事態が発生し、大事故につながった可能性が極めて高い。危険なLCCに頼って延命を図る成田空港の未来は推して知るべしだ。
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